2018年10月11日(木) 「米株価急落でドル円112円台に」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は113円台前半から急落。株式市場で株価が大きく下げ、リスク回避の円買いドル売りが加速し、112円25銭まで売られる。ドルの買い持ちを減らす動きが優勢となり、この日の安値圏で引ける。
- ドル安が進んだことでユーロドルも反発。英国のEUからの「ハードブレグジット」懸念が後退したこともあり、1.1545まで上昇。
- 株式市場は全面安の展開。長期金利の上昇や、米中貿易戦争長期化への懸念が蒸し返され、ダウは831ドル安。ナスダックも315ポイント安と急落。中国関連銘柄の下落が目立った。
- 株価が急落し、リスク回避の流れから安全資産の債券は買われた。長期金利は3.16%台まで低下。
- 金は反発。原油価格は供給減少懸念が後退したことで大幅安。
9月生産者物価指数 → 0.2%
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| ドル/円 | 112.25 〜 113.26 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1488 〜 1.1545 |
| ユーロ/円 | 129.23 〜 130.50 |
| NYダウ | −831.83 → 25,598.74ドル |
| GOLD | +1.90 → 1,193.40ドル |
| WTI | −1.79 → 73.17ドル |
| 米10年国債 | −0.043 → 3.163% |
本日の注目イベント
- 亜 G20(インドネシア・バリ島、12日まで)
- 米 9月消費者物価指数
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 9月財政収支
この欄でも何度か触れたことがありますが、今年2月の初めに、ドル円が円高ドル安に転じたきっかけはNY株式市場の急落でした。昨日再び同じような事態が起き、ドル円は約3週間ぶりに112円台前半まで円高が進んでいます。NYダウは前日比831ドル(3.7%)下げ、ナスダックは4%を超える下げを見せました。今回も米長期金利の上昇が株価急落の原因の一つと伝えられていますが、米長期金利の上昇は今に始まったわけではありません。米長期金利は9月の18日に再び3%台を回復しましたが、その日のダウは184ドル高と、大幅に上昇して取引きを終えています。長期金利はそれから徐々に上昇し、今週9日には3.26%台まで上昇しました。「ドル高・株高」、さらに言えば、「原油高」が続いた「楽観相場」、「適温相場」が修正を迫られた格好です。
昨日の株価急落の理由付けには、「米中貿易戦争長期化への懸念」も挙げられています。こちらも「今さら」という気がしないでもありませんが、この欄でも今の米中関係はここ数年で最悪の状態であると述べてきました。株価の大幅下落に比べ、ドル円は円高方向に振れてはいますが、その値幅はまだ軽微です。
注意したいのは、ここからのNY株式市場の動きです。2月2日(金)に前日比665ドル下落したダウは、翌日5日(月)には1175ドルと、さらに下げ幅を拡大して下落しました。そしてその翌日には567ドル反発し、これで一旦下げ止まったかに見えましたが、8日(木)には1032ドル安と、再び1000ドルを超える下げを演じ、株式市場に先行き不安が広がりました。ただ振り返ればこの日記録したダウの引け値、2万3860ドルが今年の最安値で、その後「適温相場」が続き、先週4日には2万6828ドルの史上最高値を記録したことはご承知の通りです。結局、為替も株式も全員参加で、同じ方向に走って行った時には、いずれは大幅な調整が誘発されるということだと思います。
NY市場では112円25銭まで下げたドル円は、「8時間足」の雲の下限で止まった形になっていますが、本日の日本株も大幅下落は避けられないでしょう。株価の下落に伴ってドル円がどこまで売られるのかが焦点ですが、112円を維持できるかどうかも注目されます。112円を割り込んだ場合には、「日足」の「52日線」がある、111円80銭前後が次のサポートになりそうですが、「ドルが下げたら買いたい」と考えていた投資家がどこまで買いを入れるかにも注目です。予想レンジは111円70銭〜112円70銭程度と見ていますが、どうでしょう。
What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 9/3 | トルコ中銀 | 「使い得るあらゆる手段を駆使し、13日の政策会合で金融政策のスタンスを調整する」予想を超えた消費者物価指数発表後の声明で。 | トルコリラ下げ幅を縮小 |
| 9/6 | トランプ・米大統領 | 「もちろん私が彼らに対し、彼らがどれだけ支払う必要があるか告げた途端に終わるだろう」日米の貿易問題に関して、WSJが伝える。 | ドル円111円40銭レベルから110円台半ばへ |
| 9/7 | トランプ・米大統領 | 「(中国に)新たに2670億ドル(約29兆円)分の関税を課す準備はできている」報道陣に。 | ドル円111円台から110円74銭へ |
| 9/7 | トランプ・米大統領 | 「(日米貿易協議が)合意に達しなければ日本は大変な問題になる」 | -------- |
| 9/19 | 李克強・中国首相 | 「輸出競争力の向上を目的に人民元を切り下げることはない」天津での世界経済フォーラムでの講演で。 | 新興国通貨、豪ドルなどが上昇 |
| 9/24 | ドラギ・ECB総裁 | 「ひっ迫しつつある労働市場が賃金の伸びを加速させる中で、向こう数カ月に基調的なインフレ率はさらに上昇する見込みだ」「域内の価格圧力は強まりつつあり、裾野を広げている」講演で。 | ユーロドル1.1750〜1.1815まで上昇 |
| 9/25 | 王受文・中国商務次官 | 「中国はナイフをのどに突き付けられての交渉を行うことはできない」米中貿協議に関して。 | -------- |
| 9/26 | パウエル・FRB議長 | 「米企業からの貿易懸念の『声の高まり』を耳にしている。FRBは貿易政策に責任がないが、長期間にわたる広範囲な関税は米国にとってよくないだろう」FOMC後の会見で。 | -------- |
| 9/26 | トランプ・米大統領 | 「残念ながら、FRBが今しがた利上げをした。私はそれに不満だ。私は彼らが利上げを好んでいる様子だという事実を懸念している」FOMCでの利上げに関して。 | -------- |
| 10/1 | ローゼングレン・ボストン連銀総裁 | 「警報が鳴り響いているとは思わないが、かなり多くの黄信号が点滅していると思う」金融安定に関する質問に答えて。 | -------- |
| 10/3 | パウエル・FRB議長 | 「金利は依然緩和的だ。中立的な水準へとわれわれは徐々に向かっている。われわれは中立を超えるかもしれない。しかし、現時点では恐らく、中立金利まで長い道のりがある」講演で。 | -------- |
| 10/4 | クドロー・国家経済会議(NEC)委員長 | 「個人的な見方としてドルは安定しており、着実かつ信頼できる。ムニューシン財務長官も、同じ見解だ」ホワイトハウスで。 | -------- |
| 10/4 | ラガルド・IMF専務理事 | 「貿易戦争は(経済成長の)機会損出だ。世界経済は引き続き安定的に成長しているが、半年前よりリスクは高まっている」。日経新聞とのインタビューで。 | -------- |
| 10/9 | トランプ・米大統領 | 「(FRBの利上げに)私は気に入らない。そう急ぐ必要はないと思う」「私は低金利が好きだ」ホワイトハウスで。 | -------- |



