今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2018年10月22日(月) 「英国のEU離脱問題前進か?」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は112円台で小動き。米長期金利が上昇したことからドルは底堅く、112円65銭まで買われた。
  • ユーロドルは小幅に反発。イタリアが予算案を見直すとの観測もあり、ユーロドルは1.1534まで上昇。ただイタリア国債が格下げされたこともあり、上値も限定的。
  • 株式市場はまちまち。ダウは3日ぶりに64ドル反発したが、ナスダックとS&P500は3日続落。
  • 債券相場は反落し、長期金利は3.19%台まで上昇。
  • 金は小幅に下落し、原油は反発。
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 9月中古住宅販売件数 → 515万件
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ドル/円 112.37 〜 112.65
ユーロ/ドル 1.1458 〜 1.1534
ユーロ/円 128.77 〜 129.68
NYダウ +64.89 → 25,444.34ドル
GOLD −1.40 → 1,228.70ドル
WTI +0.47 → 69.12ドル
米10年国債 +0.013 → 3.192%

本日の注目イベント

  • 特段重要なイベントはなし

ドル円は111円台後半が底堅いものの、112円台60−80銭近辺が抜けきれない展開が続いています。NY発世界同時株安の嵐は、やや収まりそうな気配はありますが、まだ収束したとは言えず、ドル円も神経質な動きが予想されます。今週終わった時点で株価が安定しているようだと、世界同時株安の嵐は過ぎ去ったと判断できるかもしれません。ただ、その後には「中間選挙」という次の嵐が待っています。

引き続き話題に事欠かないトランプ大統領ですが、今度は旧ソ連との間で結んだ「中距離核戦力廃棄条約」(INF)を破棄する意向を示しました。「ロシアや中国が戦力を増強するのに米国だけ条約を順守することは受け入れられない」と、その理由を述べています。北朝鮮に核廃絶を迫りながら、一方米国は核開発をさらに進めるなど、トランプ政権は戦力の増強に努めています。果たして国際社会に受け入られるのでしょうか。「 Make America great again !」とは、軍事的に米国を強くすることとは思えませんが。

米中貿易戦争は現在小康状態ですが、先週金曜日に発表された中国の7−9月期のGDPは「6.5%」と、やはり前期に比べ悪化していました。預金準備率を下げるなど、中国政府は米国との貿易戦争の影響を軽減することにやっきになっていますが、米国による制裁関税引き上げ第三弾の2000億ドル(約22兆5千億円)相当が発動されたのは9月24日で、その影響が本格的に出るのは10−12月期と見られます。終わりの見えない米中貿易戦争ですが、米中両首脳は「G20」が行われる11月29日に会談することで暫定合意したと報じられており、この会談が実現したら、貿易戦争の改善に何らかの合意がなされると期待したいところです。

英国のEU離脱問題でも動きがあったようです。現在、英国領北アイルランドとアイルランドの国境管理の問題で混乱が続いている状況ですが、メイ首相は22日、EUとの離脱交渉が「95%既に決着している」と議会で説明するとのコメントを出しています。(ブルームバーグ)ただ英国では再度国民投票を行うことを要求するデモもあり、まだ混乱は続きそうですが、本日行われるメイ首相の演説に注目したいと思います。

ドル円は先週111円63銭までドル安が進む場面がありましたが、再び112円台半ばまで反発しており、「日足」チャートではまだ、上昇トレンドを維持していると見られます。今週にも113円台まで上昇できるのか、それとも再び111円台半ばを試しに行くのかが焦点です。本日のレンジは112円〜112円80銭程度を予想します。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時     発言者     内容   市場への影響   
9/3 トルコ中銀 「使い得るあらゆる手段を駆使し、13日の政策会合で金融政策のスタンスを調整する」予想を超えた消費者物価指数発表後の声明で。 トルコリラ下げ幅を縮小
9/6 トランプ・米大統領 「もちろん私が彼らに対し、彼らがどれだけ支払う必要があるか告げた途端に終わるだろう」日米の貿易問題に関して、WSJが伝える。 ドル円111円40銭レベルから110円台半ばへ
9/7 トランプ・米大統領 「(中国に)新たに2670億ドル(約29兆円)分の関税を課す準備はできている」報道陣に。 ドル円111円台から110円74銭へ
9/7 トランプ・米大統領 「(日米貿易協議が)合意に達しなければ日本は大変な問題になる」 --------
9/19 李克強・中国首相 「輸出競争力の向上を目的に人民元を切り下げることはない」天津での世界経済フォーラムでの講演で。 新興国通貨、豪ドルなどが上昇
9/24 ドラギ・ECB総裁 「ひっ迫しつつある労働市場が賃金の伸びを加速させる中で、向こう数カ月に基調的なインフレ率はさらに上昇する見込みだ」「域内の価格圧力は強まりつつあり、裾野を広げている」講演で。 ユーロドル1.1750〜1.1815まで上昇
9/25 王受文・中国商務次官 「中国はナイフをのどに突き付けられての交渉を行うことはできない」米中貿協議に関して。 --------
9/26 パウエル・FRB議長 「米企業からの貿易懸念の『声の高まり』を耳にしている。FRBは貿易政策に責任がないが、長期間にわたる広範囲な関税は米国にとってよくないだろう」FOMC後の会見で。 --------
9/26 トランプ・米大統領 「残念ながら、FRBが今しがた利上げをした。私はそれに不満だ。私は彼らが利上げを好んでいる様子だという事実を懸念している」FOMCでの利上げに関して。 --------
10/1 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「警報が鳴り響いているとは思わないが、かなり多くの黄信号が点滅していると思う」金融安定に関する質問に答えて。 --------
10/3 パウエル・FRB議長 「金利は依然緩和的だ。中立的な水準へとわれわれは徐々に向かっている。われわれは中立を超えるかもしれない。しかし、現時点では恐らく、中立金利まで長い道のりがある」講演で。 --------
10/4 クドロー・国家経済会議(NEC)委員長 「個人的な見方としてドルは安定しており、着実かつ信頼できる。ムニューシン財務長官も、同じ見解だ」ホワイトハウスで。 --------
10/4 ラガルド・IMF専務理事 「貿易戦争は(経済成長の)機会損出だ。世界経済は引き続き安定的に成長しているが、半年前よりリスクは高まっている」。日経新聞とのインタビューで。 --------
10/9 トランプ・米大統領 「(FRBの利上げに)私は気に入らない。そう急ぐ必要はないと思う」「私は低金利が好きだ」ホワイトハウスで。 --------
10/11 トランプ・米大統領 「FRBは制御不能だ」「(利上げは)必要ないというのが私の意見だ。私のほうが彼らよりこの点を分かっていると思う」ホワイトハウスで。 --------
10/13 ムニューシン・米財務長官 「これからの貿易交渉では、どの国とも為替問題を協議していく。日本を例外にすることはしない」G20後に記者団に。 --------
10/14 茂木・経済・再生担当大臣 「日米首脳会談を受けた共同声明でも為替の話はなかった」NHK「日曜討論」で。 --------
10/18 ドラギ・ECB総裁 「EUの財政規律が守られないようなら、全てのEU加盟国に悪影響が及ぶ」講演で。 ユーロドル1.14台前半まで下落
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和