2018年10月17日(水) 「NY株大幅反発でドル円112円台前半に」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は112円台を回復し、112円34銭前後まで買われる。米国株が大幅な反発を見せたことで、リスク回避の流れが後退。
- ユーロドルは1.16を挟んでもみ合い。イタリアの財政案がEUに提出され、今後1週間程度をかけて審理されるが、その結果を待つ状況。
- 株式市場は大幅に上昇。ゴールドマンなど、企業決算が好調だったことや、アジア株が反発したことを材料にダウは547ドル高と、3月以来の大幅高。ナスダック指数も214ポイント高で取引を終える。
- 債券は小動き。長期金利は若干上昇し、3.16%台に。
- 金は小幅に続伸。原油も3日続伸。
9月鉱工業生産 → 0.3%
9月設備稼働率 → 78.1%
10月NAHB住宅市場指数 → 68
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| ドル/円 | 112.03 〜 112.34 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1572 〜 1.1622 |
| ユーロ/円 | 129.80 〜 130.29 |
| NYダウ | +547.87 → 25,798.42ドル |
| GOLD | +0.70 → 1,231.00ドル |
| WTI | +0.14 → 71.92ドル |
| 米10年国債 | +0.008 → 3.163% |
本日の注目イベント
- 欧 ユーロ圏9月消費者物価指数(改定値)
- 英 英9月物価統計
- 米 9月住宅着工件数
- 米 9月建設許可件数
- 米 FOMC議事録(9月25、26日分)
- 米 ブレイナード・FRB理事講演
- 米 企業決算 → アルコア
足元のドル円はまさに、「株式本位制」といった動きを見せています。前日111円63銭まで売られたドル円は、昨日の東京時間に日経平均株価が朝方のマイナスからプラスに転じ、さらに上昇すると112円台までドルが買われました。NYではその流れを引継ぎ、さらに大きく売り込まれた米国株が大幅な上昇を見せたことで、112円34銭前後までドル高が進んでいます。ただ今回の株価の急騰でもドル円の動きは鈍く、下げても、上げてもその値幅は限定的となっています。
株価の上昇をけん引したのは、良好な企業業績でした。この点については、先週にもこの欄で述べましたが、企業決算が株価の下落を止めた形になっています。ダウは3月以来の大幅高で、S&P500もここ半年余りで最大の上昇幅を記録しました。焦点は昨日の大幅上昇で、今回の株価の調整が終わったのかどうかということですが、個人的にはまだ混乱は収束していないと考えています。
一時3.26%台まで上昇した米長期金利が、今回の株価の大幅下落の主因だと言われていますが、その長期金利はここ数日間静かな動きを見せてはいますが、依然として高止まりしています。さらに貿易問題ではなんら進展はなく、改善される見通しもありません。日米物産貿易協議で「為替条項」が盛り込まれるかどうかは、日本側は財務大臣や、経済・再生担当大臣が否定はしていますが、それは「希望的観測」に過ぎません。つまり、為替や株式市場を取り巻く環境は何も変わっていないということです。したがって、ドル円も株式市場も、先週見たような大きな下げ相場にはならないとしても、一本調子で元の水準に戻るとも思えません。乱高下しながらも時間をかけ、ゆっくりと元の水準を回復していくものと思います。そのころには、上記貿易に関する不透明感もある程度は払拭されていると予想します。
サウジアラビア人ジャーナリスト殺害問題は「一難去ってまた一難」という印象ですが、昨日トランプ大統領はサウジのムハンマド皇太子と電話で話し、今回の事件の詳細は知らないが、サウジ政府として捜査を拡大するとの内容だったようです。ホワイトハウスでは、再び人事問題が焦点となっており、マティス国防長官の解任が近いのではとの噂もあるようです。「自身の司法問題」、「貿易問題」、「国際社会」、さらには3週間後に迫った「中間選挙」と、トランプ大統領は大忙しのようです。
本日の日本株はNY株の大幅高と円安を受け、大きく上昇するものと思われます。それに伴ってドル円も堅調に推移するでしょう。上値のメドは「1時間足」の「200時間線」のある、112円74銭前後かと思いますが、その前に112円50銭前後も意識されるかもしれません。日経平均株価は300円程度の上昇を予想しますが、昨日も277円上昇していることから、思ったほど伸びない可能性もあります。ドル円のレンジは111円90銭〜112円80銭程度を予想しています。
What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 9/3 | トルコ中銀 | 「使い得るあらゆる手段を駆使し、13日の政策会合で金融政策のスタンスを調整する」予想を超えた消費者物価指数発表後の声明で。 | トルコリラ下げ幅を縮小 |
| 9/6 | トランプ・米大統領 | 「もちろん私が彼らに対し、彼らがどれだけ支払う必要があるか告げた途端に終わるだろう」日米の貿易問題に関して、WSJが伝える。 | ドル円111円40銭レベルから110円台半ばへ |
| 9/7 | トランプ・米大統領 | 「(中国に)新たに2670億ドル(約29兆円)分の関税を課す準備はできている」報道陣に。 | ドル円111円台から110円74銭へ |
| 9/7 | トランプ・米大統領 | 「(日米貿易協議が)合意に達しなければ日本は大変な問題になる」 | -------- |
| 9/19 | 李克強・中国首相 | 「輸出競争力の向上を目的に人民元を切り下げることはない」天津での世界経済フォーラムでの講演で。 | 新興国通貨、豪ドルなどが上昇 |
| 9/24 | ドラギ・ECB総裁 | 「ひっ迫しつつある労働市場が賃金の伸びを加速させる中で、向こう数カ月に基調的なインフレ率はさらに上昇する見込みだ」「域内の価格圧力は強まりつつあり、裾野を広げている」講演で。 | ユーロドル1.1750〜1.1815まで上昇 |
| 9/25 | 王受文・中国商務次官 | 「中国はナイフをのどに突き付けられての交渉を行うことはできない」米中貿協議に関して。 | -------- |
| 9/26 | パウエル・FRB議長 | 「米企業からの貿易懸念の『声の高まり』を耳にしている。FRBは貿易政策に責任がないが、長期間にわたる広範囲な関税は米国にとってよくないだろう」FOMC後の会見で。 | -------- |
| 9/26 | トランプ・米大統領 | 「残念ながら、FRBが今しがた利上げをした。私はそれに不満だ。私は彼らが利上げを好んでいる様子だという事実を懸念している」FOMCでの利上げに関して。 | -------- |
| 10/1 | ローゼングレン・ボストン連銀総裁 | 「警報が鳴り響いているとは思わないが、かなり多くの黄信号が点滅していると思う」金融安定に関する質問に答えて。 | -------- |
| 10/3 | パウエル・FRB議長 | 「金利は依然緩和的だ。中立的な水準へとわれわれは徐々に向かっている。われわれは中立を超えるかもしれない。しかし、現時点では恐らく、中立金利まで長い道のりがある」講演で。 | -------- |
| 10/4 | クドロー・国家経済会議(NEC)委員長 | 「個人的な見方としてドルは安定しており、着実かつ信頼できる。ムニューシン財務長官も、同じ見解だ」ホワイトハウスで。 | -------- |
| 10/4 | ラガルド・IMF専務理事 | 「貿易戦争は(経済成長の)機会損出だ。世界経済は引き続き安定的に成長しているが、半年前よりリスクは高まっている」。日経新聞とのインタビューで。 | -------- |
| 10/9 | トランプ・米大統領 | 「(FRBの利上げに)私は気に入らない。そう急ぐ必要はないと思う」「私は低金利が好きだ」ホワイトハウスで。 | -------- |
| 10/11 | トランプ・米大統領 | 「FRBは制御不能だ」「(利上げは)必要ないというのが私の意見だ。私のほうが彼らよりこの点を分かっていると思う」ホワイトハウスで。 | -------- |
| 10/13 | ムニューシン・米財務長官 | 「これからの貿易交渉では、どの国とも為替問題を協議していく。日本を例外にすることはしない」G20後に記者団に。 | -------- |
| 10/14 | 茂木・経済・再生担当大臣 | 「日米首脳会談を受けた共同声明でも為替の話はなかった」NHK「日曜討論」で。 | -------- |



