今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2018年12月3日(月) 「米中首脳会談の結果を受けドル円上昇して始まる」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • 翌日に「米中首脳会談」を控え、ドル円は動きにくい展開に。株価の動きに伴い113円73銭前後まで上昇したものの、米長期金利が低下したことで113円41銭まで売られ、この水準で越週する。
  • ユーロドルは水準を下げ、1.1306まで下落したが、その後1.13台半ばまで戻す。
  • 株式市場は反発。「米中首脳会談」の結果については見方が分かれたものの、買い物が優勢となり、ダウは199ドル上昇。
  • 債券相場は続伸。重要イベントを控え安全資産の債券が買われ、長期金利は2カ月半ぶりに3%の大台を割り込む。
  • 金、原油はともに反落。
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 11月シカゴ購買部協会景気指数 → 66.4
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ドル/円 113.41 〜 113.73
ユーロ/ドル 1.1306 〜 1.1369
ユーロ/円 128.29 〜 129.08
NYダウ +199.62 → 25,538.46ドル
GOLD −4.40 → 1,226.00ドル
WTI −0.52 → 50.93ドル
米10年国債 −0.042 → 2.988%

本日の注目イベント

  • 豪 豪10月住宅建設許可件数
  • 中 11月財新製造業PMI
  • トルコ トルコ11月消費者物価指数
  • 欧 ユーロ圏11月製造業PMI(改定値)
  • 米 11月自動車販売台数
  • 米 11月ISM製造業景況指数
  • 米 カプラン・ダラス連銀総裁講演

世界中が注目した「米中首脳会談」は、直前まで会談の成果を巡る見方が分かれており、個人的には、「何らかの合意があり得る」と予想して いましたが、結果は、来年1月から予定されていた中国への追加関税引き上げが先送りされ、最悪の事態は避けられることになりました。

米国が追加関税を課すことを猶予した形ですが、90日という期限を設け、その間に行われる米中協議で合意がなければ関税引き上げを行うというものです。トランプ大統領はこの会談を「首脳同士によるすばらしい取引だ」と評価し、ホワイトハウスも「大成功だった」との声明を発表しています。また中国側も会談を成功と捉えており、今回の追加関税引き上げ猶予だけではなく、500億ドル分についても取り消す方向で協議するとの認識を持っているようで、会談の成果については米中の間に温度差があるようです。

G20首脳会議でも、貿易や移民、気候変動などの問題で激しい論争が展開されたようですが、首脳宣言では、結局米国の反対で「保護主義と闘う」という文言は削除されて採択されています。おそらく、トランプ大統領にとっては、この部分でも「成功」だったのでしょう。マスコミの論調でも、10年を経た「G20」そのものの存在意義に疑問を投げかける意見も少なくありません。「G20」は、来年からは舞台が「大阪」に移され、議長国は日本になります。今や米国にもっとも親しい国である日本が、果たして保護主義にまい進する米国を「自由主義」の世界に戻るよう説得できるのかどうか、議長国としての手腕が注目されます。

「米中首脳会談」の結果を受け、ドル円は早朝に113円85銭前後まで買われたようです。ひとまず最悪の事態は避けられたということでドル買いが先行していますが、株式市場の方も、会談の結果を好感して上昇するものと予想されます。本日の日経平均株価は200〜400円程度上昇すると見ていますが、その際ドル円がどこまで買われるのか注目です。また今夜のNY市場の動きも気になるところです。先週末のNY株式市場では、「米中首脳会談」に対する見方が錯綜しながらもダウは200ドル余り上昇して取引を終えています。今夜もう一段上昇することができるかどうかも、ドル円が114円台を回復できるかどうかに関係してきます。

本日の予想レンジは113円40銭〜114円20銭程度と見ていますが、世界の投資家がどのような反応を見せるのかどうか注目です。ひとまず円高要因が一つ取り除かれたと思われますが、先週末には米長期金利が3%を割り込むなど、ドルを買い進める材料にも変化が出ています。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時     発言者     内容   市場への影響   
10/1 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「警報が鳴り響いているとは思わないが、かなり多くの黄信号が点滅していると思う」金融安定に関する質問に答えて。 --------
10/3 パウエル・FRB議長 「金利は依然緩和的だ。中立的な水準へとわれわれは徐々に向かっている。われわれは中立を超えるかもしれない。しかし、現時点では恐らく、中立金利まで長い道のりがある」講演で。 --------
10/4 クドロー・国家経済会議(NEC)委員長 「個人的な見方としてドルは安定しており、着実かつ信頼できる。ムニューシン財務長官も、同じ見解だ」ホワイトハウスで。 --------
10/4 ラガルド・IMF専務理事 「貿易戦争は(経済成長の)機会損出だ。世界経済は引き続き安定的に成長しているが、半年前よりリスクは高まっている」。日経新聞とのインタビューで。 --------
10/9 トランプ・米大統領 「(FRBの利上げに)私は気に入らない。そう急ぐ必要はないと思う」「私は低金利が好きだ」ホワイトハウスで。 --------
10/11 トランプ・米大統領 「FRBは制御不能だ」「(利上げは)必要ないというのが私の意見だ。私のほうが彼らよりこの点を分かっていると思う」ホワイトハウスで。 --------
10/13 ムニューシン・米財務長官 「これからの貿易交渉では、どの国とも為替問題を協議していく。日本を例外にすることはしない」G20後に記者団に。 --------
10/14 茂木・経済・再生担当大臣 「日米首脳会談を受けた共同声明でも為替の話はなかった」NHK「日曜討論」で。 --------
10/18 ドラギ・ECB総裁 「EUの財政規律が守られないようなら、全てのEU加盟国に悪影響が及ぶ」講演で。 ユーロドル1.14台前半まで下落
10/23 トランプ・米大統領 FRB議長にパウエル氏を指名したことを後悔しているかとの質問に「発言するのは時期尚早だが、多分そう」「(パウエル議長が)利上げでまるでうれしそうに見える」WSJ紙とのインタビューで。 --------
11/3 トランプ・米大統領 「米国と中国が貿易摩擦解消するための合意に達すると考えており、そうなれば両国に有益だろう」ホワイトハウスで。 株価のマイナス幅が縮小
11/14 パウエル・FRB議長 「あとどれくらい利上げをするのか、今後の利上げのぺースについてわれわれは考えなければならない」ダラスでの公開討論会で。 --------
11/15 ポスティック・アトランタ連銀総裁 「政策の過ちが経済の過熱や不況の引き金になりかねない領域に近づいているため、当局は追加利上げを慎重に進めるべきだ」マドリードの会合で。 --------
11/16 クラリダ・FRB副議長 「米金融当局は、政策決定に際して世界の経済成長を考慮に入れるべき必要があるだろう」CNNとのインタビューで。 ドル円113円台前半から112円台半ばまで下落
11/19 ウィリアムズ・NY連銀総裁 「われわれはあらかじめ設定されたコースを進んでいるわけではない。低インフレの下で力強い米経済を維持することに最善を尽くすため、金融政策のやり方を調整する」NYのイベントで。 --------
11/20 クドロー・米国経済会議(NEC) 米中首脳会談に関して「米国の利益に合致しない限り、合意はない」FOXとのインタビューで。 --------
11/21 マーケット・ニュース・インターナショナル(MNI) 「米金融当局は段階的な金融引き締めについて少なくとも休止する検討を開始しつつあり、来年春にも利上げサイクルを終了させる可能性がある」 市場はドル安・株高で反応
11/26 トランプ・米大統領 「われわれが取引しなければ、私は2670億ドル相当にも10%から25%の関税を課すことになる」WSJ紙とのインタビュ−で。 --------
11/28 パウエル・FRB議長 「経済にとって中立、すなわち成長を加速も減速もさせない水準に関する幅広い予想レンジをわずかに下回っている」Economic Club NYで。 ドル円114円台から113円半ばへ。NYダウ617ドルの急騰
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和