今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2018年12月6日(木) 「ドル円113円を挟みもみ合い」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • 株式・債券市場が休みだったためドル円は小動き。前日112円台半ばまで売られたドル円は反発し113円24銭前後まで買い戻しが進む。米中貿易問題を巡りトランプ大統領が、好感触だとツイートしたことが材料に。
  • ユーロドルは英国のEU離脱を巡り英議会が混乱していることを手がかりに、1.1312まで下落。
  • 株式・債券市場は、ブッシュ元大統領の「国民追悼の日」のため休場。
  • 金、原油はともに小幅に下落。
ドル/円 112.98 〜 113.24
ユーロ/ドル 1.1312 〜 1.1361
ユーロ/円 128.02 〜 128.49
NYダウ ------ → 25,027.27ドル
GOLD −4.00 → 1,242.60ドル
WTI −0.36 → 52.89ドル
米10年国債 ------- → 2.914%

本日の注目イベント

  • 豪 豪10月貿易収支
  • 豪 豪10月小売売上高
  • 米 10月貿易収支
  • 欧 OPEC総会(ウイーン)
  • 米 新規失業保険申請件数
  • 加 カナダ10月貿易収支
  • 加 カナダ11月就業者数
  • 加 カナダ8月失業率

昨日のNY市場は、株式と債券市場が急遽休みとなったため為替市場も静かな動きでした。先日亡くなったブッシュ元大統領(父)の「国民追悼の日」ということで、予定されていたパウエルFRB議長の議会証言も中止され、ADP雇用者数などの経済指標発表も延期されました。米国大統領の死去に伴う「国葬」は、今回のブッシュ(父)氏の前は、果たして誰だったのか、いまいち思い出せませんが、もしかしたら「ロナルド・レーガン」だったのかもしれません・・・・・・。

前日800ドルも下げたNYダウの影響で、昨日の日経平均株価も大きく下げるのではとの予想もありましたが、結果は116円安と、小幅安で取引を終えました。もっとも、日経平均株価は、NYダウに先行する形でその前日に500円を超える下げを演じていたため、この程度の下げで済んだのは当然とも言えます。日本株の下落が思ったほど進まなかったことで、ドル円も113円台に乗せる場面もあり、ひとまず米国株急落に伴う「リスク回避」の円買いの勢いにブレイキがかかった格好です。

米中首脳会談を終えた中国がさっそく行動を起こし、米国から大豆とLNGを輸入すると発表しました。また中国商務省は「明確なスケジュールに沿って、積極的に交渉を進める」との発表もしており、90日以内に米国との通商協議を前進させることを表明しました。これに対してトランプ大統領は、「中国からとても強いシグナルが送られている」とツイートし、「青臭い発言に取らないでほしいが、私と長い会談で習近平国家主席が語った全ての言葉を信じている。歴史的な会談だったと願う」と、続けています。(ブルームバーグ)

米国と中国は「知的財産権の侵害問題」を含めて、今後5分野にわたり協議を開始することになっていますが市場の見方は、それぞれハードルが高く、90日間で合意に達するのは難しいと予想しています。この交渉役のトップに、トランプ大統領がライトハイザー米通商代表部(USTR)代表を指名したことも、ハードルを高くしたと見られています。同氏は中国に対する強硬派として知られており、米国側を納得させるのはそう簡単ではないはずです。

本日のドル円は112円50銭〜113円50銭程度を予想します。4日に800ドルも下げたNYダウでしたが、昨日休場ということで、冷静さを取り戻し、株価が反発する可能性もないとはいえません。休場明け今夜の、米株式・債券市場の動きが重要です。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時     発言者     内容   市場への影響   
11/3 トランプ・米大統領 「米国と中国が貿易摩擦解消するための合意に達すると考えており、そうなれば両国に有益だろう」ホワイトハウスで。 株価のマイナス幅が縮小
11/14 パウエル・FRB議長 「あとどれくらい利上げをするのか、今後の利上げのぺースについてわれわれは考えなければならない」ダラスでの公開討論会で。 --------
11/15 ポスティック・アトランタ連銀総裁 「政策の過ちが経済の過熱や不況の引き金になりかねない領域に近づいているため、当局は追加利上げを慎重に進めるべきだ」マドリードの会合で。 --------
11/16 クラリダ・FRB副議長 「米金融当局は、政策決定に際して世界の経済成長を考慮に入れるべき必要があるだろう」CNNとのインタビューで。 ドル円113円台前半から112円台半ばまで下落
11/19 ウィリアムズ・NY連銀総裁 「われわれはあらかじめ設定されたコースを進んでいるわけではない。低インフレの下で力強い米経済を維持することに最善を尽くすため、金融政策のやり方を調整する」NYのイベントで。 --------
11/20 クドロー・米国経済会議(NEC) 米中首脳会談に関して「米国の利益に合致しない限り、合意はない」FOXとのインタビューで。 --------
11/21 マーケット・ニュース・インターナショナル(MNI) 「米金融当局は段階的な金融引き締めについて少なくとも休止する検討を開始しつつあり、来年春にも利上げサイクルを終了させる可能性がある」 市場はドル安・株高で反応
11/26 トランプ・米大統領 「われわれが取引しなければ、私は2670億ドル相当にも10%から25%の関税を課すことになる」WSJ紙とのインタビュ−で。 --------
11/28 パウエル・FRB議長 「経済にとって中立、すなわち成長を加速も減速もさせない水準に関する幅広い予想レンジをわずかに下回っている」Economic Club NYで。 ドル円114円台から113円半ばへ。NYダウ617ドルの急騰
12/1 トランプ・米大統領 「首脳同士によるすばらしい取引だ」米中首脳会談を終えて。 --------
12/3 クドロー・米国経済会議(NEC) 「現時点で私はこれを(公約)と呼ぼう。公約は必ずしも貿易合意ではないが、中国側が検討し、恐らく実行するものだ」ホワイトハウスの公式ブリーフィングで。 --------
12/4 ウィリアムズ・NY連銀総裁 「パウエル議長が述べたことと完全に一致していると思うが、米経済は強いが地平線上に(ある程度の)リスクは確実に存在するというのが私の見解だ」記者会見で。 --------
12/5 トランプ・米大統領 中国からとても強いシグナルが送られている」米中首脳会談を終え数日後に。 ドル円は小幅に上昇
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和