今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2018年10月2日(火) 「ドル円114円台に乗せるも勢いなし」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は引き続き堅調で、この日は東京市場と同様に114円台に乗せたが勢いはなく、113円台に押し戻される。高値は114円06銭だったが、動きは緩慢。
  • ユーロドルは前日と同様な動きとなり、1.1564まで売られたが反発。
  • 株式市場は、米国がカナダとのNAFTAの再交渉で合意に達したことを好感。ダウは一時250ドル以上上昇し、最高値を更新する場面があったが引け値では192ドル高。
  • 債券相場は続落。長期金利は小幅に上昇し、3.08%台に。
  • 金は反落し、原油は大幅に上昇。リスク選好の流れから買われたとの説明だが、前日比2.05ドル上昇し、75ドル台と、約4年ぶりの高値を記録する。
********************
 9月ISM製造業景況指数 → 59.8
********************
ドル/円 113.89 〜 114.06
ユーロ/ドル 1.1564 〜 1.1625
ユーロ/円 131.74 〜 132.44
NYダウ +192.90 → 26,651.21ドル
GOLD −4.50 → 1,191.70ドル
WTI +2.05 → 75.30ドル
米10年国債 +0.025 → 3.084%

本日の注目イベント

  • 豪 RBA、キャッシュターゲット
  • 日 9月マネタリーベース
  • 欧 ユーロ圏8月生産者物価指数
  • 英 英9月建設業PMI
  • 米 クオールズ・FRB副議長上院銀行委員会で証言
  • 米 パウエル・FRB議長講演

ドル円は東京時間でも、NY時間でも114円台には乗せましたが、予想した通り動きは緩慢で、さらに上値を試す展開ではなかたようです。引き続き日米ともに株価が堅調で、日経平均株価は昨日も125円上昇し、バブル崩壊後の戻り高値を更新しています。もっとも、バブルのピークは38,915円で、しかも時期は1989年の大納会だったと記憶しています。この年に生まれた子供でも、すでに30歳にならんとしているわけですから、もう遠い昔の話といえます。NYダウの方も、昨日のザラバでは250ドルほど上昇する場面もあり、こちらは史上最高値を更新していましたが、引け値では先週末比192ドルの上昇に終わっており、最高値更新には至っていません。それでも主要3指数ともに高水準で推移しており、投資家はかなりリスク選好姿勢を強めています。

リスク選好の流れは原油価格にも及び、昨日はWTI原油価格も大幅に買われ、75ドル台まで上昇しました。OPECが減産体制を維持し、イランからの原油供給量が減るとの見方はあるものの、その前の週の引け値は70ドル台だったことを考えると、原油市場にも新規の投機的な資金が流入してきていることを伺わせます。

米中の貿易戦争や、不安定な新興国通貨など、依然として不透明な材料はありますが、一方で昨日米国はカナダとNAFTAの再交渉で合意に達しており、足元の市場の反応は「好材料に反応し、悪材料には目をつぶる」動きを鮮明にしています。USTRが公表した、メキシコ、カナダとの新しい協定の名前は「USMCA」(米国・メキシコ・カナダ協定)で、単に3カ国の国名の頭文字を取ってつけたものですが、自動車の数量規制が入っています。メキシコ、カナダからの輸入乗用車をそれぞれ年間260万台として、その枠内のものについては高関税を課さないというものです。またこの協定には、「為替介入を含む競争的な通貨切り下げを自制する」という為替条項も導入されています。

ドル円はここ20時間ほど、ほとんどもみ合いで動きはありません。短期的な動きを示す「1時間足」のMACDではデッドクロスが出ており、目先調整の可能性もあるかしれません。それでも、深押しする場面が見られないのがこのところの相場ですが、いったん手仕舞いする方法もありそうです。本日のレンジは113円50銭〜114円20銭程度と見ますが、昨日のドルの高値である114円05銭前後が抜けるかどうかも確認したいところです。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時     発言者     内容   市場への影響   
8/3 中国商務省 「米側が企業や消費者の利益を省みず事態をエスカレートさせており、中国は必要な反撃措置を取らざるを得ない」600億ドルの報復関税発表にあたって。 --------
8/14 エルドアン・トルコ大統領 「トルコに攻撃を仕掛け者はコストを支払うことになる」TV演説で。 --------
8/16 ムニューシン・米財務長官 「トルコが(米牧師を)即時釈放しない場合、さらなる制裁を計画している」CNNテレビで。 --------
8/20 トランプ・米大統領 「私は中国が為替操作をしているのは間違いないと思う。ユーロも操作されていると見ている」NY州のハンプトン地区で開かれた資金集めのイベントで。 ドル円110円台半ばから下落
8/20 トランプ・米大統領 「トルコに譲歩することはない」ロイター通信とのインタビューで。 --------
8/23 カプラン・ダラス連銀総裁 「われわれの仕事は、政治的影響に関係なく、金融政策と監督に関する決定を下すことだ。それを続けていくと私は確信する」「私がそうすべきと思うように当局が金利を中立水準に引き上げるなら、向こう9カ月から12カ月で3−4回の利上げが必要になるという意味だと思う」CNBCとのインタビューで。 ドル円110円台から111円台に上昇。
8/24 パウエル・FRB議長 「現在の緩やかな金利引き上げは双方のリスクに対応するものだ」「利上げを急げば景気後退のリスを招き、利上げを遅らせれば物価の加熱を招く」「(物価上昇は)2%を超えて加速する明確な兆しはみえず、加熱するリスクの高まりもない」ジャクソンホールでの講演で。 ドル安、株高が進む
8/30 トランプ・米大統領 「米中貿易摩擦で中国が米国より長く生きることはないだろう」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
9/3 トルコ中銀 「使い得るあらゆる手段を駆使し、13日の政策会合で金融政策のスタンスを調整する」予想を超えた消費者物価指数発表後の声明で。 トルコリラ下げ幅を縮小
9/6 トランプ・米大統領 「もちろん私が彼らに対し、彼らがどれだけ支払う必要があるか告げた途端に終わるだろう」日米の貿易問題に関して、WSJが伝える。 ドル円111円40銭レベルから110円台半ばへ
9/7 トランプ・米大統領 「(中国に)新たに2670億ドル(約29兆円)分の関税を課す準備はできている」報道陣に。 ドル円111円台から110円74銭へ
9/7 トランプ・米大統領 「(日米貿易協議が)合意に達しなければ日本は大変な問題になる」 --------
9/19 李克強・中国首相 「輸出競争力の向上を目的に人民元を切り下げることはない」天津での世界経済フォーラムでの講演で。 新興国通貨、豪ドルなどが上昇
9/24 ドラギ・ECB総裁 「ひっ迫しつつある労働市場が賃金の伸びを加速させる中で、向こう数カ月に基調的なインフレ率はさらに上昇する見込みだ」「域内の価格圧力は強まりつつあり、裾野を広げている」講演で。 ユーロドル1.1750〜1.1815まで上昇
9/25 王受文・中国商務次官 「中国はナイフをのどに突き付けられての交渉を行うことはできない」米中貿協議に関して。 --------
9/26 パウエル・FRB議長 「米企業からの貿易懸念の『声の高まり』を耳にしている。FRBは貿易政策に責任がないが、長期間にわたる広範囲な関税は米国にとってよくないだろう」FOMC後の会見で。 --------
9/26 トランプ・米大統領 「残念ながら、FRBが今しがた利上げをした。私はそれに不満だ。私は彼らが利上げを好んでいる様子だという事実を懸念している」FOMCでの利上げに関して。 --------
※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。

外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和