2018年10月3日(水) 「ユーロドル1.15台前半まで下落」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は小幅に反落。イタリアの財政懸念の拡大から円が買われる展開となり、113円53銭までドルが売られた。長期金利の低下も円買いを後押し。
- ユーロドルはジリ安となり、1.15台で推移。イタリア下院予算委員会のボルギ委員長が、同国は独自通貨の導入で財政問題を解決できると発言したことを材料に、1.1528までユーロ安が進む。
- 株式市場ではダウが4日続伸し、最高値を更新。ダウは前日比122ドル上昇し、2万6773ドルで取引を終える。一方ナスダックは37ポイント下落し、節目の8000ポイントを割り込む。
- 債券相場はイタリアの財政懸念や英国のEU離脱への懸念から反発。長期金利は3.06%台まで低下。
- 金は反発して1200ドル台を回復。連日高値を更新していた原油は小幅に反落するも、75ドル台は維持。
| ドル/円 | 113.53 〜 113.89 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1528 〜 1.1570 |
| ユーロ/円 | 131.08 〜 132.51 |
| NYダウ | +122.73 → 26,773.94ドル |
| GOLD | +15.30 → 1,207.00ドル |
| WTI | −0.07 → 75.23ドル |
| 米10年国債 | −0.020 → 3.063% |
本日の注目イベント
- 豪 豪8月住宅建設許可件数
- トルコ トルコ9月消費者物価指数
- 欧 ユーロ圏9月サービス業PMI(速報値)
- 欧 ユーロ圏9月総合PMI(速報値)
- 欧 ユーロ圏8月小売売上高
- 英 英9月サービス業PMI
- 米 9月ADP雇用者数
- 米 9月ISM非製造業景況指数
- 米 エバンス・シカゴ連銀総裁講演
- 米 バーキン・リッチモンド連銀総裁講演
- 米 ブレイナード・FRB理事講演
- 米 メスター・クリーブランド連銀総裁講演
- 米 パウエル・FRB議長講演
連日下値を切り上げ緩やかな上昇を続けているドルは、昨日の朝方に114円台をワンタッチする場面もありましたが、結局ジリ安となり、NY市場では113円53銭まで下落しました。一旦は上昇が止まって下落に転じたものの、下落幅は限定的で、ドルが下げたところを拾いたい投資家にとっては、なかなかそのチャンスが訪れて来ないといった状況です。
114円台までは緩やかに上昇を続けてきたこともあり、いったんは上げ止まるのは想定内でしょうが、どこまで下値があるかが問題です。昨日のドル円の下落は、トランプ大統領ではなく、イタリアの財政問題でした。2019年から21年の財政赤字を、GDP比2.4%としたイタリアに対して、EU側は修正を求めましたが、イタリアはこれを拒否しており、さらに下院予算委員会のボルギ委員長が「イタリアは、独自通貨の導入で財政問題を解決できるだろう」と、ユーロ圏からの脱退をほのめかす発言をしたことで円が買われました。ECB政策委員会のメンバーである、レーン・フィンランド中銀総裁は「持続可能な公的財政がイタリアの経済回復を促進するとは、極めて考えがたい」と述べ、イタリアの財政赤字案は「深刻な懸念」であると指摘しています。
現実問題として、イタリアがかつての自国通貨である「リラ」を採用したら、「リラ」は市場で大きく売られ、さらに債券が売られ、金利が急上昇し、インフレが加速し、トルコと似たような状況が想定され、EU及び、通貨ユーロからの離脱は簡単ではありません。EUには加盟していながら自国通貨を維持していた英国が、EUからの離脱を決めたことで、今だに混乱している姿をみれば、その困難さは一目瞭然です。
パウエルFRB議長は昨日の講演で、「賃金上昇は確認された価格インフレや労働生産性の伸びとおおむね整合しているため、労働市場の過熱を示唆しない」と語っています。また、「賃金の伸び率上昇だけで、必ずしもインフレ的とは言えない」と続けています。(ブルームバーグ)今週末に発表される9月の雇用統計では、平均時給の伸びは2.8%(前年比)と予想されており、8月の2.9%からは若干鈍化すると予想されています。雇用統計では、非農業部門雇用者数と失業率が極めて安定しており、この2つの指標が、今後の金融政策に与える影響は低減しています。そのため市場も平均時給の伸びが今後の利上げのタイミングを左右すると見ています。
ドル円は114円前後では、上昇にブレイキがかかった感じですが、全体的に見れば底堅い印象です。さすがに今日の日本株は調整すると予想しますが、目先の下値のメドは、113円50〜55銭あたりと、その下の113円40銭前後と見ています。この水準を明確に割り込むようだと、「1時間足」では「雲の下抜け」がはっきりと確認されるため、これまでとは異なる「調整」が見られるかもしれません。本日のレンジは113円20銭〜114円10銭程度を予想します。
What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 8/3 | 中国商務省 | 「米側が企業や消費者の利益を省みず事態をエスカレートさせており、中国は必要な反撃措置を取らざるを得ない」600億ドルの報復関税発表にあたって。 | -------- |
| 8/14 | エルドアン・トルコ大統領 | 「トルコに攻撃を仕掛け者はコストを支払うことになる」TV演説で。 | -------- |
| 8/16 | ムニューシン・米財務長官 | 「トルコが(米牧師を)即時釈放しない場合、さらなる制裁を計画している」CNNテレビで。 | -------- |
| 8/20 | トランプ・米大統領 | 「私は中国が為替操作をしているのは間違いないと思う。ユーロも操作されていると見ている」NY州のハンプトン地区で開かれた資金集めのイベントで。 | ドル円110円台半ばから下落 |
| 8/20 | トランプ・米大統領 | 「トルコに譲歩することはない」ロイター通信とのインタビューで。 | -------- |
| 8/23 | カプラン・ダラス連銀総裁 | 「われわれの仕事は、政治的影響に関係なく、金融政策と監督に関する決定を下すことだ。それを続けていくと私は確信する」「私がそうすべきと思うように当局が金利を中立水準に引き上げるなら、向こう9カ月から12カ月で3−4回の利上げが必要になるという意味だと思う」CNBCとのインタビューで。 | ドル円110円台から111円台に上昇。 |
| 8/24 | パウエル・FRB議長 | 「現在の緩やかな金利引き上げは双方のリスクに対応するものだ」「利上げを急げば景気後退のリスを招き、利上げを遅らせれば物価の加熱を招く」「(物価上昇は)2%を超えて加速する明確な兆しはみえず、加熱するリスクの高まりもない」ジャクソンホールでの講演で。 | ドル安、株高が進む |
| 8/30 | トランプ・米大統領 | 「米中貿易摩擦で中国が米国より長く生きることはないだろう」ブルームバーグとのインタビューで。 | -------- |
| 9/3 | トルコ中銀 | 「使い得るあらゆる手段を駆使し、13日の政策会合で金融政策のスタンスを調整する」予想を超えた消費者物価指数発表後の声明で。 | トルコリラ下げ幅を縮小 |
| 9/6 | トランプ・米大統領 | 「もちろん私が彼らに対し、彼らがどれだけ支払う必要があるか告げた途端に終わるだろう」日米の貿易問題に関して、WSJが伝える。 | ドル円111円40銭レベルから110円台半ばへ |
| 9/7 | トランプ・米大統領 | 「(中国に)新たに2670億ドル(約29兆円)分の関税を課す準備はできている」報道陣に。 | ドル円111円台から110円74銭へ |
| 9/7 | トランプ・米大統領 | 「(日米貿易協議が)合意に達しなければ日本は大変な問題になる」 | -------- |
| 9/19 | 李克強・中国首相 | 「輸出競争力の向上を目的に人民元を切り下げることはない」天津での世界経済フォーラムでの講演で。 | 新興国通貨、豪ドルなどが上昇 |
| 9/24 | ドラギ・ECB総裁 | 「ひっ迫しつつある労働市場が賃金の伸びを加速させる中で、向こう数カ月に基調的なインフレ率はさらに上昇する見込みだ」「域内の価格圧力は強まりつつあり、裾野を広げている」講演で。 | ユーロドル1.1750〜1.1815まで上昇 |
| 9/25 | 王受文・中国商務次官 | 「中国はナイフをのどに突き付けられての交渉を行うことはできない」米中貿協議に関して。 | -------- |
| 9/26 | パウエル・FRB議長 | 「米企業からの貿易懸念の『声の高まり』を耳にしている。FRBは貿易政策に責任がないが、長期間にわたる広範囲な関税は米国にとってよくないだろう」FOMC後の会見で。 | -------- |
| 9/26 | トランプ・米大統領 | 「残念ながら、FRBが今しがた利上げをした。私はそれに不満だ。私は彼らが利上げを好んでいる様子だという事実を懸念している」FOMCでの利上げに関して。 | -------- |
| 10/1 | ローゼングレン・ボストン連銀総裁 | 「警報が鳴り響いているとは思わないが、かなり多くの黄信号が点滅していると思う」金融安定に関する質問に答えて。 | -------- |



