今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2018年8月28日(火) 「ユーロドル1.16台後半まで反発」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円はこの日も小動き。111円を挟む水準で一進一退。米国がメキシコとの間で貿易協定を締結するとの報道でドル売りが強まり、110円95銭までドルが売られたが勢いはなく、111円台に押し戻されて引ける。
  • ユーロドルは続伸し、1.17手前までユーロ高が進む。独ifo景況感指数が予想を上回ったことがユーロ買いにつながった。
  • 株式市場は米国がメキシコとの貿易協定締結を発表したことを好感し大幅に続伸。ダウは259ドル上昇し、2万6000ドルの大台に乗せ、ナスダックは初の8000ポイント達成。S&P500も連日で最高値を更新。
  • 債券相場は反落。長期金利は2.85%台まで上昇し、2.84%台で引ける。
  • 金は続伸。原油価格も小幅ながら続伸。
ドル/円 110.95 〜 111.12
ユーロ/ドル 1.1626 〜 1.1693
ユーロ/円 129.15 〜 129.83
NYダウ +259.29 → 26,049.64ドル
GOLD +2.70 → 1,216.00ドル
WTI +0.15 → 68.87ドル
米10年国債 +0.036 → 2.846%

本日の注目イベント

  • 欧 ユーロ圏7月マネーサプライ
  • 米 6月ケース・シラ−住宅価格指数
  • 米 8月消費者信頼感指数
  • 米 8月リッチモンド連銀製造業指数

トランプ大統領は昨日、急遽ホワイトハウスの大統領執務室でメキシコとの間で新たな貿易協定に署名すると発表しました。大統領はNAFTA(北米自由貿易協定)という名称は印象が悪いとして、新たな協定にはNAFTAの名称は用いないと発言し、「米メキシコ貿易協定と呼ぶことにする」とし、NAFTAには「悪い意味合いがある。米国が何年にもわたってNAFTAにひどく痛めつけられたためだ」と説明しています。(ブルームバーグ)

ドル円は、この発表後にやや売られ、111円を割り込んでいますが、大きな動きはなかったようです。この発表に反応したのは株式市場でした。ダウは259ドル上昇し、2万6000ドルの大台を回復し、ナスダックは初の8000ポイントに乗せました。また前日史上最高値を更新したS&P500はこの日も上昇し、連日の最高値更新でした。先週末のパウエルFRB議長の講演では、利上げを急がないとの発言があり、市場には、利上げ政策の停止も近いのではとの観測が広がったことも株価に有利に働いているようです。

ドル円は、先週末には111円台半ばまでドル高が進みましたが、今回も今のところレジスタンスゾーンである111円台半ばは抜け切れずに110円台後半まで落ちてきました。なかなか明確な方向性が見つけられずに、やりにくい相場展開が続いています。110−112円のレンジ内取り引きと割り切って、「逆張り」も有効なのかもしれませんが、このレンジが何かをきっかけに上下に大きく抜けることもないとは言えません。そのため、レンジの外ではストップを入れておく必要があります。

最近のドル円の動きは、「有事の円買いではなく、有事のドル買い」に傾いています。昨日も、米国がNAFTAに変わる新しい貿易協定をメキシコとの間で結んだことがドル売り円買いにつながっていました。この流れがどこまで続くのか、今後も注意して見ていく必要があります。本日のドル円は110円70銭〜111円50銭程度を予想します。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時     発言者     内容   市場への影響   
7/6 クーレ・ECB理事 「(米国の保護主義を受けて)これまでのところ、われわれが見てきたことが景気回復を妨げる恐れはない」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
7/8 ルメール・仏経済・財務相 「(トランプ政権に対して)仮に、あなた方がわれわれを再び攻撃し、自動車メーカーに関税を課すようなことがあれば、われわれは報復すると警告しておく」経済フォーラムで。 --------
7/11 中国商務省 「国家と人民の利益を守るため、中国は必要な反撃をせざるを得ない」米国の2000億ドルの追加関税発表に対して。 --------
7/16 共和党・マケイン上院議員 「記憶にある限りで、米大統領として最も恥ずべき行為の一つだ」米ロ首脳会談について。 --------
7/17 パウエル・FRB議長 「当面は、フェデラルファンド(FF)金利の漸進的な引き上げ継続が最善策だと考えている」議会証言で。 ドル高、株高が進む
7/19 トランプ・米大統領 「(金融当局の利上げに関して)うれしくない。景気は上向いている。上向くたびに、彼らはまた金利を引き上げたいと考える。それに関して私は不満だ。だが同時に、彼らが最善と考える行動を私は容認している」」CNBCとのインタビューで。 ドル円113円から112円06銭前後まで急落
7/20 トランプ・米大統領 「(中国人民元)石のように落ちている」「米国の通貨は上昇している、これにより、われわれが不利な立場に置かれているといわざるを得ない」CNBCとのインタビューで。 ドル円112円60銭付近からから112円28銭まで急落。日経平均プラス100円からマイナス204円に
7/20 トランプ・米大統領 「中国やEUや他の国々は通貨を操作し、金利上昇を抑えている」「米国は金利を上げ、ドルは強くなり、われわれの偉大な競争力を奪う。引き締めはわれわれが成し遂げたすべてを傷つける」ツイッターで。 ドル円112円30銭付近からから111円38銭まで急落。
7/31 黒田・日銀総裁 「当分の間、現在の極めて低い長期金利の水準を維持する。物価上昇のモメンタムはしっかり維持されている」政策決定会合終了後の記者会見で。 ドル高進む
8/3 中国商務省 「米側が企業や消費者の利益を省みず事態をエスカレートさせており、中国は必要な反撃措置を取らざるを得ない」600億ドルの報復関税発表にあたって。 --------
8/14 エルドアン・トルコ大統領 「トルコに攻撃を仕掛け者はコストを支払うことになる」TV演説で。 --------
8/16 ムニューシン・米財務長官 「トルコが(米牧師を)即時釈放しない場合、さらなる制裁を計画している」CNNテレビで。 --------
8/20 トランプ・米大統領 「私は中国が為替操作をしているのは間違いないと思う。ユーロも操作されていると見ている」NY州のハンプトン地区で開かれた資金集めのイベントで。 ドル円110円台半ばから下落
8/20 トランプ・米大統領 「トルコに譲歩することはない」ロイター通信とのインタビューで。 --------
8/23 カプラン・ダラス連銀総裁 「われわれの仕事は、政治的影響に関係なく、金融政策と監督に関する決定を下すことだ。それを続けていくと私は確信する」「私がそうすべきと思うように当局が金利を中立水準に引き上げるなら、向こう9カ月から12カ月で3−4回の利上げが必要になるという意味だと思う」CNBCとのインタビューで。 ドル円110円台から111円台に上昇。
8/24 パウエル・FRB議長 「現在の緩やかな金利引き上げは双方のリスクに対応するものだ」「利上げを急げば景気後退のリスを招き、利上げを遅らせれば物価の加熱を招く」「(物価上昇は)2%を超えて加速する明確な兆しはみえず、加熱するリスクの高まりもない」ジャクソンホールでの講演で。 ドル安、株高が進む
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和