2018年9月12日(水) 「ドル円再び上値をテストか?」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は小幅ながら緩やかに続伸。米長期金利が1カ月ぶりの高水準に達し、株価も3市場揃って上昇したことでドル買いが優勢に。ドル円は111円64銭まで買われ、直近につけた高値を抜いてきた。
- ユーロドルは前日と同じく、1.16を巡る展開となり、上下50ポイントの値幅に収まる。
- 株式市場は3市場揃って上昇。ダウは3日ぶりに113ドル高となり、カナダとの通商交渉が進展しそうなことと、原油高からエネルギー関連株が上昇を牽引。
- 債券相場は続落し、10年債利回りは一段と上昇。一時2.98%台に乗せ、約1カ月ぶりの高水準に。
- 金は反発。原油価格は前日比1.71ドルの大幅高に。大型ハリケーン「フローレンス」が東海岸南部に上陸の可能性が高まったことを材料に買われる。
| ドル/円 | 111.29 〜 111.64 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1565 〜 1.1612 |
| ユーロ/円 | 128.76 〜 129.56 |
| NYダウ | +113.99 → 25,971.06ドル |
| GOLD | +2.40 → 1,202.20ドル |
| WTI | +0.044 → 2.975% |
| 米10年国債 | −0.007 → 2.931% |
本日の注目イベント
- 欧 ユーロ圏7月鉱工業生産
- 米 8月生産者物価指数
- 米 ベージュブック(地区連銀経済報告)
- 米 ブラード・セントルイス連銀総裁講演
昨日の東京市場では、日経平均株価が久しぶりに大幅に上昇したことで、ドル円も順調に上昇し、先週からやや「壁」になりつつある111円25銭をしっかりと上抜け。NY市場では111円64銭までドル高が進んでいます。米中貿易問題の悪化が懸念されている中、目先は先週のドルの高値である111円76銭前後が抜けるかどうかが焦点になります。
先週は、ここを頂点に下げに転じ、110円台半ばまでドルが売られました。本日この水準を試すような状況になれば、ドル売り注文も集まりやすいとは思いますが、抜け切れば、112円も視野に入ってきそうです。NY市場の高値の111円64銭は、日足の一目均衡表のちょうど「雲の上限」にあたります。言うまでもなく、「雲の上限」を抜け切れば、均衡が破れたという意味でドルが一段と上昇することは十分考えられます。
前回とは米長期金利の水準も異なっており、ドルを支える構図にはなっていますが、一方で貿易問題を巡るトランプ大統領の「ツイッター」がいつ飛び込んでくるのかわかりません。ドルロングを仕込んでも、なかなか長期に維持できないのも事実ですが、雲を抜けきれば、テクニカルでもドル高が示唆されるのも、また事実です。ドルが下げても深押しはなく、米景気の強さを背景に直ぐにドルが反発する展開が続いており、まだ明確な方向性は出ていないと判断しています。先週後半にかけてはドルの下値を試し、抜け切れなかったことから今度は上値をテストしている段階だと理解しています。
米国とカナダは、NAFTAを巡る再交渉を行いました。カナダ側は好ましくない協定には署名しないと主張していますが、カナダのフリーランド外相は、「非常に生産的かつ建設的な話し合いを持った。雰囲気は引き続きなごやかであり、双方とも友好的だ」と語り、「通商交渉では当然ながら、決まる時には一挙に決まる」と述べ、引き続き交渉には臨むようです。またトランプ大統領は「カナダ側は取引を強く臨んでいる。私としては成功すればいいし、成功できなくても問題ないという立場だ」と、ホワイトハウスで語っています。(ブルームバーグ)
また現時点で最も注目されている米中の関税問題では、中国は「米国がWTO(世界貿易機構)の判断を順守していない」として、WTOに対して、米国に報復するための許可を今月求める方針だと伝えられています。このように、中国側も今のところ妥協する姿勢を見せてはいないことから、トランプ大統領が今日にでも2000億ドルの追加関税に言及してもおかしくはない状況です。
本日は日本株も堅調な動きかと思います。昨日、日本株は大きく上昇し、上げ幅を拡大しましたが本日も、もし同じような動きが見られれば、上記水準のテストがあるかもしれません。出遅れている日本株がどこまで続伸できるのか、東京時間ではそれが材料になると見ています。予想レンジは111円10銭〜112円程度でしょうか。
What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 8/3 | 中国商務省 | 「米側が企業や消費者の利益を省みず事態をエスカレートさせており、中国は必要な反撃措置を取らざるを得ない」600億ドルの報復関税発表にあたって。 | -------- |
| 8/14 | エルドアン・トルコ大統領 | 「トルコに攻撃を仕掛け者はコストを支払うことになる」TV演説で。 | -------- |
| 8/16 | ムニューシン・米財務長官 | 「トルコが(米牧師を)即時釈放しない場合、さらなる制裁を計画している」CNNテレビで。 | -------- |
| 8/20 | トランプ・米大統領 | 「私は中国が為替操作をしているのは間違いないと思う。ユーロも操作されていると見ている」NY州のハンプトン地区で開かれた資金集めのイベントで。 | ドル円110円台半ばから下落 |
| 8/20 | トランプ・米大統領 | 「トルコに譲歩することはない」ロイター通信とのインタビューで。 | -------- |
| 8/23 | カプラン・ダラス連銀総裁 | 「われわれの仕事は、政治的影響に関係なく、金融政策と監督に関する決定を下すことだ。それを続けていくと私は確信する」「私がそうすべきと思うように当局が金利を中立水準に引き上げるなら、向こう9カ月から12カ月で3−4回の利上げが必要になるという意味だと思う」CNBCとのインタビューで。 | ドル円110円台から111円台に上昇。 |
| 8/24 | パウエル・FRB議長 | 「現在の緩やかな金利引き上げは双方のリスクに対応するものだ」「利上げを急げば景気後退のリスを招き、利上げを遅らせれば物価の加熱を招く」「(物価上昇は)2%を超えて加速する明確な兆しはみえず、加熱するリスクの高まりもない」ジャクソンホールでの講演で。 | ドル安、株高が進む |
| 8/30 | トランプ・米大統領 | 「米中貿易摩擦で中国が米国より長く生きることはないだろう」ブルームバーグとのインタビューで。 | -------- |
| 9/3 | トルコ中銀 | 「使い得るあらゆる手段を駆使し、13日の政策会合で金融政策のスタンスを調整する」予想を超えた消費者物価指数発表後の声明で。 | トルコリラ下げ幅を縮小 |
| 9/6 | トランプ・米大統領 | 「もちろん私が彼らに対し、彼らがどれだけ支払う必要があるか告げた途端に終わるだろう」日米の貿易問題に関して、WSJが伝える。 | ドル円111円40銭レベルから110円台半ばへ |
| 9/7 | トランプ・米大統領 | 「(中国に)新たに2670億ドル(約29兆円)分の関税を課す準備はできている」報道陣に。 | ドル円111円台から110円74銭へ |
| 9/7 | トランプ・米大統領 | 「(日米貿易協議が)合意に達しなければ日本は大変な問題になる」 | -------- |



