今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2018年11月20日(火) 「ドル円112円台半ばまで下落」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • 株価が大きく下落したことからドル円は売り優勢の中、112円42銭まで下落。株価がその後やや戻したことで112円60銭近辺で取引を終える。
  • ドル安が進んだことからユードルでもユーロの買い戻しが勝った。1.1464までユーロ高が進む。
  • 株式市場は反落。住宅関連指標の悪化や、貿易問題の先行き懸念などからハイテク株を中心に下げる。ダウは359ドル安と、かろうじて引け値で2万5000ドル台を維持。ナスダックは219ポイントの大幅下落。
  • 債券相場は横ばい。長期金利も3.06%台で変わらず。
  • 金は4日続伸。原油は値ごろ感から買いが入り小幅高。
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 11月NAHB住宅市場指数 → 60
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ドル/円 112.42 〜 112.80
ユーロ/ドル 1.1420 〜 1.1464
ユーロ/円 128.64 〜 129.06
NYダウ −395.78 → 25,017.44ドル
GOLD +2.30 → 1,225.30ドル
WTI +0.30 → 56.76ドル
米10年国債 ±0 → 3.063%

本日の注目イベント

  • 豪 RBA議事録
  • 独 独10月生産者物価指数
  • 米 10月住宅着工件数
  • 米 10月建設許可件数

「日産自動車のゴーン会長逮捕」のニュースが昨日の夕方5時過ぎに流れ、昨日は夜遅くまでこのニュース一色でした。ゴーン氏はルノーの会長も兼務しており、昨日はルノー株も大きく売られ、時間外取引では日産株も大きく売られているようです。NYでもダウは一時500ドルを超える下げを見せ、ドル円もこれに連れて112円42銭まで円高が進んでいます。

もっとも、NYではドル円は相変わらず値動きが緩慢で、昨日の東京時間での水準をわずかに下げたところで推移している程度です。株価の下げから、ドル売り圧力が優勢の展開ですが、引き続き材料は今月末に行われる米中脳会談の行方と、来月のFOMCでの利上げの有無と、今後の利上げペースが相場を左右することになります。

利上げ観測に関しては、前日FRBのクラリダ副総裁が、世界経済の動きにも注意し慎重に進める必要があるとの見方を示し、アトランタ連銀総裁に次いで、「ハト派的」な意見が増えてきた印象ですが、昨日はNY連銀総裁の発言がありました。ウィリアムズ総裁はNY市の地域イベントで「われわれは若干の利上げを行う可能性が高いが、それは極めて力強い経済が背景にあるからだ」と発言し、「われわれはあらかじめ設定されたコースを進んでいるわけではない。低インフレの下で力強い米経済を維持することに最善を尽くすため、金融政策のやり方を調整する」と説明しています。(ブルームバーグ)

これは基本的には、クラリダ副総裁の意見と同じで、景気次第では今後の利上げを見直す可能性もあることを示唆したものと受け取れます。これまで米中貿易戦争の影響については、多くのFRBメンバーが楽観的な見方をしていましたが、ここに来て「その影響を無視できないのでは」との見方に変わってきたようです。仮に今月末の米中首脳会談で進展が見られないと、トランプ大統領は現在2000億ドル(約22兆5千億円)相当の中国製品に10%の関税をかけているものを、来年1月から25%に引き上げると圧力をかけており、これは単なる「脅し」ではなく、あのトランプ氏なら実行することも十分あり得ます。FRBのメンバーもこの辺りを考慮して、緩やかな利上げスタンスを維持しながらも金融政策を柔軟に行うことを強調しているものと思われます。因みに12月のFOMCでの利上げ確率は直近で、68.7%となっています。

ドル円は昨日のNY市場で112円42銭まで下げたことで、「日足チャート」ではローソク足が雲の中まで下落してきました。「ゴーンショック」を受けて、本日の日本株もまた大きく売られると予想されます。ドル円も下値を試す展開となりそうですが、112円台を維持できるかどうかが注目点のひとつになります。レンジは112円〜113円程度と予想します。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時     発言者     内容   市場への影響   
10/1 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「警報が鳴り響いているとは思わないが、かなり多くの黄信号が点滅していると思う」金融安定に関する質問に答えて。 --------
10/3 パウエル・FRB議長 「金利は依然緩和的だ。中立的な水準へとわれわれは徐々に向かっている。われわれは中立を超えるかもしれない。しかし、現時点では恐らく、中立金利まで長い道のりがある」講演で。 --------
10/4 クドロー・国家経済会議(NEC)委員長 「個人的な見方としてドルは安定しており、着実かつ信頼できる。ムニューシン財務長官も、同じ見解だ」ホワイトハウスで。 --------
10/4 ラガルド・IMF専務理事 「貿易戦争は(経済成長の)機会損出だ。世界経済は引き続き安定的に成長しているが、半年前よりリスクは高まっている」。日経新聞とのインタビューで。 --------
10/9 トランプ・米大統領 「(FRBの利上げに)私は気に入らない。そう急ぐ必要はないと思う」「私は低金利が好きだ」ホワイトハウスで。 --------
10/11 トランプ・米大統領 「FRBは制御不能だ」「(利上げは)必要ないというのが私の意見だ。私のほうが彼らよりこの点を分かっていると思う」ホワイトハウスで。 --------
10/13 ムニューシン・米財務長官 「これからの貿易交渉では、どの国とも為替問題を協議していく。日本を例外にすることはしない」G20後に記者団に。 --------
10/14 茂木・経済・再生担当大臣 「日米首脳会談を受けた共同声明でも為替の話はなかった」NHK「日曜討論」で。 --------
10/18 ドラギ・ECB総裁 「EUの財政規律が守られないようなら、全てのEU加盟国に悪影響が及ぶ」講演で。 ユーロドル1.14台前半まで下落
10/23 トランプ・米大統領 FRB議長にパウエル氏を指名したことを後悔しているかとの質問に「発言するのは時期尚早だが、多分そう」「(パウエル議長が)利上げでまるでうれしそうに見える」WSJ紙とのインタビューで。 --------
11/3 トランプ・米大統領 「米国と中国が貿易摩擦解消するための合意に達すると考えており、そうなれば両国に有益だろう」ホワイトハウスで。 株価のマイナス幅が縮小
11/14 パウエル・FRB議長 「あとどれくらい利上げをするのか、今後の利上げのぺースについてわれわれは考えなければならない」ダラスでの公開討論会で。 --------
11/15 ポスティック・アトランタ連銀総裁 「政策の過ちが経済の過熱や不況の引き金になりかねない領域に近づいているため、当局は追加利上げを慎重に進めるべきだ」マドリードの会合で。 --------
11/16 クラリダ・FRB副議長 「米金融当局は、政策決定に際して世界の経済成長を考慮に入れるべき必要があるだろう」CNNとのインタビューで。 ドル円113円台前半から112円台半ばまで下落
11/19 ウィリアムズ・NY連銀総裁 「われわれはあらかじめ設定されたコースを進んでいるわけではない。低インフレの下で力強い米経済を維持することに最善を尽くすため、金融政策のやり方を調整する」NYのイベントで。 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和