今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2018年9月25日(火) 「ユーロドル2カ月ぶりに1.18台を回復」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • 昨日は東京市場が休みのため、アジア時間では動かなかったドル円はNY市場では緩やかに上昇。112円84銭までドル高が進み、ほぼこの日の高値圏で引ける。
  • ユーロドルはドラギECB総裁の発言を受けユーロ買いが加速し、1.1815と、6月中旬以来となるユーロ高をつける。ユーロは対円でも133円台に乗せる。
  • 株式市場は政治、貿易リスクが高まったことから反落。ダウは5日ぶりとなる181ドル安。一方ナスダック指数は6ポイントの上昇。
  • 債券市場は続落。ドイツ国債が売られたこともあり、債券価格は下落。長期金利は3.08%台で引ける。
  • 金、原油はともに上昇。原油価格はイランからの供給が減少するとの見方が広がる。
ドル/円 112.43 〜 112.84
ユーロ/ドル 1.1745 〜 1.1815
ユーロ/円 132.34 〜 133.07
NYダウ −181.45 → 26,562.05ドル
GOLD +3.10 → 1,204.40ドル
WTI +1.30 → 72.08ドル
米10年国債 +0.026 → 3.089%

本日の注目イベント

  • 日 日銀金融政策決定会合、議事要旨
  • 日 黒田日銀総裁講演(大阪)
  • 米 7月FHFA住宅価格指数
  • 米 7月ケース・シラ−住宅価格指数
  • 米 9月消費者信頼感指数
  • 米 9月リッチモンド連銀製造業指数

ドル円は112円台半ばから後半で堅調に推移しています。昨日は東京市場が祝日で休みで、アジア時間に112円台半ばまで売られた場面もあったようですが、NY市場では112円84銭まで買われ、先週金曜日に記録した112円88銭にわずかに届かない 水準までドル高が進んでいます。

ドル円の動きは、上げるにしても下げるにしても、そのスピードは緩やかなのが、このところの特徴です。また昨日もクロス円からの円売りの影響があったと思われ、特にドラギECB総裁の発言もユーロ買いにつながりました。総裁は講演で、「ひっ迫しつつある労働市場が賃金の伸びを加速させる中で、向こう数カ月に基調的なインフレ率はさらに上昇する見込みだ」とし、「域内の価格圧力は強まりつつあり、裾野を広げている」と述べました。来年終盤の利上げ実施見通しに向け、順調に進んでいることを印象付けユーロ買いを誘いました。ユーロドルは6月14日以来となる1.1815まで上昇し、この結果、上値は限定的だと見ていた相場観も修正を迫られる状況が近いかもしれません。

日足チャートでユーロドルは、既に「雲抜け」を完成させており、MACDでは両線ともプラス圏に入っています。今後1.17台を固めるようだと、もう一段上昇し、「200日移動平均線」のある1.19台半ばまでの上昇もないとは言えません。ただドル円ではドル高が続いており、この状態でユーロドルが上昇すれば、ユーロ円はさらに上昇するということになりますが。 どうでしょう・・・・。

今朝も話題の中心はトランプ大統領です。訪米中の安倍首相は24日夕、トランプ大統領と会談を行い、26日の首脳会談後に通商問題に関する最終決断を行う模様ですが、その前には本日、茂木経済再生担当相がライトハイザー米通商代表部代表と協議を行う予定でしたが、日本時間の今朝、突然米国側から延期の申し出があり、延期が決まったようです。茂木大臣は、記者団に、「何か両国の間に揉め事があったわけでは全くない」と語っていましたが、日米の通商問題をめぐる溝が埋まっていないことが「原因」である可能性もあります。いずれにしても、今回の首脳会談では、これまでのような和やかな雰囲気で「シンゾウ、ドナルド」とお互いを称えている状況ではありません、11月の中間選挙では苦戦をしており、何としても「成果」の欲しいトランプ氏がどこまで本音をむき出しに貿易赤字削減を迫ってくるのか、見ものです。

ドル円の動きは鈍いですが、下げるイメージが徐々になくなってきたような印象です。先週の18日(火)に112円台を回復して以来、まだ一度も112円を割り込んではいません。一方で112円80銭から上値がやや重くなり始めており、これで113円には届かない展開になってはいますが、クロス円全般の上昇傾向、米長期金利の上昇傾向と、ドル円を支える材料があるため、いずれ113円台乗せはあるとは思いますが、「好事魔多し」と言います。もしかしたら、今回の日米首脳会談がそのきっかけになるかもしれません。ここは一旦利益を確定するチャンスを探してもいいのではないかと思います。本日のドル円は112円30銭〜113円10銭程度を予想します。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時     発言者     内容   市場への影響   
8/3 中国商務省 「米側が企業や消費者の利益を省みず事態をエスカレートさせており、中国は必要な反撃措置を取らざるを得ない」600億ドルの報復関税発表にあたって。 --------
8/14 エルドアン・トルコ大統領 「トルコに攻撃を仕掛け者はコストを支払うことになる」TV演説で。 --------
8/16 ムニューシン・米財務長官 「トルコが(米牧師を)即時釈放しない場合、さらなる制裁を計画している」CNNテレビで。 --------
8/20 トランプ・米大統領 「私は中国が為替操作をしているのは間違いないと思う。ユーロも操作されていると見ている」NY州のハンプトン地区で開かれた資金集めのイベントで。 ドル円110円台半ばから下落
8/20 トランプ・米大統領 「トルコに譲歩することはない」ロイター通信とのインタビューで。 --------
8/23 カプラン・ダラス連銀総裁 「われわれの仕事は、政治的影響に関係なく、金融政策と監督に関する決定を下すことだ。それを続けていくと私は確信する」「私がそうすべきと思うように当局が金利を中立水準に引き上げるなら、向こう9カ月から12カ月で3−4回の利上げが必要になるという意味だと思う」CNBCとのインタビューで。 ドル円110円台から111円台に上昇。
8/24 パウエル・FRB議長 「現在の緩やかな金利引き上げは双方のリスクに対応するものだ」「利上げを急げば景気後退のリスを招き、利上げを遅らせれば物価の加熱を招く」「(物価上昇は)2%を超えて加速する明確な兆しはみえず、加熱するリスクの高まりもない」ジャクソンホールでの講演で。 ドル安、株高が進む
8/30 トランプ・米大統領 「米中貿易摩擦で中国が米国より長く生きることはないだろう」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
9/3 トルコ中銀 「使い得るあらゆる手段を駆使し、13日の政策会合で金融政策のスタンスを調整する」予想を超えた消費者物価指数発表後の声明で。 トルコリラ下げ幅を縮小
9/6 トランプ・米大統領 「もちろん私が彼らに対し、彼らがどれだけ支払う必要があるか告げた途端に終わるだろう」日米の貿易問題に関して、WSJが伝える。 ドル円111円40銭レベルから110円台半ばへ
9/7 トランプ・米大統領 「(中国に)新たに2670億ドル(約29兆円)分の関税を課す準備はできている」報道陣に。 ドル円111円台から110円74銭へ
9/7 トランプ・米大統領 「(日米貿易協議が)合意に達しなければ日本は大変な問題になる」 --------
9/19 李克強・中国首相 「輸出競争力の向上を目的に人民元を切り下げることはない」天津での世界経済フォーラムでの講演で。 新興国通貨、豪ドルなどが上昇
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和