2018年11月1日(木) 「ドル円113円台から反落」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は小幅に続伸し、113円38銭前後まで上昇したものの、その後反落。112円81銭まで下落したが、ポジション調整と、113円台ではドル売り意欲も旺盛だったとの見方。
- ユーロドルは続落し、一時は1.1302まで売られる。イタリアの財政問題とドイツの政治的リスクが重石となり、8月15日以来となるユーロ安を記録。
- 株式市場は大幅に続伸。ADP雇用者数が予想を上回ったことや第3四半期の雇用コストが上振れしたことで、買いが優勢に。ダウは241ドル上昇し、2万5000ドルの大台を回復。
- 債券は続落。株価の上昇や良好な経済指標に押され価格が下落。長期金利は3.14%台まで上昇。
- 金と原油は3日続落。原油価格は在庫の増加を手がかりに売られ、65ドル31セントと、2カ月半ぶりの安値で取引きを終える。
10月ADP雇用者数 → 22.7万人
7−9月雇用コスト指数 → 0.8%
10月シカゴ購買部協会景気指数 → 58.4
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| ドル/円 | 112.81 〜 113.38 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1302 〜 1.1348 |
| ユーロ/円 | 127.65 〜 128.41 |
| NYダウ | +241.12 → 25,115.76ドル |
| GOLD | −10.30 → 1,215.00ドル |
| WTI | −0.87 → 65.31ドル |
| 米10年国債 | +0.021 → 3.144% |
本日の注目イベント
- 豪 豪9月貿易収支
- 中 中国 10月財新製造業PMI
- 英 英10月製造業PMI
- 英 BOE金融政策発表
- 英 BOE四半期インフレ報告
- 英 BOE議事録
- 英 カーニー・BOE総裁講演
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 10月ISM製造業景況指数
- 米 労働生産性(7−9月、速報値)
- 米 10月自動車販売台数
ドル円は113円台で堅調に推移し、NY市場では113円38銭までドル高が進みましたが、予想通り、一気に113円台半ばを抜くには至らず、小幅ですが押し戻されています。株価が大幅に続伸し、長期金利も小幅ですが上昇し、ドル円はもう一段上値を試してもおかしくはなかった状況でしたが、明日の雇用等統計や来週の中間選挙を控えて、ポジション調整のドル売りが優勢だったということのようです。
引き続き労働市場は堅調です。昨日発表された民間機関の雇用統計である「ADP雇用者数」は、市場予想を4万人も上回る、「22.7万人」でした。さらに第3四半期の雇用コスト指数も「0.8%」と、こちらも予想を上回り、前年同期比では2.8%の高い伸びを見せています。ブルームバーグによると、民間部門の賃金・給与は前年同期比で3.1%の上昇でした。教育・医療サービスや運輸・倉庫・情報サービスといった分野で特に大きく伸びたようです。
明日は10月の雇用統計が発表されますが、既に雇用者数の増加は19.5万人と予想され、注目される「平均時給」では、前年同月比の伸びが3.1%と予想されています。上記、雇用コスト指数の民間部門の賃金・給与が同じように「3.1%」であったことが、賃金の伸びが加速していること表しており、明日の「平均時給」も予想に近い数字かと思われます。雇用者数や失業率は安定的に推移しており、FRBは賃金の上昇率に注目していると言われています。明日の発表で予想通りの結果を示せば、12月のFOMCで「今年4回目の利上げ」の可能性が高まります。
ここ2日間、日米の株価は大きく反発しています。ドル円もこの動きに呼応したかのように113円台を回復したわけですが、株価の動きにはまだ安心できません。昨日は463円も上昇した日経平均株価ですが、10月では2199円もの下げを記録し、2008年のリーマンショック以降最大の下げを記録しました。現在上場企業の中間決算発表はピークを迎えています。事前予想ではかりなりの企業が増収増益と見られていましたが、蓋を開けてみると、強弱まちまちです。まだ、為替が円高に振れていないことで輸出企業を中心に好業績を維持していますが、ドル円が110円を割り込むようだと、「円高、株安」が一気に加速する懸念もありそうです。
本日のドル円はやや上値が重く感じられます。米国株が大幅続伸した割には、日経平均の伸びは限定的でしょう。ここ2日間で800円近く上昇したこともあり、ひょっとするとマイナスで終わることも、ないとは言えません。予想レンジは112円50銭〜113円40銭程度と見ます。
What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 9/3 | トルコ中銀 | 「使い得るあらゆる手段を駆使し、13日の政策会合で金融政策のスタンスを調整する」予想を超えた消費者物価指数発表後の声明で。 | トルコリラ下げ幅を縮小 |
| 9/6 | トランプ・米大統領 | 「もちろん私が彼らに対し、彼らがどれだけ支払う必要があるか告げた途端に終わるだろう」日米の貿易問題に関して、WSJが伝える。 | ドル円111円40銭レベルから110円台半ばへ |
| 9/7 | トランプ・米大統領 | 「(中国に)新たに2670億ドル(約29兆円)分の関税を課す準備はできている」報道陣に。 | ドル円111円台から110円74銭へ |
| 9/7 | トランプ・米大統領 | 「(日米貿易協議が)合意に達しなければ日本は大変な問題になる」 | -------- |
| 9/19 | 李克強・中国首相 | 「輸出競争力の向上を目的に人民元を切り下げることはない」天津での世界経済フォーラムでの講演で。 | 新興国通貨、豪ドルなどが上昇 |
| 9/24 | ドラギ・ECB総裁 | 「ひっ迫しつつある労働市場が賃金の伸びを加速させる中で、向こう数カ月に基調的なインフレ率はさらに上昇する見込みだ」「域内の価格圧力は強まりつつあり、裾野を広げている」講演で。 | ユーロドル1.1750〜1.1815まで上昇 |
| 9/25 | 王受文・中国商務次官 | 「中国はナイフをのどに突き付けられての交渉を行うことはできない」米中貿協議に関して。 | -------- |
| 9/26 | パウエル・FRB議長 | 「米企業からの貿易懸念の『声の高まり』を耳にしている。FRBは貿易政策に責任がないが、長期間にわたる広範囲な関税は米国にとってよくないだろう」FOMC後の会見で。 | -------- |
| 9/26 | トランプ・米大統領 | 「残念ながら、FRBが今しがた利上げをした。私はそれに不満だ。私は彼らが利上げを好んでいる様子だという事実を懸念している」FOMCでの利上げに関して。 | -------- |
| 10/1 | ローゼングレン・ボストン連銀総裁 | 「警報が鳴り響いているとは思わないが、かなり多くの黄信号が点滅していると思う」金融安定に関する質問に答えて。 | -------- |
| 10/3 | パウエル・FRB議長 | 「金利は依然緩和的だ。中立的な水準へとわれわれは徐々に向かっている。われわれは中立を超えるかもしれない。しかし、現時点では恐らく、中立金利まで長い道のりがある」講演で。 | -------- |
| 10/4 | クドロー・国家経済会議(NEC)委員長 | 「個人的な見方としてドルは安定しており、着実かつ信頼できる。ムニューシン財務長官も、同じ見解だ」ホワイトハウスで。 | -------- |
| 10/4 | ラガルド・IMF専務理事 | 「貿易戦争は(経済成長の)機会損出だ。世界経済は引き続き安定的に成長しているが、半年前よりリスクは高まっている」。日経新聞とのインタビューで。 | -------- |
| 10/9 | トランプ・米大統領 | 「(FRBの利上げに)私は気に入らない。そう急ぐ必要はないと思う」「私は低金利が好きだ」ホワイトハウスで。 | -------- |
| 10/11 | トランプ・米大統領 | 「FRBは制御不能だ」「(利上げは)必要ないというのが私の意見だ。私のほうが彼らよりこの点を分かっていると思う」ホワイトハウスで。 | -------- |
| 10/13 | ムニューシン・米財務長官 | 「これからの貿易交渉では、どの国とも為替問題を協議していく。日本を例外にすることはしない」G20後に記者団に。 | -------- |
| 10/14 | 茂木・経済・再生担当大臣 | 「日米首脳会談を受けた共同声明でも為替の話はなかった」NHK「日曜討論」で。 | -------- |
| 10/18 | ドラギ・ECB総裁 | 「EUの財政規律が守られないようなら、全てのEU加盟国に悪影響が及ぶ」講演で。 | ユーロドル1.14台前半まで下落 |
| 10/23 | トランプ・米大統領 | FRB議長にパウエル氏を指名したことを後悔しているかとの質問に「発言するのは時期尚早だが、多分そう」「(パウエル議長が)利上げでまるでうれしそうに見える」WSJ紙とのインタビューで。 | -------- |



