2018年10月23日(火) 「ドル主要通貨に対して上昇」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- アジア市場で、上海株や日本株が上昇したことからドルを買う動きが強まり、その流れがNY市場にも波及。ドル円は112円89銭まで上昇。
- ユーロドルは小幅に反落。イタリア国債が売られたことがユーロドルの重石となり、1.1456まで下落。
- 株式市場はまちまちながら先週末とは異なり、ダウは売られてナスダックは反発。25日にはいわゆる「FANG」銘柄が揃って決算発表を行うことで期待が先行し、ナスダックは19ポイント上昇。
- 債券相場は変わらず。長期金利は3.2%を目前に足踏み。
- 金は続落し、原油は続伸。
| ドル/円 | 112.66 〜 112.89 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1456 〜 1.1501 |
| ユーロ/円 | 129.22 〜 129.71 |
| NYダウ | −126.93 → 25,317.41ドル |
| GOLD | −4.10 → 1,224.60ドル |
| WTI | +0.05 → 69.17ドル |
| 米10年国債 | +0.006 → 3.198% |
本日の注目イベント
- 独 独9月生産者物価指数
- 欧 ユーロ圏10月消費者信頼感指数(速報値)
- 英 カーニー・BOE総裁講演
- 米 10月リッチモンド連銀製造業指数
- 米 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁講演
- 米 カプラン・ダラス連銀総裁講演
- 米 企業決算 → マクドナルド、3M、キャタピラー、ロッキード
昨日はドル円が堅調に推移し、NY市場では先週記録した戻り高値を抜き、112円89銭までドル高が進みました。マイナス260円ほどまで下げ幅を拡大した日経平均株価が、上海株の大幅反発に引っ張られ、プラスに転じたことでドル円も上昇し、その流れがNY市場にも波及した形です。
ただ昨日の動きはドル円単独で上昇したわけではなく、ユーロとポンドが対ドルで売られたことで、円が「連れ安」した側面が強いと思われます。ユーロドルはイタリア国債が軟調に推移したことが重石となり、ポンドはEUからの離脱問題で、メイ首相に対する与党保守党内の反発が強まっていることへの懸念から売られ、値幅は限定的だったものの、「ドル独歩高」の様相でした。
ドル円は113円には届いていませんが、それでも先週記録した112円73銭の戻り高値を抜いてきました。これで10月4日に記録した114円55銭から、15日に111円63銭まで下げた値幅の、38.2%戻しを達成したことになります。今後さらに上昇すれば、フィボナッチの50%戻しにあたる113円09銭近辺がメドになってきますが、この水準を達成するようだと、「半値戻しは全値戻し」と言われるように、114円台半ばまで戻る可能性も出てきます。
長期金利は3.2%を目前に足踏みしていますが、依然として高水準で推移しており、金利上昇圧力は継続していると見られます。そうなると、金利上昇観測の中、どこまでNY株式市場が落ち着きを取り戻すかが焦点になります。
何かと話題の尽きないトランプ大統領ですが、11月6日の「中間選挙」を控えて大統領は、中間所得層向けの「大規模減税」を検討していると、ブルームバーグが伝えています。早ければ、中間選挙が行われる数日前に発表される可能性があるようです。減税案の詳細についてはまだ明らかにされていませんが、実施されれば、2017年の減税改革に次ぐ措置となり、中間選挙で共和党が議会での過半数獲得を確実にできるとの期待が広がっています。減税が実施されれば、その原資は国債に頼ることになり、国債の増発は金利上昇圧力になるため、上述のように、金利上昇観測は衰えていません。
米中間選挙までちょうど2週間です。多くのメディアが共和党の苦戦を伝えていますが、現在優位にたっている下院で過半数を維持できるのかどうかが注目の一つです。ここで、民主党が過半数を奪回するようだと、ねじれ議会というだけではなく、トランプ大統領の「弾劾」にもつながる可能性が出てきます。選挙結果がどちらにころんでも、為替は大きく動くと思われます。今年のドル円は極めて値幅が小さく、現時点でも年間の値幅が10円を切っている状況です。今年最後の「主戦場」と捉えてもいいかもしれません。本日のドル円レンジは、112円30銭〜113円20銭程度を予想します。
What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 9/3 | トルコ中銀 | 「使い得るあらゆる手段を駆使し、13日の政策会合で金融政策のスタンスを調整する」予想を超えた消費者物価指数発表後の声明で。 | トルコリラ下げ幅を縮小 |
| 9/6 | トランプ・米大統領 | 「もちろん私が彼らに対し、彼らがどれだけ支払う必要があるか告げた途端に終わるだろう」日米の貿易問題に関して、WSJが伝える。 | ドル円111円40銭レベルから110円台半ばへ |
| 9/7 | トランプ・米大統領 | 「(中国に)新たに2670億ドル(約29兆円)分の関税を課す準備はできている」報道陣に。 | ドル円111円台から110円74銭へ |
| 9/7 | トランプ・米大統領 | 「(日米貿易協議が)合意に達しなければ日本は大変な問題になる」 | -------- |
| 9/19 | 李克強・中国首相 | 「輸出競争力の向上を目的に人民元を切り下げることはない」天津での世界経済フォーラムでの講演で。 | 新興国通貨、豪ドルなどが上昇 |
| 9/24 | ドラギ・ECB総裁 | 「ひっ迫しつつある労働市場が賃金の伸びを加速させる中で、向こう数カ月に基調的なインフレ率はさらに上昇する見込みだ」「域内の価格圧力は強まりつつあり、裾野を広げている」講演で。 | ユーロドル1.1750〜1.1815まで上昇 |
| 9/25 | 王受文・中国商務次官 | 「中国はナイフをのどに突き付けられての交渉を行うことはできない」米中貿協議に関して。 | -------- |
| 9/26 | パウエル・FRB議長 | 「米企業からの貿易懸念の『声の高まり』を耳にしている。FRBは貿易政策に責任がないが、長期間にわたる広範囲な関税は米国にとってよくないだろう」FOMC後の会見で。 | -------- |
| 9/26 | トランプ・米大統領 | 「残念ながら、FRBが今しがた利上げをした。私はそれに不満だ。私は彼らが利上げを好んでいる様子だという事実を懸念している」FOMCでの利上げに関して。 | -------- |
| 10/1 | ローゼングレン・ボストン連銀総裁 | 「警報が鳴り響いているとは思わないが、かなり多くの黄信号が点滅していると思う」金融安定に関する質問に答えて。 | -------- |
| 10/3 | パウエル・FRB議長 | 「金利は依然緩和的だ。中立的な水準へとわれわれは徐々に向かっている。われわれは中立を超えるかもしれない。しかし、現時点では恐らく、中立金利まで長い道のりがある」講演で。 | -------- |
| 10/4 | クドロー・国家経済会議(NEC)委員長 | 「個人的な見方としてドルは安定しており、着実かつ信頼できる。ムニューシン財務長官も、同じ見解だ」ホワイトハウスで。 | -------- |
| 10/4 | ラガルド・IMF専務理事 | 「貿易戦争は(経済成長の)機会損出だ。世界経済は引き続き安定的に成長しているが、半年前よりリスクは高まっている」。日経新聞とのインタビューで。 | -------- |
| 10/9 | トランプ・米大統領 | 「(FRBの利上げに)私は気に入らない。そう急ぐ必要はないと思う」「私は低金利が好きだ」ホワイトハウスで。 | -------- |
| 10/11 | トランプ・米大統領 | 「FRBは制御不能だ」「(利上げは)必要ないというのが私の意見だ。私のほうが彼らよりこの点を分かっていると思う」ホワイトハウスで。 | -------- |
| 10/13 | ムニューシン・米財務長官 | 「これからの貿易交渉では、どの国とも為替問題を協議していく。日本を例外にすることはしない」G20後に記者団に。 | -------- |
| 10/14 | 茂木・経済・再生担当大臣 | 「日米首脳会談を受けた共同声明でも為替の話はなかった」NHK「日曜討論」で。 | -------- |
| 10/18 | ドラギ・ECB総裁 | 「EUの財政規律が守られないようなら、全てのEU加盟国に悪影響が及ぶ」講演で。 | ユーロドル1.14台前半まで下落 |



