2018年12月18日(火) 「NYダウ500ドルを超える続落」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は113円台を割り込み112円69銭まで下落。米株式市場で株価が大幅に続落したことや、低調な経済指標が発表されたことで、来年以降の利上げ観測が後退したことが材料に。
- ユーロドルも買い戻しが優勢になったものの小動き。ユーロドルは1.1358まで上昇。
- 株式市場は大幅に続落。世界景気の鈍化予測やNY製造業景況指数が予想を大きく下回ったことなどが売り材料に。ダウは一時640ドルを超える下落を見せたが、引け値は507ドル安で2万4000ドルの大台を大きく割り込む。
- 株価の大幅下落から債券価格は上昇。長期金利は2.85%台まで低下。
- 金はドル安の影響から10ドルを超える上昇、原油は大幅に続落し、50ドルを割り込む。
12月NY連銀製造業景況指数 → 10.9
12月NAHB住宅市場指数 → 56
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| ドル/円 | 112.69 〜 113.26 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1330 〜 1.1358 |
| ユーロ/円 | 127.86 〜 128.48 |
| NYダウ | −507.53 → 23,592.98ドル |
| GOLD | +10.40 → 1,251.80ドル |
| WTI | −1.32 → 49.88ドル |
| 米10年国債 | −0.032 → 2.857% |
本日の注目イベント
- 豪 RBA金融政策会合議事録
- 独 独12月ifo景況感指数
- 米 11月住宅着工件数
- 米 11月建設許可件数
先週金曜日に約500ドルの大幅下落に見舞われ、週明けの日本株がその影響でどこまで下げるのか見守っていましたが、昨日の日経平均株価は寄りつきからプラスで始まり、ザラ場では150円ほど上昇する場面もありました。「ひょっとすると、日本株主導で株安連鎖が止まるかもしれない」との期待も膨らみ、ドル円も113円53銭前後まで上昇しました。
ところが、一夜明けたら事態はさらに悪化していました。NYダウは一時640ドルを超える下げを見せ、引け値では507ドル安と、下げ幅を縮小しましたが、2日間で1000ドルを超える下落です。やはり世界の株価のトレンドを決めるのはNY市場だということを、改めて知らされたことになりますが、粘り腰を見せ、113円台を維持していたドル円もさすがに「リスクオフの円買い」に押されて、112円69銭辺りまで売られ、1週間ぶりの円高水準をつけています。
株価の大幅続落は、世界経済の鈍化傾向を織り込み、貿易や地政学的緊張、さらには米政府機関閉鎖の可能性が材料として挙げられていますが、どれも決定的ではなく、いやな雰囲気です。株式市場ではプログロム売買が盛んで、「下げればさら売りが出る」といった状況になりやすいのはわかりますが、クリスマス休暇を前に、ファンドマネージャーは休暇どころではないのかもしれません。株式市場は、景気や世の中の動きに先行すると言われています。プログラム売買の後ろには「AI」(人工知能)がいますが、このタイミングで1000ドルを超える下げを演じた「AI」は、一体何を暗示しているのでしょうか?
昨日粘り腰を見せたドル円でしたが、さすがに株価の2日連続の暴落では売られます。それでも株価の動きに比べれば「小動き」と言えますが、注目は今日日本株が大きく下げた際に、どこまで売られるのかという点です。これまでの緩やかな動きを考えれば、それほど急激な円高はないのかもしれませんが、日経平均株価が500円を超える下げに転じた場合には、先週記録した112円24銭をテストすることもあるかもしれません。下値のメドとしては、「日足の雲の下限」である112円45銭前後と、これまでに2度試して抜け切れていない112円23−24銭近辺ということになります。直ぐには考えにくいとは思いますが、112円を割り込むようだと、市場のセンチメントも一変するかもしれません。
本日から今年最後のFOMCが開催されます。市場のコンセンサスは「今年4度目となる利上げ」です。FOMCを前にトランプ大統領は再び利上げを批判しました。トランプ氏は「ドルはとても強く、インフレは事実上存在せず、米国以外の世界は荒れている。パリは燃え、中国は急降下だ。米金融当局がまた金利を上げようと検討しているだけでも、信じがたい。勝利をつかめ!」とツイッターに投稿しました。ドルが強いのは事実ですが、昨日発表されたNY連銀製造業景況指数は1年半ぶりの低水準でした。今後景気の鈍化は米国にも波及する可能性もあり、急降下している中国の震源地はトランプ氏自身であることを認識していないようです。
本日のドル円は112円20銭〜113円20銭程度を予想しますが、早朝の動きを見ていると、予想以上に底堅いようにも思えます。
What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 11/3 | トランプ・米大統領 | 「米国と中国が貿易摩擦解消するための合意に達すると考えており、そうなれば両国に有益だろう」ホワイトハウスで。 | 株価のマイナス幅が縮小 |
| 11/14 | パウエル・FRB議長 | 「あとどれくらい利上げをするのか、今後の利上げのぺースについてわれわれは考えなければならない」ダラスでの公開討論会で。 | -------- |
| 11/15 | ポスティック・アトランタ連銀総裁 | 「政策の過ちが経済の過熱や不況の引き金になりかねない領域に近づいているため、当局は追加利上げを慎重に進めるべきだ」マドリードの会合で。 | -------- |
| 11/16 | クラリダ・FRB副議長 | 「米金融当局は、政策決定に際して世界の経済成長を考慮に入れるべき必要があるだろう」CNNとのインタビューで。 | ドル円113円台前半から112円台半ばまで下落 |
| 11/19 | ウィリアムズ・NY連銀総裁 | 「われわれはあらかじめ設定されたコースを進んでいるわけではない。低インフレの下で力強い米経済を維持することに最善を尽くすため、金融政策のやり方を調整する」NYのイベントで。 | -------- |
| 11/20 | クドロー・米国経済会議(NEC) | 米中首脳会談に関して「米国の利益に合致しない限り、合意はない」FOXとのインタビューで。 | -------- |
| 11/21 | マーケット・ニュース・インターナショナル(MNI) | 「米金融当局は段階的な金融引き締めについて少なくとも休止する検討を開始しつつあり、来年春にも利上げサイクルを終了させる可能性がある」 | 市場はドル安・株高で反応 |
| 11/26 | トランプ・米大統領 | 「われわれが取引しなければ、私は2670億ドル相当にも10%から25%の関税を課すことになる」WSJ紙とのインタビュ−で。 | -------- |
| 11/28 | パウエル・FRB議長 | 「経済にとって中立、すなわち成長を加速も減速もさせない水準に関する幅広い予想レンジをわずかに下回っている」Economic Club NYで。 | ドル円114円台から113円半ばへ。NYダウ617ドルの急騰 |
| 12/1 | トランプ・米大統領 | 「首脳同士によるすばらしい取引だ」米中首脳会談を終えて。 | -------- |
| 12/3 | クドロー・米国経済会議(NEC) | 「現時点で私はこれを(公約)と呼ぼう。公約は必ずしも貿易合意ではないが、中国側が検討し、恐らく実行するものだ」ホワイトハウスの公式ブリーフィングで。 | -------- |
| 12/4 | ウィリアムズ・NY連銀総裁 | 「パウエル議長が述べたことと完全に一致していると思うが、米経済は強いが地平線上に(ある程度の)リスクは確実に存在するというのが私の見解だ」記者会見で。 | -------- |
| 12/5 | トランプ・米大統領 | 中国からとても強いシグナルが送られている」米中首脳会談を終え数日後に。 | ドル円は小幅に上昇 |
| 12/11 | トランプ・米大統領 | FRBが利上げをすれば「それは愚かなことだと思うが、私に何が言えよう」ホワイトハウスでロイター通信とのインタビューで。 | ドル円は小幅に下落したが限定的 |
| 12/12 | ドラギ・ECB総裁 | 「リスクは依然としておおむね均衡しているものの、下方向に向かいつつある」(金利は)「少なくとも2019年夏の終わりまで据え置く」理事会後の記者会見で。 | ユーロドル下落。 |
| 12/17 | トランプ・米大統領 | 「ドルはとても強く、インフレは事実上存在せず、米国以外の世界は荒れている。パリは燃え、中国は急降下だ。米金融当局がまた金利を上げようと検討しているだけでも、信じがたい。勝利をつかめ!」FOMCを前に。 | -------- |



