2018年9月21日(金) 「NYダウ最高値更新でリスク選好さらに強まる」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は続伸し、112円58銭まで上昇。昨日の自民党総裁選で安倍氏が勝利し、NYではダウが最高値を更新。投資家のリスク選好が進む。
- ユーロドルは反発し、7月以来となる1.1785までユーロ高が進む。ユーロ円も132円52銭まで買われ、この日は円全面安の展開。
- 株式市場は大幅に上昇。ダウは251ドル上昇し、約8カ月ぶりに過去最高値を更新。経済指標が引き続き良好だったことで、主要3指数が揃って上昇。
- 債券相場は小動きの中、結局前日比変わらず。長期金利は3.06%のまま変化なし。
- 金は続伸し、原油価格は小反落。
新規失業保険申請件数 → 20.1万件
8月景気先行指標総合指数 → 0.4%
8月中古住宅販売件数 → 534万件
9月フィラデルフィア連銀景況指数 → 22.9
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| ドル/円 | 112.05 〜 112.58 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1739 〜 1.1785 |
| ユーロ/円 | 131.71 〜 132.52 |
| NYダウ | +251.22 → 26,656.98ドル |
| GOLD | +3.00 → 1,211.30ドル |
| WTI | −0.32 → 70.80ドル |
| 米10年国債 | ±0 → 3.063% |
本日の注目イベント
- 日 8月消費者物価指数
- 独 独9月製造業PMI(速報値)
- 独 独9月サービス業PMI(速報値)
- 欧 ユーロ圏9月製造業PMI(速報値)
- 欧 ユーロ圏9月サービス業PMI(速報値)
- 欧 ユーロ圏9月総合PMI(速報値)
- 加 カナダ7月小売売上高
- 加 カナダ8月消費者物価指数
昨日行われた自民党総裁選では予想された通り安倍氏が勝利しましたが、注目された「勝ち方」を見ると、石破氏の「善戦」がひかり、反安倍勢力の多さや、「隠れ石破支持」が多かったようです。実際、安倍氏が553票を獲得して勝利したことが決まると、株価は下落に転じ、ドル円も円高に振れる場面がありました。マスコミ的に言えば、今後の石破氏の処遇がどのようなものになるのか、今度はこちらが注目されそうです。
結局石破氏の善戦により、今回の自民党総裁選は為替にも、株価にも影響はほとんどなかったということになります。もちろん、今後財政出動など景気浮揚策を講じてくれば、その時には影響があるとは思いますが、昨日のドル高はあくまでもNY市場での材料によるものです。NYダウは251ドル上昇し、3主要株価指数の中では唯一1月に記録した水準を抜いていませんでしたが、昨日ようやく8カ月ぶりに更新しました。経済指標が予想を上回り、米企業業績の上振れを先取りする形で株価が上昇しました。フィラデルフィア連銀景況指数は予想を大きく上回り、失業保険申請件数にいたっては、実に49年ぶりの低水準だったようです。昨日のドル円と株価の動きを見る限り、そこには「貿易戦争」などという言葉は微塵も感じられなかったと言えます。
ドル円は112円台半ばを超える水準まで上昇しましたが、そのスピードは極めて緩やかです。このところの上昇の特徴は、クロス円主導のドル高円安が進んでいることです。昨日も、ユーロ円は132円台半ばまで買われ、豪ドル円も1月半ぶりに82円台を回復し、ポンド円も149円台まで上昇しており、円全面安の様相でした。クロス円の買いは、ドル円でもドル買い円売りに波及します。今後クロス円がもう一段の上昇を見せるようだと、ドル円も113円台乗せの可能性が高まってきそうです。
本日は、NYダウ最高値更新に加えドル高です。日本株も一段の上昇が予想されます。2万3000円を超えてからの上昇ピッチが速すぎるのが気がかりですが、米国株に比べると明らかに出遅れていたことを考えると、上昇の余地はあるでしょう。本日のレンジは112円20銭〜113円程度と予想します。
まもなく「秋分の日」。暑さ寒さも彼岸までと、昔の人はいい言葉を残してくれました。このところ朝晩はめっきりと涼しくなり、秋に向かっているのを実感します。先日経済紙で、詩人神野紗希氏のおもしろいコラムに出会いました。「鐘つけば銀杏散るなり建長寺」(夏目漱石)。・・・・・ん?どこかで聞いたことのある句。そう、正岡子規の「柿食えば鐘が鳴るなり法隆寺」。余りにも有名な句です。さては、漱石がパクッタのかと思いきや、漱石は子規がこの句を詠む2カ月前に詠んでいたそうです。2人は愛媛県松山で52日間も同じ下宿に同居しており、東京に戻る際、お金のない子規は漱石からお金を借り、途中奈良に寄り、そこで詠んだのが「柿食えば」だったそうです。さらに、この件は、2人とも了解済みだったはずと、神野氏は推理しています。へぇー、そうなんだ。秋にふさわしいコラムでした。よい週末を・・・・・。
What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 8/3 | 中国商務省 | 「米側が企業や消費者の利益を省みず事態をエスカレートさせており、中国は必要な反撃措置を取らざるを得ない」600億ドルの報復関税発表にあたって。 | -------- |
| 8/14 | エルドアン・トルコ大統領 | 「トルコに攻撃を仕掛け者はコストを支払うことになる」TV演説で。 | -------- |
| 8/16 | ムニューシン・米財務長官 | 「トルコが(米牧師を)即時釈放しない場合、さらなる制裁を計画している」CNNテレビで。 | -------- |
| 8/20 | トランプ・米大統領 | 「私は中国が為替操作をしているのは間違いないと思う。ユーロも操作されていると見ている」NY州のハンプトン地区で開かれた資金集めのイベントで。 | ドル円110円台半ばから下落 |
| 8/20 | トランプ・米大統領 | 「トルコに譲歩することはない」ロイター通信とのインタビューで。 | -------- |
| 8/23 | カプラン・ダラス連銀総裁 | 「われわれの仕事は、政治的影響に関係なく、金融政策と監督に関する決定を下すことだ。それを続けていくと私は確信する」「私がそうすべきと思うように当局が金利を中立水準に引き上げるなら、向こう9カ月から12カ月で3−4回の利上げが必要になるという意味だと思う」CNBCとのインタビューで。 | ドル円110円台から111円台に上昇。 |
| 8/24 | パウエル・FRB議長 | 「現在の緩やかな金利引き上げは双方のリスクに対応するものだ」「利上げを急げば景気後退のリスを招き、利上げを遅らせれば物価の加熱を招く」「(物価上昇は)2%を超えて加速する明確な兆しはみえず、加熱するリスクの高まりもない」ジャクソンホールでの講演で。 | ドル安、株高が進む |
| 8/30 | トランプ・米大統領 | 「米中貿易摩擦で中国が米国より長く生きることはないだろう」ブルームバーグとのインタビューで。 | -------- |
| 9/3 | トルコ中銀 | 「使い得るあらゆる手段を駆使し、13日の政策会合で金融政策のスタンスを調整する」予想を超えた消費者物価指数発表後の声明で。 | トルコリラ下げ幅を縮小 |
| 9/6 | トランプ・米大統領 | 「もちろん私が彼らに対し、彼らがどれだけ支払う必要があるか告げた途端に終わるだろう」日米の貿易問題に関して、WSJが伝える。 | ドル円111円40銭レベルから110円台半ばへ |
| 9/7 | トランプ・米大統領 | 「(中国に)新たに2670億ドル(約29兆円)分の関税を課す準備はできている」報道陣に。 | ドル円111円台から110円74銭へ |
| 9/7 | トランプ・米大統領 | 「(日米貿易協議が)合意に達しなければ日本は大変な問題になる」 | -------- |
| 9/19 | 李克強・中国首相 | 「輸出競争力の向上を目的に人民元を切り下げることはない」天津での世界経済フォーラムでの講演で。 | 新興国通貨、豪ドルなどが上昇 |



