2018年8月27日(月) 「パウエル講演で、株高、債券高進む」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は111円台で小動き。パウエルFRB議長は講演で、今後の緩やかな利上げを維持しながらも、利上げを急がない姿勢を見せたことで、ドル円は若干売られ、111円10銭を付ける。ドルの高値は111円45銭。
- ユーロドルは小幅に買い戻され、1.1640まで上昇。ユーロドルの上昇に伴い、ユーロ円も129円台半ばまで買われ、2週間ぶりの高値を記録。
- 株式市場はパウエル議長の講演内容を好感し上昇。ダウは133ドル上昇し高値に迫り、S&P500は17ポイント上昇し、今年1月以来となる最高値を更新。
- パウエル講演で、利上げを急がないとの姿勢を好感し、債券価格は上昇。長期金利は2.81%台に低下。
- 金は大幅に反発し、原油も続伸。
7月耐久財受注 → -1.7%
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| ドル/円 | 111.10 〜 111.45 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1582 〜 1.1640 |
| ユーロ/円 | 128.91 〜 129.42 |
| NYダウ | +133.37 → 25,790.35ドル |
| GOLD | +19.30 → 1,213.30ドル |
| WTI | +0.89 → 68.72ドル |
| 米10年国債 | −0.016 → 2.810% |
本日の注目イベント
- 中 中国 7月工業利益
- 独 独8月ifo景況感指数
ジャクソンホールでのパウエルFRB議長の講演は、「ハト派的」と受け止められ、ドル円は講演後やや売られましたが、それでも111円台はしっかり維持しています。講演で議長は「現在の緩やかな金利引き上げは双方のリスクに対応するものだ」と述べ、「利上げを急げば景気後退のリスクを招き、利上げを遅らせれば物価の加熱を招く」と指摘。さらに、物価上昇については「2%を超えて加速する明確な兆しはみえず、加熱するリスクの高まりもない」と述べています。
この発言から一部には、FRBは2019年にも利上げ路線を停止するのではないかとの見方が浮上しています。今回ジャクソンホールのシンポジュームに参加したダラス連銀のカプラン総裁も、「あと3、4回の追加利上げは適切だが、その後はいったん離れて、さまざまな経済指標を点検すべきだ」と語っています。(ブルームバーグ)FRBの政策金利であるFF金利の誘導目標は現在、1.75%〜2.00%で、仮に、9月に利上げを断行しても2.00%〜2.25%になります。かつて、この政策金利は8%だったこともあり、カプラン総裁の予想に従えば、2.75%〜3.00%で、政策金利は一旦落ち着くことになり、ドルにとっては買い材料の一つがなくなることにもなります。
見方によっては今回のパウエル議長の発言は、先週のトランプ大統領の圧力を考慮した発言だったと捉える向きもあるようですが、「利上げは嬉しくない」と発言する以前から市場には、FF金利の適正水準は過去の水準に比べて、かなり低く留まるといった見方もありました。今回の発言の趣旨が、パウエル議長がトランプ氏を「忖度」した結果であるとは思えませんが、この講演を受けて、米国株は急伸し、S&P500は史上最高値を更新し、ダウも再び最高値に迫ってくるなど、株価は堅調に推移しています。
債券市場でも、債券が買われ、長期金利も3%から緩やかな低下傾向を見せています。先週末の長期金利は2.81%台まで低下し、一方で政策金利の影響を受けやすい2年もの金利は上昇し、2年と10年の金利差はさらに縮小して、20bp程度にまでなって来ました。イールドカーブの長短逆転が起これば、過去の事例では景気の後退を示しており、今後そう遠くない時期に米景気がピークアウトすることも予想されます。
ドル円は111円台で堅調に推移しています。上記、「ハト派的」な発言もあり、さらには今週予定されていたポンペオ国務長官の訪朝が突然中止されたことも、円買い材料になりますが、今の所大きな影響はないようです。今回の突然の中止は、「朝鮮半島の非核化が十分な進展が見られないと感じている」ことを理由に、トランプ大統領がポンペオ氏に求めたものとされていますが、一方で「金正恩委員長との再会を楽しみにしている」ともツイートしています。
ドル円は111円台をしっかりとキープしていますが、111円台半ば前後が抜け切れない展開が続いています。テクニカルでも、一目均衡表の「雲の上限」(日足)が111円60銭前後にあり、これが意識されている面もあろうかと思います。やはり111円80銭辺りが抜けるかどうかが、今後の展開にとっても重要だと思われます。本日は、先ずは111円台が維持されるかどうかと、上値は上記111円50銭〜111円80銭辺りのレジスタンスゾーンを抜けるかどうかが焦点になります。予想レンンジは110円80銭〜111円70銭程度を見ています。
What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 7/6 | クーレ・ECB理事 | 「(米国の保護主義を受けて)これまでのところ、われわれが見てきたことが景気回復を妨げる恐れはない」ブルームバーグとのインタビューで。 | -------- |
| 7/8 | ルメール・仏経済・財務相 | 「(トランプ政権に対して)仮に、あなた方がわれわれを再び攻撃し、自動車メーカーに関税を課すようなことがあれば、われわれは報復すると警告しておく」経済フォーラムで。 | -------- |
| 7/11 | 中国商務省 | 「国家と人民の利益を守るため、中国は必要な反撃をせざるを得ない」米国の2000億ドルの追加関税発表に対して。 | -------- |
| 7/16 | 共和党・マケイン上院議員 | 「記憶にある限りで、米大統領として最も恥ずべき行為の一つだ」米ロ首脳会談について。 | -------- |
| 7/17 | パウエル・FRB議長 | 「当面は、フェデラルファンド(FF)金利の漸進的な引き上げ継続が最善策だと考えている」議会証言で。 | ドル高、株高が進む |
| 7/19 | トランプ・米大統領 | 「(金融当局の利上げに関して)うれしくない。景気は上向いている。上向くたびに、彼らはまた金利を引き上げたいと考える。それに関して私は不満だ。だが同時に、彼らが最善と考える行動を私は容認している」」CNBCとのインタビューで。 | ドル円113円から112円06銭前後まで急落 |
| 7/20 | トランプ・米大統領 | 「(中国人民元)石のように落ちている」「米国の通貨は上昇している、これにより、われわれが不利な立場に置かれているといわざるを得ない」CNBCとのインタビューで。 | ドル円112円60銭付近からから112円28銭まで急落。日経平均プラス100円からマイナス204円に |
| 7/20 | トランプ・米大統領 | 「中国やEUや他の国々は通貨を操作し、金利上昇を抑えている」「米国は金利を上げ、ドルは強くなり、われわれの偉大な競争力を奪う。引き締めはわれわれが成し遂げたすべてを傷つける」ツイッターで。 | ドル円112円30銭付近からから111円38銭まで急落。 |
| 7/31 | 黒田・日銀総裁 | 「当分の間、現在の極めて低い長期金利の水準を維持する。物価上昇のモメンタムはしっかり維持されている」政策決定会合終了後の記者会見で。 | ドル高進む |
| 8/3 | 中国商務省 | 「米側が企業や消費者の利益を省みず事態をエスカレートさせており、中国は必要な反撃措置を取らざるを得ない」600億ドルの報復関税発表にあたって。 | -------- |
| 8/14 | エルドアン・トルコ大統領 | 「トルコに攻撃を仕掛け者はコストを支払うことになる」TV演説で。 | -------- |
| 8/16 | ムニューシン・米財務長官 | 「トルコが(米牧師を)即時釈放しない場合、さらなる制裁を計画している」CNNテレビで。 | -------- |
| 8/20 | トランプ・米大統領 | 「私は中国が為替操作をしているのは間違いないと思う。ユーロも操作されていると見ている」NY州のハンプトン地区で開かれた資金集めのイベントで。 | ドル円110円台半ばから下落 |
| 8/20 | トランプ・米大統領 | 「トルコに譲歩することはない」ロイター通信とのインタビューで。 | -------- |
| 8/23 | カプラン・ダラス連銀総裁 | 「われわれの仕事は、政治的影響に関係なく、金融政策と監督に関する決定を下すことだ。それを続けていくと私は確信する」「私がそうすべきと思うように当局が金利を中立水準に引き上げるなら、向こう9カ月から12カ月で3−4回の利上げが必要になるという意味だと思う」CNBCとのインタビューで。 | ドル円110円台から111円台に上昇。 |
| 8/24 | パウエル・FRB議長 | 「現在の緩やかな金利引き上げは双方のリスクに対応するものだ」「利上げを急げば景気後退のリスを招き、利上げを遅らせれば物価の加熱を招く」「(物価上昇は)2%を超えて加速する明確な兆しはみえず、加熱するリスクの高まりもない」ジャクソンホールでの講演で。 | ドル安、株高が進む |



