今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2018年9月27日(木) 「ドル円113円台乗せ後反落」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円はFOMCでの利上げを受け113円14銭まで上昇し、7月以来の高値をつけたが、その後反落。声明文で「緩和的」の文言が削除され、長期金利が低下したことで112円74銭前後までドルが売られた。
  • ユーロドルは1.17台で推移し、利上げ後は1.1726まで売られたが、その切り替えし1.18手前まで上昇。
  • 株価は朝方には堅調に始まったものの、FOMC後に上げ幅を失う。ダウは3日続落し、その他主要指数も揃って下落。
  • 債券相場は大幅に反発。長期金利は3.04%台まで急落。
  • 金、原油はともに下落。
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 8月新築住宅販売件数 → 62.9万件
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ドル/円 112.64 〜 113.14
ユーロ/ドル 1.1726 〜 1.1798
ユーロ/円 132.23 〜 132.93
NYダウ −106.93 → 26,385.28ドル
GOLD −6.00 → 1,199.10ドル
WTI −0.71 → 71.57ドル
米10年国債 −0.048 → 3.048%

本日の注目イベント

  • 中 中国 8月工業生産
  • 独 独9月消費者物価指数(速報値)
  • 独 独10月GFK消費者信頼感
  • 欧 ユーロ圏8月マネーサプライ
  • 欧 ユーロ圏9月消費者信頼感(確報値)
  • 欧 ユーロ圏9月景況感指数
  • 欧 ECB経済報告
  • 英 カーニー・BOE総裁、パネルディスカッションで司会
  • 米 新規失業保険申請件数
  • 米 4−6月GDP(確定値)
  • 米 8月耐久財受注
  • 米 8月中古住宅販売件数成約指数
  • 米 カプラン・ダラス連銀総裁講演

FOMCでは事前予想通り、今年3回目となる利上げを全会一致で決めました。ドル円はその直後に113円14銭まで上昇し、今年7月19日以来となるドル高水準をつけましたが、その後の声明文で、今後の政策について「緩和的」との文言が削除されたことで、ドル売りが加速。112円64銭近辺までドル安が進み、この日の安値圏で取引きを終えています。注目された金利見通しでは、年内の利上げをもう1回とし、2019年は3回、さらに2020年に1回利上げするとのメインシナリオが描け、2021年は利上げはゼロとなっています。この結果、シナリオ通りでいけば、政策金利は3.25%〜3.50%がゴールのメドと見られます。

パウエル議長は会合後の記者会見で、「緩和的」との文言の削除は、政策経路の見通しの変化を示唆するものではないと述べていますが、同時に、貿易問題にも言及し、「米企業からの貿易懸念の『声の高まり』を耳にしている」とし、「FRBは貿易政策に責任がないが、長期間にわたる広範囲な関税は米国にとってよくないだろう」と述べています。またNYで日米首脳会談に臨むトランプ大統領は今回の利上げに関して、「残念ながら、FRBが今しがた利上げをした。私はそれに不満だ。私は彼らが利上げを好んでいる様子だという事実を懸念している」と発言しています。(ブルームバーグ)

ドル円は113円台乗せは果たしたものの、直近高値である113円18銭を抜くことはできずに反落しています。現在は、「1時間足」の雲の下限を抜けるかどうかの攻防で、この近辺には「120時間移動平均線」もあります。もうひとつの注目材料であった日米貿易協議(FFR)では、今後も2国間協議で交渉を続けていくことで合意し、交渉中は自動車関税を引き上げないことで一致した模様です。この結果、日本としては「最悪の事態」は回避できたわけで、ひとまず自動車問題が円高要因になることは、現時点ではないものとみられます。

本日は、上記「1時間足の雲」や、「120時間線」を完全に下抜けできるのかどうか。ここを底値に再び上昇基調を維持していくのか、というところが注目されます。昨日も上昇し、好調な日本株ですが、先行していた米国株はやや調整ムードも漂ってきました。「Buy on dip」のスタンスは変わらないものの、どこまで下値があるのかを確認する展開です。本日のレンジは112円30銭〜113円程度を予想します。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時     発言者     内容   市場への影響   
8/3 中国商務省 「米側が企業や消費者の利益を省みず事態をエスカレートさせており、中国は必要な反撃措置を取らざるを得ない」600億ドルの報復関税発表にあたって。 --------
8/14 エルドアン・トルコ大統領 「トルコに攻撃を仕掛け者はコストを支払うことになる」TV演説で。 --------
8/16 ムニューシン・米財務長官 「トルコが(米牧師を)即時釈放しない場合、さらなる制裁を計画している」CNNテレビで。 --------
8/20 トランプ・米大統領 「私は中国が為替操作をしているのは間違いないと思う。ユーロも操作されていると見ている」NY州のハンプトン地区で開かれた資金集めのイベントで。 ドル円110円台半ばから下落
8/20 トランプ・米大統領 「トルコに譲歩することはない」ロイター通信とのインタビューで。 --------
8/23 カプラン・ダラス連銀総裁 「われわれの仕事は、政治的影響に関係なく、金融政策と監督に関する決定を下すことだ。それを続けていくと私は確信する」「私がそうすべきと思うように当局が金利を中立水準に引き上げるなら、向こう9カ月から12カ月で3−4回の利上げが必要になるという意味だと思う」CNBCとのインタビューで。 ドル円110円台から111円台に上昇。
8/24 パウエル・FRB議長 「現在の緩やかな金利引き上げは双方のリスクに対応するものだ」「利上げを急げば景気後退のリスを招き、利上げを遅らせれば物価の加熱を招く」「(物価上昇は)2%を超えて加速する明確な兆しはみえず、加熱するリスクの高まりもない」ジャクソンホールでの講演で。 ドル安、株高が進む
8/30 トランプ・米大統領 「米中貿易摩擦で中国が米国より長く生きることはないだろう」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
9/3 トルコ中銀 「使い得るあらゆる手段を駆使し、13日の政策会合で金融政策のスタンスを調整する」予想を超えた消費者物価指数発表後の声明で。 トルコリラ下げ幅を縮小
9/6 トランプ・米大統領 「もちろん私が彼らに対し、彼らがどれだけ支払う必要があるか告げた途端に終わるだろう」日米の貿易問題に関して、WSJが伝える。 ドル円111円40銭レベルから110円台半ばへ
9/7 トランプ・米大統領 「(中国に)新たに2670億ドル(約29兆円)分の関税を課す準備はできている」報道陣に。 ドル円111円台から110円74銭へ
9/7 トランプ・米大統領 「(日米貿易協議が)合意に達しなければ日本は大変な問題になる」 --------
9/19 李克強・中国首相 「輸出競争力の向上を目的に人民元を切り下げることはない」天津での世界経済フォーラムでの講演で。 新興国通貨、豪ドルなどが上昇
9/24 ドラギ・ECB総裁 「ひっ迫しつつある労働市場が賃金の伸びを加速させる中で、向こう数カ月に基調的なインフレ率はさらに上昇する見込みだ」「域内の価格圧力は強まりつつあり、裾野を広げている」講演で。 ユーロドル1.1750〜1.1815まで上昇
9/25 王受文・中国商務次官 「中国はナイフをのどに突き付けられての交渉を行うことはできない」米中貿協議に関して。 --------
9/26 パウエル・FRB議長 「米企業からの貿易懸念の『声の高まり』を耳にしている。FRBは貿易政策に責任がないが、長期間にわたる広範囲な関税は米国にとってよくないだろう」FOMC後の会見で。 --------
9/26 トランプ・米大統領 「残念ながら、FRBが今しがた利上げをした。私はそれに不満だ。私は彼らが利上げを好んでいる様子だという事実を懸念している」FOMCでの利上げに関して --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和