今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2018年11月30日(金) 「米長期金利FOMC議事録を受け急低下」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円はアジア市場の流れを受け、利上げ打ち止め観測を材料に113円19銭まで下落。その後米中首脳会談への楽観的な見方から113円55銭まで値を戻す。
  • ユーロドルは反発。1.14台乗せまでユーロ買い戻しが進む。米中首脳会談を前に、ポジションを縮小する動きと見られる。
  • 株式市場は続伸しプラス圏で推移していたが、引けにかけて値を崩す。ダウは27ドル下落し、S&P500もマイナスで引ける。
  • 債券相場はFOMC議事録を受け反発。長期金利は一時3%を割り込む場面もあったが、3.03%台で引ける。
  • 金は続伸し、原油は反発。
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 10月個人所得 → 0.5%
 10月個人支出 → 0.6%
 10月PCEコアデフレータ → 1.8%
 新規失業保険申請件数 → 23.4万件
 10月中古住宅販売件数成約指数 → −2.6%
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ドル/円 113.19 〜 113.55
ユーロ/ドル 1.1363 〜 1.1402
ユーロ/円 128.80 〜 129.28
NYダウ −27.59 → 25,338.84ドル
GOLD +0.60 → 1,230.40ドル
WTI +1.16 → 51.45ドル
米10年国債 −0.029 → 3.030%

本日の注目イベント

  • 日 10月失業率
  • 日 10月東京都区部消費者物価指数
  • 日 10月鉱工業生産
  • 中 11月製造業PMI(速報値)
  • 中 11月非製造業PMI(速報値)
  • 中 11月コンポジットPMI(速報値)
  • 独 独10月小売売上高
  • 欧 ユーロ圏10月失業率
  • 欧 ユーロ圏11月消費者信物価指数(速報値)
  • 米 11月シカゴ購買部協会景気指数
  • 米 ウィリアムズ・NY連銀総裁講演
  • 加 カナダ7−9月期GDP
  • アルゼンチン G20(ブエノスアイレス、12月1日まで)

前日のパウエルFRB議長の発言で、今後の利上げ回数観測を下方修正しなければならない状況になってきましたが、昨日公表された今月7−8日開催のFOMC議事録でも、漸進的な利上げに関してより柔軟なアプローチが採用されることが示唆されていました。

議事録では、FOMC会合後に発表される声明文について、今後数回の会合で「修正」する必要性が出てくる可能性があると指摘しており、特に、「さらなる漸進的な引き上げ」という部分が想定されているようです。パウエル議長は講演で、「金利は中立をわずかに下回る」と発言しましたが、これでFOMCメンバーの多くが、現在の政策金利の水準が、中立金利に近いとの認識を持っていることが判明したと言えます。もちろん、その場合でも今後の経済データがより重要な判断材料になってきますが、12月の利上げは確実視されている中、来年以降の利上げが不透明になってきました。その鍵を握る一つが、今週土曜日の「米中首脳会談」の結果ということになります。

今朝のブルームバーグは、会談を前にしたトランプ大統領の言葉を伝えています。トランプ氏はホワイトハウスで「中国と何かすることで極めて近い状況であると思う。だが自分がそれをしたいかは分からない。現時点で、関税などの形で米国に何十億ドルも入ってきているからだ」と述べ、さらに「取引する可能性は否定しないが、正直なところ私は現時点での取引が気に入っている」と語っています。同ニュースはさらに事情に詳しい関係者の話として、米国が中国側の譲歩と引き換えに、対中関税の引き上げを遅らせるという「停戦」の可能性が協議の焦点になるとし、ロス商務長官らが明言しているような、さらなる協議に向けた「枠組み」でも合意する可能性があることを紹介しています。少なくとも、この記事を読むと「米中会談」からは、少し早めのクリスマスプレゼントが届くような気がしないでもありません。

ただ一方では、昨日トランプ大統領の指示を受け米通商代表部(USTR)は、中国製自動車の関税引き上げを検討すると発表しました。中国から米国への自動車の輸入はそれほど多くはありませんが、現在、制裁関税を含めて27.5%の関税をかけているものを、40%に引き上げる考えを示しました。米国にとって貿易赤字の多くの部分を占める自動車ですが、この成り行きは来年1月から始まる日米物品貿易協議(TAG)にも影響をあたえそうです。

「米中首脳会談」は、1日(土)ブエノスアイレスで夕食時に行われる予定です。日本時間日曜日の午前中には会談の結果も判明していると思われます。来週月曜日の早朝は、どちらにしても相場は動くと考えておくべきでしょう。本日のレンジは113円〜114円程度を予想します。


仮想通貨「ビットコイン」が急落しています。昨年12月に2万ドル目前まで急騰しましたが、先週末には3500ドル近辺まで下落してきました。1年で8割余り下げたことになります。高値からどこまで下げたら下げ止まるのかという「目安」に、「半値八掛け2割引」という言葉があります。つまり、どんなに下げても高値から68%下げたら止まるということです。8割以上も下げる相場は、もはや相場とは言えないのかもしれません。そう言えば英語でこんな言葉もあります。「Bloody Market」(血だらけの市場)よい週末を・・・・・。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時     発言者     内容   市場への影響   
10/1 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「警報が鳴り響いているとは思わないが、かなり多くの黄信号が点滅していると思う」金融安定に関する質問に答えて。 --------
10/3 パウエル・FRB議長 「金利は依然緩和的だ。中立的な水準へとわれわれは徐々に向かっている。われわれは中立を超えるかもしれない。しかし、現時点では恐らく、中立金利まで長い道のりがある」講演で。 --------
10/4 クドロー・国家経済会議(NEC)委員長 「個人的な見方としてドルは安定しており、着実かつ信頼できる。ムニューシン財務長官も、同じ見解だ」ホワイトハウスで。 --------
10/4 ラガルド・IMF専務理事 「貿易戦争は(経済成長の)機会損出だ。世界経済は引き続き安定的に成長しているが、半年前よりリスクは高まっている」。日経新聞とのインタビューで。 --------
10/9 トランプ・米大統領 「(FRBの利上げに)私は気に入らない。そう急ぐ必要はないと思う」「私は低金利が好きだ」ホワイトハウスで。 --------
10/11 トランプ・米大統領 「FRBは制御不能だ」「(利上げは)必要ないというのが私の意見だ。私のほうが彼らよりこの点を分かっていると思う」ホワイトハウスで。 --------
10/13 ムニューシン・米財務長官 「これからの貿易交渉では、どの国とも為替問題を協議していく。日本を例外にすることはしない」G20後に記者団に。 --------
10/14 茂木・経済・再生担当大臣 「日米首脳会談を受けた共同声明でも為替の話はなかった」NHK「日曜討論」で。 --------
10/18 ドラギ・ECB総裁 「EUの財政規律が守られないようなら、全てのEU加盟国に悪影響が及ぶ」講演で。 ユーロドル1.14台前半まで下落
10/23 トランプ・米大統領 FRB議長にパウエル氏を指名したことを後悔しているかとの質問に「発言するのは時期尚早だが、多分そう」「(パウエル議長が)利上げでまるでうれしそうに見える」WSJ紙とのインタビューで。 --------
11/3 トランプ・米大統領 「米国と中国が貿易摩擦解消するための合意に達すると考えており、そうなれば両国に有益だろう」ホワイトハウスで。 株価のマイナス幅が縮小
11/14 パウエル・FRB議長 「あとどれくらい利上げをするのか、今後の利上げのぺースについてわれわれは考えなければならない」ダラスでの公開討論会で。 --------
11/15 ポスティック・アトランタ連銀総裁 「政策の過ちが経済の過熱や不況の引き金になりかねない領域に近づいているため、当局は追加利上げを慎重に進めるべきだ」マドリードの会合で。 --------
11/16 クラリダ・FRB副議長 「米金融当局は、政策決定に際して世界の経済成長を考慮に入れるべき必要があるだろう」CNNとのインタビューで。 ドル円113円台前半から112円台半ばまで下落
11/19 ウィリアムズ・NY連銀総裁 「われわれはあらかじめ設定されたコースを進んでいるわけではない。低インフレの下で力強い米経済を維持することに最善を尽くすため、金融政策のやり方を調整する」NYのイベントで。 --------
11/20 クドロー・米国経済会議(NEC) 米中首脳会談に関して「米国の利益に合致しない限り、合意はない」FOXとのインタビューで。 --------
11/21 マーケット・ニュース・インターナショナル(MNI) 「米金融当局は段階的な金融引き締めについて少なくとも休止する検討を開始しつつあり、来年春にも利上げサイクルを終了させる可能性がある」 市場はドル安・株高で反応
11/26 トランプ・米大統領 「われわれが取引しなければ、私は2670億ドル相当にも10%から25%の関税を課すことになる」WSJ紙とのインタビュ−で。 --------
11/28 パウエル・FRB議長 「経済にとって中立、すなわち成長を加速も減速もさせない水準に関する幅広い予想レンジをわずかに下回っている」Economic Club NYで。 ドル円114円台から113円半ばへ。NYダウ617ドルの急騰
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和