今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2018年10月19日(金) 「NY株再び大幅下落」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は112円台半ばを超えたものの、そこから上値が重く反落。株価が再び大幅に下落したことや、長期金利の低下でドル売りが加速し、111円95銭までドル安が進行。
  • ユーロドルは続落し、1.14台半ばまでユーロ安が進む。英国のEU離脱を巡る進展が見られず、イタリアの予算案が修正を迫られるなど、ユーロにとっての悪材料が重なる。
  • 株式市場はハイテク株を中心に再び大幅下落。ダウは327ドル安で取引を終えたが、一時は400ドルを越える下げも。サウジとの関係悪化や、米中貿易戦争への不透明感が重石に。
  • 株価の大幅下落に伴い、安全資産の債券に資金が流れる。長期金利は3.17台まで低下。
  • 金は反発。原油価格は大幅に続落し68ドル台に。
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 9月景気先行指標総合指数 → 0.5%
 新規失業保険申請件数 → 21.0万件
 10月フィラデルフィア連銀景況指数 → 22.2
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ドル/円 111.95 〜 112.61
ユーロ/ドル 1.1449 〜 1.1518
ユーロ/円 128.32 〜 129.52
NYダウ −327.23 → 25,379.45ドル
GOLD +2.70 → 1,230.10ドル
WTI −1.10 → 68.65ドル
米10年国債 −0.026 → 3.179%

本日の注目イベント

  • 日 9月消費者物価指数
  • 中 7−9月GDP
  • 中 中国 9月小売売上高
  • 中 中国 9月鉱工業生産
  • 米 9月中古住宅販売件数
  • 米 企業決算 → P&G
  • 加 カナダ8月小売売上高
  • 加 カナダ9月消費者物価指数

先週から続いている株価の乱高下はまだ収まる気配が見えません。今週の始めに、混乱は1週間程度は続くと予想していましたが、明日のNY株がどのような引け方をするのかに注目しています。明日も、昨日のように大幅に下げたまま越週するようだと、この悪い雰囲気が翌週にも持ち越され、反転のきっかけがつかめなくなる懸念が残るからです。この辺りまでの株価の調整は想定内ですが、来週も同じような動きが続くようだと、今回の株価の調整は長引く可能性があります。2月の混乱では、2日続けてNYダウが大幅安となり、その後2日はもみ合いが続き、その翌日に再び1000ドルを超える下げを見せました。もっとも、その日の引け値が、NYダウの今年の最安値であったことは意識しておくべきでしょう。

株価の動きに比べ、ドル円の動きは相変わらず鈍いです。ダウが300ドル以上下げたにもかかわらず、今朝の本稿執筆時は112円20銭後で推移しています。昨日の朝方には112円73銭までドルが買われる場面がありましたが、昨日も触れましたが、フィボナッチの38.2%戻しに当たる、112円79銭には届かずに反落しています。株価大幅下落の割にドル円が思った程下げないのは、ドル円では「ドル安円高」の流れになっていますが、ユーロドルでは「ドル高ユーロ安」の動きになっていることが挙げられるかもしれません。その結果ユーロ円が大きく下げ、昨日は約5週間ぶりの安値となる、128円台前半までユーロが売られました。

ユーロが売られた理由は言うまでもなく、イタリアの財政問題とイギリスのEUからの離脱問題が混沌としているからです。イタリア政府がEUに送った予算案を巡りEU当局者は昨日、イタリアの財務相に宛てた書簡で、イタリアの予算案はEU規定を「明らかに著しく逸脱」しているとして、修正を求めました。またドラギECB総裁は「EUの財政規律が守られないようなら、全てのEU加盟国に悪影響が及ぶ」と、国名は出さなかったものの、暗にイタリアの予算案を批判しています。

さらに、EU首脳会議でイギリスのEU離脱問題を検討していますが、イギリスがアイルランド問題で譲歩する姿勢をみせていなことから進展がありません。加えて、米国との貿易戦争の影響からドイツを中心に景気の後退を示す指標も出始め、通貨ユーロにとっては「三重苦」の状況です。1.14台半ばまで売られてきたユーロドルは、「非常に強いサポート」と見られている1.13を、再び目指す展開を予想しています。

本日も日本株は続落が見込まれます。NY株の大幅下落に伴って300円前後下げるのではないかと予想していますが、予想外の大幅な下げに見舞われるようだと、ドル円も目先のサポートゾーンである111円60−80銭辺りを試すことになるかもしれません。本日のレンジとしては、111円60銭〜112円60銭程度を予想します。


今週末もまた、この欄の主人公はトランプ大統領です。トランプ氏が自身に批判的な相手を攻撃したり、侮辱したりすることは今に始まったことではありません。今回、その相手は女性でしかも、2020年の大統領候補の一人と言われている、エリザベス・ウォーレン民主党上院議員です。ウォーレン氏が、自身の遠い祖先が米先住民であることを示すDNA鑑定結果を公表したことに関して、トランプ氏は同氏を「ポカホンタス」(Pocahontas)と呼びました。聞いたことのない単語だったため調べたら、16世紀のネイティブ・アメリカンのある女性のあだ名で、「おてんば」といった意味だそうです。ブルームバーグによると、中間選挙に関する世論調査では、女性有権者の支持率は民主党が共和党を大きく上回っているとか。その中間選挙まで残り2週間余りとなりました。この女性有権者の支持率の差がどのように影響するのか、見ものです。良い週末を・・・・・。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時     発言者     内容   市場への影響   
9/3 トルコ中銀 「使い得るあらゆる手段を駆使し、13日の政策会合で金融政策のスタンスを調整する」予想を超えた消費者物価指数発表後の声明で。 トルコリラ下げ幅を縮小
9/6 トランプ・米大統領 「もちろん私が彼らに対し、彼らがどれだけ支払う必要があるか告げた途端に終わるだろう」日米の貿易問題に関して、WSJが伝える。 ドル円111円40銭レベルから110円台半ばへ
9/7 トランプ・米大統領 「(中国に)新たに2670億ドル(約29兆円)分の関税を課す準備はできている」報道陣に。 ドル円111円台から110円74銭へ
9/7 トランプ・米大統領 「(日米貿易協議が)合意に達しなければ日本は大変な問題になる」 --------
9/19 李克強・中国首相 「輸出競争力の向上を目的に人民元を切り下げることはない」天津での世界経済フォーラムでの講演で。 新興国通貨、豪ドルなどが上昇
9/24 ドラギ・ECB総裁 「ひっ迫しつつある労働市場が賃金の伸びを加速させる中で、向こう数カ月に基調的なインフレ率はさらに上昇する見込みだ」「域内の価格圧力は強まりつつあり、裾野を広げている」講演で。 ユーロドル1.1750〜1.1815まで上昇
9/25 王受文・中国商務次官 「中国はナイフをのどに突き付けられての交渉を行うことはできない」米中貿協議に関して。 --------
9/26 パウエル・FRB議長 「米企業からの貿易懸念の『声の高まり』を耳にしている。FRBは貿易政策に責任がないが、長期間にわたる広範囲な関税は米国にとってよくないだろう」FOMC後の会見で。 --------
9/26 トランプ・米大統領 「残念ながら、FRBが今しがた利上げをした。私はそれに不満だ。私は彼らが利上げを好んでいる様子だという事実を懸念している」FOMCでの利上げに関して。 --------
10/1 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「警報が鳴り響いているとは思わないが、かなり多くの黄信号が点滅していると思う」金融安定に関する質問に答えて。 --------
10/3 パウエル・FRB議長 「金利は依然緩和的だ。中立的な水準へとわれわれは徐々に向かっている。われわれは中立を超えるかもしれない。しかし、現時点では恐らく、中立金利まで長い道のりがある」講演で。 --------
10/4 クドロー・国家経済会議(NEC)委員長 「個人的な見方としてドルは安定しており、着実かつ信頼できる。ムニューシン財務長官も、同じ見解だ」ホワイトハウスで。 --------
10/4 ラガルド・IMF専務理事 「貿易戦争は(経済成長の)機会損出だ。世界経済は引き続き安定的に成長しているが、半年前よりリスクは高まっている」。日経新聞とのインタビューで。 --------
10/9 トランプ・米大統領 「(FRBの利上げに)私は気に入らない。そう急ぐ必要はないと思う」「私は低金利が好きだ」ホワイトハウスで。 --------
10/11 トランプ・米大統領 「FRBは制御不能だ」「(利上げは)必要ないというのが私の意見だ。私のほうが彼らよりこの点を分かっていると思う」ホワイトハウスで。 --------
10/13 ムニューシン・米財務長官 「これからの貿易交渉では、どの国とも為替問題を協議していく。日本を例外にすることはしない」G20後に記者団に。 --------
10/14 茂木・経済・再生担当大臣 「日米首脳会談を受けた共同声明でも為替の話はなかった」NHK「日曜討論」で。 --------
10/18 ドラギ・ECB総裁 「EUの財政規律が守られないようなら、全てのEU加盟国に悪影響が及ぶ」講演で。 ユーロドル1.14台前半まで下落
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和