今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2018年12月4日(火) 「米長期金利さらに低下し2.97%台に」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円はアジア市場の水準からは切り上げたものの、上値は113円71銭で限定的だった。経済指標が良好で、株価も上昇したが米長期金利の下落が円買いに作用した。
  • ユーロドルも小動き。1.13台前半から半ばでの動きに終始。
  • 株価は米中首脳会談の結果を好感し続伸。ダウは一時400ドル近く上昇したものの、結局287ドル高で引ける。
  • 債券相場は続伸。長期金利は2.97%台へとさらに低下。
  • 金は13ドル反発し、原油価格も2ドルを超える上昇で、引け値は53ドルに迫る。
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 11月自動車販売台数 → 1740万台
 11月ISM製造業景況指数 → 59.3
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ドル/円 113.45 〜 113.71
ユーロ/ドル 1.1324 〜 1.1363
ユーロ/円 128.56 〜 129.05
NYダウ +287.97 → 25,826.43ドル
GOLD +13.60 → 1,239.60ドル
WTI +2.02 → 52.95ドル
米10年国債 −0.018 → 2.970%

本日の注目イベント

  • 日 11月マネタリーベース
  • 豪 豪7−9月期経常収支
  • 豪 RBA、キャッシュターゲット
  • 欧 ユーロ圏10月生産者物価指数
  • 英 カーニー・BOE総裁議会証言

ドル円は結局、昨日の早朝に記録した113円85銭前後を頂点にゆっくりと下げ、株価が反発したにもかかわらず、113円38銭まで下げ、ここでようやく下げ止っています。この水準はちょうど「雲の下限」(1時間足)に当たり、一旦は下げ止まってもおかしくはない水準でした。NY市場では、米中首脳会談でひとまず貿易戦争の更なる悪化が避けられたことを好感し、株価が続伸したことでドルが買われ、昨日の朝方の水準で戻ってきました。

ドル円はもう少し上値を試す場面があると予想していましたが、その場面は見られず、株価の動きとは連動しませんでした。米国が中国に対する追加関税の引き上げを猶予したものの、90日間という短期間で合意に至らなければ直ちに25%へと引き上げることや、閣僚レベルでの協議を開始するものの、そこで話し合われる5分野で合意するにも、ハードルが高く、そう簡単ではないといった見方が、ドル円の上値を抑えた可能性があります。株価の方は素直に反応したものの、ドル円は円高リスクが先送りされただけといった印象も残ります。

5分野の中でも特に注目されているのが「知的財産権の侵害」に関する分野ですが、今朝の報道では、この分野での米中の合意は近いようです。ホワイトハウスのクドロー国家経済会議(NEC)委員長は3日、中国による知的財産権の侵害をやめさせることで米中両国は合意に「かなり近づいている」と述べています。クドロー委員長はまた、中国が米国からの輸入自動車への関税を「ゼロ」にすると予想しているとも述べています。(ブルームバーグ)

中国は輸入自動車全般に15%の関税を課していますが、トランプ政権への対中関税への報復措置として、現在米国製自動車に対する関税率を40%に引き上げています。この税率を「ゼロ」にすることで合意するようですが、中国における米国車の販売は304万台弱で、シエアは12.3%(2017年度)です。中国の自動車販売は米国を抜き、今や世界で段突に1位です。2017年度の販売台数は2800万台を超えており、米国よりも1千万台以上も多いことになります。民族系が43.9%のシエアを握り、続いてドイツ車が多いようで、日本車のシエアは17%程度と第3位になっています。(中国汽車工業会発表資料より)

ドル円は今日も113円での推移が予想され、上にも下にも行きにくい展開です。明日のパウエル議長の議会証言や、週末の雇用統計が材料になる可能性はありますが、それでも動きは鈍く、緩やかな展開が続きそうです。本日のドル円レンジは113円20銭〜114円程度を予想します。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時     発言者     内容   市場への影響   
11/3 トランプ・米大統領 「米国と中国が貿易摩擦解消するための合意に達すると考えており、そうなれば両国に有益だろう」ホワイトハウスで。 株価のマイナス幅が縮小
11/14 パウエル・FRB議長 「あとどれくらい利上げをするのか、今後の利上げのぺースについてわれわれは考えなければならない」ダラスでの公開討論会で。 --------
11/15 ポスティック・アトランタ連銀総裁 「政策の過ちが経済の過熱や不況の引き金になりかねない領域に近づいているため、当局は追加利上げを慎重に進めるべきだ」マドリードの会合で。 --------
11/16 クラリダ・FRB副議長 「米金融当局は、政策決定に際して世界の経済成長を考慮に入れるべき必要があるだろう」CNNとのインタビューで。 ドル円113円台前半から112円台半ばまで下落
11/19 ウィリアムズ・NY連銀総裁 「われわれはあらかじめ設定されたコースを進んでいるわけではない。低インフレの下で力強い米経済を維持することに最善を尽くすため、金融政策のやり方を調整する」NYのイベントで。 --------
11/20 クドロー・米国経済会議(NEC) 米中首脳会談に関して「米国の利益に合致しない限り、合意はない」FOXとのインタビューで。 --------
11/21 マーケット・ニュース・インターナショナル(MNI) 「米金融当局は段階的な金融引き締めについて少なくとも休止する検討を開始しつつあり、来年春にも利上げサイクルを終了させる可能性がある」 市場はドル安・株高で反応
11/26 トランプ・米大統領 「われわれが取引しなければ、私は2670億ドル相当にも10%から25%の関税を課すことになる」WSJ紙とのインタビュ−で。 --------
11/28 パウエル・FRB議長 「経済にとって中立、すなわち成長を加速も減速もさせない水準に関する幅広い予想レンジをわずかに下回っている」Economic Club NYで。 ドル円114円台から113円半ばへ。NYダウ617ドルの急騰
12/1 トランプ・米大統領 「首脳同士によるすばらしい取引だ」米中首脳会談を終えて。 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和