2018年10月31日(水) 「ドル円約3週間ぶりに113円台を回復」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は10月10日以来の113円台乗せ。米国株が全面高となり、長期金利も3.12%台まで上昇したことで、円売りが優勢に。ドル円は113円15銭までドル高が進み、この日の高値圏で引ける。
- ユーロドルは緩やかに下落し、終始1.13台での取引きとなる。ユーロ圏の第3四半期GDPが予想を下回ったこともユーロの重石に。
- 株式市場は大幅な反発を見せ全面高の展開に。消費者信頼感指数が高水準を維持していたことや、米中貿易戦争に楽観的な見方も出て株価を押し上げた。ダウは431ドル上昇し、その他の指数も大幅高。
- 株価が大幅に反発したことで債券は売られる。長期金利は3.12%台まで上昇。
- 金と原油は続落。
8月ケース・シラ−住宅価格指数 → 5.49%
10月消費者信頼感指数 → 137.9
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| ドル/円 | 112.68 〜 113.15 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1340 〜 1.1382 |
| ユーロ/円 | 127.96 〜 128.44 |
| NYダウ | +431.72 → 24,874.64ドル |
| GOLD | −2.30 → 1,225.30ドル |
| WTI | −0.86 → 66.18ドル |
| 米10年国債 | +0.038 → 3.123% |
本日の注目イベント
- 豪 豪第3四半期消費者物価指数
- 日 9月鉱工業生産
- 日 日銀金融政策決定会合
- 日 黒田日銀総裁記者会見
- 中 10月製造業PMI(速報値)
- 中 10月非製造業PMI(速報値)
- 中 10月コンポジットPMI(速報値)
- 欧 ユーロ圏9月失業率
- 欧 ユーロ圏10月消費者物価指数(速報値)
- 米 10月ADP雇用者数
- 米 7−9月雇用コスト指数
- 米 10月シカゴ購買部協会景気指数
トランプ大統領の「アメとムチ」外交が市場を混乱させています。前日、「11月の米中首脳会談で進展がなければ中国からの輸入品すべてに関税を課す用意がある」と発言して、円高ドル安が進み、株価も大きく売られましたが、今度は一転して、楽観的な姿勢を見せました。
トランプ氏は29日に、FOXテレビとのインタビューで、対中貿易に関して「素晴らしい取引を見込む」と述べました。この発言は昨日の東京時間午後には伝えられ、ドル円は112円台半ばを超え、日経平均株価は一時400円を超える上昇を見せました。
この流れは海外市場にも受け継がれ、NYではドル円が約3週間ぶりに113円台まで買われ、米国株は全面高、さらに債券が売られたことから長期金利は上昇し、久しぶりに短期的な「リスクオン」が進みました。10月の消費者信頼感指数が「137.9」と、市場予想を上回り、18年ぶりの高水準を記録したこともドル高・株高につながりました。同指数は「現況指数」と「期待指数」ともに18年ぶりの高水準で、消費者の景気に対する認識は、株価が大きく下げている状況下でも崩れていないことを示しており、米景気はすぐには失速しないことを物語っているのかもしれません。
ドル円はNY市場で113円15銭まで買われ、今朝方には113円17銭前後までドル高が進んでいます。結局先週末のNY市場で111円38銭までドル安が進みましたが、日足の「雲の下限」を下抜けすることなく反転したことになります。現在は「8時間足」の雲の上限近辺で上昇が一旦止まっていますが、その上には目立った抵抗滞は見られません。ただ、約3週間ぶりのドル高水準ということや、米中貿易戦争は依然として不透明なことから、このままドルが上昇を続けるかどうかは疑問です。
米中貿易戦争がさらに激化し、トランプ大統領が口にしたように、中国からの輸入品すべてに関税を課せば、中国だけではなく米国にも相当な打撃があるとの試算もあります。米シティーグループのリポートによると、もし中国からの全製品を対象とし、新規に2670億ドル(約30兆円)の輸入品に10%の関税を課すと、消費への影響は最大で、制裁関税第一弾の10倍になる可能性があると指摘しています。それは、アップルの「iPhone」やナイキのシューズなど、中国で生産される消費財を含めることになるからだとしています。
本日は日本株も上昇するでしょう。300円前後の上昇を予想していますが、円安の影響から500円以上上昇すればドル円のもう一段の上昇が見込めます。一方で、昨日すでに300円を超える上昇を見せているだけに、上昇幅が限定的になることも予想されます。レンジとしては112円70銭〜113円50銭程度を予想します。
What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 9/3 | トルコ中銀 | 「使い得るあらゆる手段を駆使し、13日の政策会合で金融政策のスタンスを調整する」予想を超えた消費者物価指数発表後の声明で。 | トルコリラ下げ幅を縮小 |
| 9/6 | トランプ・米大統領 | 「もちろん私が彼らに対し、彼らがどれだけ支払う必要があるか告げた途端に終わるだろう」日米の貿易問題に関して、WSJが伝える。 | ドル円111円40銭レベルから110円台半ばへ |
| 9/7 | トランプ・米大統領 | 「(中国に)新たに2670億ドル(約29兆円)分の関税を課す準備はできている」報道陣に。 | ドル円111円台から110円74銭へ |
| 9/7 | トランプ・米大統領 | 「(日米貿易協議が)合意に達しなければ日本は大変な問題になる」 | -------- |
| 9/19 | 李克強・中国首相 | 「輸出競争力の向上を目的に人民元を切り下げることはない」天津での世界経済フォーラムでの講演で。 | 新興国通貨、豪ドルなどが上昇 |
| 9/24 | ドラギ・ECB総裁 | 「ひっ迫しつつある労働市場が賃金の伸びを加速させる中で、向こう数カ月に基調的なインフレ率はさらに上昇する見込みだ」「域内の価格圧力は強まりつつあり、裾野を広げている」講演で。 | ユーロドル1.1750〜1.1815まで上昇 |
| 9/25 | 王受文・中国商務次官 | 「中国はナイフをのどに突き付けられての交渉を行うことはできない」米中貿協議に関して。 | -------- |
| 9/26 | パウエル・FRB議長 | 「米企業からの貿易懸念の『声の高まり』を耳にしている。FRBは貿易政策に責任がないが、長期間にわたる広範囲な関税は米国にとってよくないだろう」FOMC後の会見で。 | -------- |
| 9/26 | トランプ・米大統領 | 「残念ながら、FRBが今しがた利上げをした。私はそれに不満だ。私は彼らが利上げを好んでいる様子だという事実を懸念している」FOMCでの利上げに関して。 | -------- |
| 10/1 | ローゼングレン・ボストン連銀総裁 | 「警報が鳴り響いているとは思わないが、かなり多くの黄信号が点滅していると思う」金融安定に関する質問に答えて。 | -------- |
| 10/3 | パウエル・FRB議長 | 「金利は依然緩和的だ。中立的な水準へとわれわれは徐々に向かっている。われわれは中立を超えるかもしれない。しかし、現時点では恐らく、中立金利まで長い道のりがある」講演で。 | -------- |
| 10/4 | クドロー・国家経済会議(NEC)委員長 | 「個人的な見方としてドルは安定しており、着実かつ信頼できる。ムニューシン財務長官も、同じ見解だ」ホワイトハウスで。 | -------- |
| 10/4 | ラガルド・IMF専務理事 | 「貿易戦争は(経済成長の)機会損出だ。世界経済は引き続き安定的に成長しているが、半年前よりリスクは高まっている」。日経新聞とのインタビューで。 | -------- |
| 10/9 | トランプ・米大統領 | 「(FRBの利上げに)私は気に入らない。そう急ぐ必要はないと思う」「私は低金利が好きだ」ホワイトハウスで。 | -------- |
| 10/11 | トランプ・米大統領 | 「FRBは制御不能だ」「(利上げは)必要ないというのが私の意見だ。私のほうが彼らよりこの点を分かっていると思う」ホワイトハウスで。 | -------- |
| 10/13 | ムニューシン・米財務長官 | 「これからの貿易交渉では、どの国とも為替問題を協議していく。日本を例外にすることはしない」G20後に記者団に。 | -------- |
| 10/14 | 茂木・経済・再生担当大臣 | 「日米首脳会談を受けた共同声明でも為替の話はなかった」NHK「日曜討論」で。 | -------- |
| 10/18 | ドラギ・ECB総裁 | 「EUの財政規律が守られないようなら、全てのEU加盟国に悪影響が及ぶ」講演で。 | ユーロドル1.14台前半まで下落 |
| 10/23 | トランプ・米大統領 | FRB議長にパウエル氏を指名したことを後悔しているかとの質問に「発言するのは時期尚早だが、多分そう」「(パウエル議長が)利上げでまるでうれしそうに見える」WSJ紙とのインタビューで。 | -------- |



