今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2018年10月24日(水) 「ドル円再び111円台まで下落するも押し戻される」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は再び112円を割り込み、111円95銭まで下落。日本株やアジア株が大きく下げた流れを受け、NY株も大幅に下落。リスク回避の円買いが強まり112円を割り込んだ。その後は株価の戻りとともに112円台を回復し、112円35−40銭前後で取引を終える。
  • ユーロドルは小幅に続落し、1.1449まで下落。イタリア国債が反発したが、買い戻しの動きは限定的。
  • 株式市場は主要3指数が揃って下落。ダウは一時500ドルを超える下げを見せたが、マクドナルドなど好決算銘柄が買われ、指数も反発。ダウは結局125ドル安で引け、S&P500は5日続落。
  • 債券相場は反発。株価の下落が債券買いにつながり、長期金利は3.16%台まで低下。
  • 金は反発し12ドル高と、約2カ月ぶりの高値に。一方原油は3ドル近い下げを記録し、2カ月ぶりの低水準に。
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 10月リッチモンド連銀製造業指数 → 15
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ドル/円 111.95 〜 112.48
ユーロ/ドル 1.1449 〜 1.1494
ユーロ/円 128.21 〜 129.08
NYダウ −125.96 → 25,191.43ドル
GOLD +12.20 → 1,236.80ドル
WTI −2.93 → 66.43ドル
米10年国債 −0.03 → 3.168%

本日の注目イベント

  • 日 10月日経日本製造業PMI
  • 日 8月景気動向指数(確報)
  • 独 独10月製造業PMI(速報値)
  • 独 独10月サービス業PMI(速報値)
  • 欧 ユーロ圏9月マネーサプライ
  • 欧 ユーロ圏10月製造業PMI(速報値)
  • 欧 ユーロ圏10月サービス業PMI(速報値)
  • 欧 ユーロ圏10月総合PMI(速報値)
  • 米 8月FHFA住宅価格指数
  • 米 9月新築住宅販売件数
  • 米 ベージュブック(地区連銀経済報告)
  • 米 ボスティック・アトランタ連銀総裁講演
  • 米 ジョージ・カンザスシティー連銀総裁講演
  • 米 メスター・クリーブランド連銀総裁講演
  • 米 企業決算 → ボーイング、AT&T、VISA、マイクロソフト
  • 加 カナダ中銀政策金利発表

米国がくしゃみをすれば、風邪を引いてしまう日本株ですが、昨日は日本株自身で風邪を引き、こじらせてしまったようです。折から、日本では首都圏を中心に「風疹」がはやっており、米国では妊婦の日本への渡航を自粛するよう、異例の注意も発せられています。日経平均株価は、昨日604円もの大幅下げに見舞われ、株式の専門家も「なぜここまで売られるのか分からない」と嘆いていました。

株価の大幅下落に伴ってドル円も徐々に下げ、NY市場ではダウが一時550ドル近く下げたことで、112円を割り込みました。昨日もこの欄で述べたように、今回の戻り局面では、フィボナッチの38.2%は達成したものの、現時点では50%戻しには失敗したことになります。米中貿易戦争と中国景気の鈍化に加え、今度はサウジアラビアの反体制ジャーナリスト殺害に伴う、中東情勢の不透明感が広がってきました。この殺害を巡るサウジ政府の説明にもトランプ政権は納得しておらず、制裁にまで発展するリスクが取りざたされています。もし米国がサウジに対して制裁を発動するようだと、サウジとしても保有している米国債の売却や、原油価格を意図的に上昇させるなどの行動に出る危険があり、その際には日本にとっても人ごとではありません。またひとつ注目しなければならない事態が増えたことになります。

トランプ大統領と習近平主席との首脳会談は、どうやら11月にブエノスアイレスで開かれる「G20」の場を利用して行われるようです。クドロー国家経済会議(NEC)議長は23日、「両首脳はアルゼンチンで少しの時間、会談する」と記者団に語っています。ただ首脳会談では大きな事態打開は期待していないとも語っています。(ブルームバーグ)米中貿易戦争は、米国が中国に対して総額2500億ドル(約28兆1千億円)の関税引き上げを発動して以来小康状態です。トランプ大統領はさらに5000億ドルまで引き上げると中国に脅しをかけてはいますが、中国が何らかの譲歩を示せば事態が改善する可能性もあります。多くは期待できませんが、こちらにも注目しなければなりません。

ドル円はそれほど大きな値動きにはなっていないものの、株価の動きと相関関係を強めています。昨日のドル下落も111円台では下げ止まり、底値から50銭ほど反発しており、111円台半ばから後半が極めて強いサポートであることを示しています。ここ直近でも、112円割れは5回観測されましたが、全て112円台に押し戻されていることも確認できます。逆に言えば、111円台半ばをしっかりと割り込むようだと、下げが加速することも予想されます。

本日も日本株次第というところでしょう。昨日大きく下げているため、NY株が下げたといっても500円も続落する展開は予想していませんが、上値の重い展開は変わりません。予想レンジは111円80銭〜112円70銭程度でしょうか。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時     発言者     内容   市場への影響   
9/3 トルコ中銀 「使い得るあらゆる手段を駆使し、13日の政策会合で金融政策のスタンスを調整する」予想を超えた消費者物価指数発表後の声明で。 トルコリラ下げ幅を縮小
9/6 トランプ・米大統領 「もちろん私が彼らに対し、彼らがどれだけ支払う必要があるか告げた途端に終わるだろう」日米の貿易問題に関して、WSJが伝える。 ドル円111円40銭レベルから110円台半ばへ
9/7 トランプ・米大統領 「(中国に)新たに2670億ドル(約29兆円)分の関税を課す準備はできている」報道陣に。 ドル円111円台から110円74銭へ
9/7 トランプ・米大統領 「(日米貿易協議が)合意に達しなければ日本は大変な問題になる」 --------
9/19 李克強・中国首相 「輸出競争力の向上を目的に人民元を切り下げることはない」天津での世界経済フォーラムでの講演で。 新興国通貨、豪ドルなどが上昇
9/24 ドラギ・ECB総裁 「ひっ迫しつつある労働市場が賃金の伸びを加速させる中で、向こう数カ月に基調的なインフレ率はさらに上昇する見込みだ」「域内の価格圧力は強まりつつあり、裾野を広げている」講演で。 ユーロドル1.1750〜1.1815まで上昇
9/25 王受文・中国商務次官 「中国はナイフをのどに突き付けられての交渉を行うことはできない」米中貿協議に関して。 --------
9/26 パウエル・FRB議長 「米企業からの貿易懸念の『声の高まり』を耳にしている。FRBは貿易政策に責任がないが、長期間にわたる広範囲な関税は米国にとってよくないだろう」FOMC後の会見で。 --------
9/26 トランプ・米大統領 「残念ながら、FRBが今しがた利上げをした。私はそれに不満だ。私は彼らが利上げを好んでいる様子だという事実を懸念している」FOMCでの利上げに関して。 --------
10/1 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「警報が鳴り響いているとは思わないが、かなり多くの黄信号が点滅していると思う」金融安定に関する質問に答えて。 --------
10/3 パウエル・FRB議長 「金利は依然緩和的だ。中立的な水準へとわれわれは徐々に向かっている。われわれは中立を超えるかもしれない。しかし、現時点では恐らく、中立金利まで長い道のりがある」講演で。 --------
10/4 クドロー・国家経済会議(NEC)委員長 「個人的な見方としてドルは安定しており、着実かつ信頼できる。ムニューシン財務長官も、同じ見解だ」ホワイトハウスで。 --------
10/4 ラガルド・IMF専務理事 「貿易戦争は(経済成長の)機会損出だ。世界経済は引き続き安定的に成長しているが、半年前よりリスクは高まっている」。日経新聞とのインタビューで。 --------
10/9 トランプ・米大統領 「(FRBの利上げに)私は気に入らない。そう急ぐ必要はないと思う」「私は低金利が好きだ」ホワイトハウスで。 --------
10/11 トランプ・米大統領 「FRBは制御不能だ」「(利上げは)必要ないというのが私の意見だ。私のほうが彼らよりこの点を分かっていると思う」ホワイトハウスで。 --------
10/13 ムニューシン・米財務長官 「これからの貿易交渉では、どの国とも為替問題を協議していく。日本を例外にすることはしない」G20後に記者団に。 --------
10/14 茂木・経済・再生担当大臣 「日米首脳会談を受けた共同声明でも為替の話はなかった」NHK「日曜討論」で。 --------
10/18 ドラギ・ECB総裁 「EUの財政規律が守られないようなら、全てのEU加盟国に悪影響が及ぶ」講演で。 ユーロドル1.14台前半まで下落
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和