今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2018年11月26日(月) 「WTI原油価格1年1カ月ぶりの安値に」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • 株式・債券市場が短縮取引だったことから、ドル円も小動き。112円台半ばから後半での動きから、112円95−00で越週。
  • ユーロドルは水準を切り下げる。1.1328まで売られこの日の安値圏で取引きを終える。
  • 株式市場は3指数とも揃って下落。原油価格が急落したことを受け石油株が大きく売られる。ダウは3日続落で、直近安値を更新する2万4200ドル台で引ける。
  • 債券相場は続伸。長期金利は3.03%台へと低下。
  • 金は反落。原油価格は8%を超える大幅下落。世界景気の低迷予測や、OPECが大幅な減産合意はできないとの見方から前日比4ドルを超える下落で、50ドル台半ばに。
ドル/円 112.67 〜 112.98
ユーロ/ドル 1.1328 〜 1.1359
ユーロ/円 127.82 〜 128.12
NYダウ −178.74 → 24,285.95ドル
GOLD −4.80 → 1,223.20ドル
WTI −4.21 → 50.42ドル
米10年国債 −0.024 → 3.039%

本日の注目イベント

  • 独 独11月ifo景況感指数
  • 欧 ドラギ・ECB総裁講演
  • 英 カーニー・BOE総裁講演

NYでは感謝祭翌日ということで、株式・債券市場が昼過ぎまでの短縮取引でした。そのため、為替市場も大きな動きはなく静かでした。感謝祭翌日の「ブラックフライデー」から、翌週明けの「サイバーマンデー」までの期間、米国では膨大な売り上げが見込まれていますが、アドビ・アナリティクスによると、東部時間23日午前10時現在のオンライン売上高は6億4300万ドル(約730億円)と、前年同期比28%に上り、23日の売上高は64億ドルを超える見通しだとブルームバーグは報じています。

ただ、米中貿易戦争の影響から、消費の先行きには依然慎重な見方があるようです。トランプ政権は、9月に中国からの輸入品2000億ドル相当に10%の関税を課しており、来年1月からは25%に税率を引き上げると宣言しています。消費者が、今後物価が上昇することを想定して、早めの行動に出ている可能性があります。また金利先高感が優勢な中、金利上昇が高額商品への支出を抑制することも考えられるとの指摘もあります。

25日にベルギーのブリュッセルで開催されたEUの臨時首脳会議で、EUは英国のEU離脱条件に正式に合意しました。これで今後の焦点は、EU議会と英国議会で離脱案が承認されるかどうかに移ります。英国の離脱は来年3月29日となっており、英国議会では与野党を含めなお反対意見が強く、残る4カ月余りでの承認を疑問視する声もあります。もっとも、正式に離脱が完了しても、その後の英国の景気には不安が残り、今後世界景気の鈍化が予測される中、英国経済が「巡航速度」を保つのは簡単ではありません。

11月も今週で終わります。街ではクリスマスの飾りつけも目立つようになり、卓上カレンダーが届けられる時期になりましたが、今週末から来週にかけては、今年最後のビッグイベントである「米中首脳会談」が、アルゼンチンで開催される「G20」に合わせて行われます。ここで、貿易戦争の終焉につながる合意があるのか、あるいは平行線で終わり、決裂という最悪事態になるのか、年末から来年にかけての相場を見る上でも極めて重要なイベントになります。ちょっと早い「クリスマス・プレゼント」になればいいのですが・・・・・。

本日のドル円は112円50銭〜113円30銭程度を予想します。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時     発言者     内容   市場への影響   
10/1 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「警報が鳴り響いているとは思わないが、かなり多くの黄信号が点滅していると思う」金融安定に関する質問に答えて。 --------
10/3 パウエル・FRB議長 「金利は依然緩和的だ。中立的な水準へとわれわれは徐々に向かっている。われわれは中立を超えるかもしれない。しかし、現時点では恐らく、中立金利まで長い道のりがある」講演で。 --------
10/4 クドロー・国家経済会議(NEC)委員長 「個人的な見方としてドルは安定しており、着実かつ信頼できる。ムニューシン財務長官も、同じ見解だ」ホワイトハウスで。 --------
10/4 ラガルド・IMF専務理事 「貿易戦争は(経済成長の)機会損出だ。世界経済は引き続き安定的に成長しているが、半年前よりリスクは高まっている」。日経新聞とのインタビューで。 --------
10/9 トランプ・米大統領 「(FRBの利上げに)私は気に入らない。そう急ぐ必要はないと思う」「私は低金利が好きだ」ホワイトハウスで。 --------
10/11 トランプ・米大統領 「FRBは制御不能だ」「(利上げは)必要ないというのが私の意見だ。私のほうが彼らよりこの点を分かっていると思う」ホワイトハウスで。 --------
10/13 ムニューシン・米財務長官 「これからの貿易交渉では、どの国とも為替問題を協議していく。日本を例外にすることはしない」G20後に記者団に。 --------
10/14 茂木・経済・再生担当大臣 「日米首脳会談を受けた共同声明でも為替の話はなかった」NHK「日曜討論」で。 --------
10/18 ドラギ・ECB総裁 「EUの財政規律が守られないようなら、全てのEU加盟国に悪影響が及ぶ」講演で。 ユーロドル1.14台前半まで下落
10/23 トランプ・米大統領 FRB議長にパウエル氏を指名したことを後悔しているかとの質問に「発言するのは時期尚早だが、多分そう」「(パウエル議長が)利上げでまるでうれしそうに見える」WSJ紙とのインタビューで。 --------
11/3 トランプ・米大統領 「米国と中国が貿易摩擦解消するための合意に達すると考えており、そうなれば両国に有益だろう」ホワイトハウスで。 株価のマイナス幅が縮小
11/14 パウエル・FRB議長 「あとどれくらい利上げをするのか、今後の利上げのぺースについてわれわれは考えなければならない」ダラスでの公開討論会で。 --------
11/15 ポスティック・アトランタ連銀総裁 「政策の過ちが経済の過熱や不況の引き金になりかねない領域に近づいているため、当局は追加利上げを慎重に進めるべきだ」マドリードの会合で。 --------
11/16 クラリダ・FRB副議長 「米金融当局は、政策決定に際して世界の経済成長を考慮に入れるべき必要があるだろう」CNNとのインタビューで。 ドル円113円台前半から112円台半ばまで下落
11/19 ウィリアムズ・NY連銀総裁 「われわれはあらかじめ設定されたコースを進んでいるわけではない。低インフレの下で力強い米経済を維持することに最善を尽くすため、金融政策のやり方を調整する」NYのイベントで。 --------
11/20 クドロー・米国経済会議(NEC) 米中首脳会談に関して「米国の利益に合致しない限り、合意はない」FOXとのインタビューで。 --------
11/21 マーケット・ニュース・インターナショナル(MNI) 「米金融当局は段階的な金融引き締めについて少なくとも休止する検討を開始しつつあり、来年春にも利上げサイクルを終了させる可能性がある」 市場はドル安・株高で反応
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和