今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2018年12月26日(水) 「ドル円株価の大幅下落に110円まで売られる」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • 海外市場はNYを含め全て休場。
ドル/円 ----- 〜 -----
ユーロ/ドル ----- 〜 -----
ユーロ/円 ----- 〜 -----
NYダウ ----- → 21,792.20ドル
GOLD ----- → 1,271.80ドル
WTI ----- → 42.53ドル
米10年国債 ----- → 2.738%

本日の注目イベント

  • 日 日銀金融政策決定会合、議事要旨
  • 日 黒田日銀総裁講演(経団連審議会)
  • 米 10月ケース・シラ−住宅価格指数
  • 米 12月リッチモンド連銀製造業指数

ザラ場での日経平均株価1000円安は想定したものの、引け値で1000円を超えた株価には、個人投資家の多くが驚いたものと思います。NY株の大幅安が引き金とは言え、下落率を見ると、震源地のNY株よりも大きいという現実。日本株の弱さを感じざるを得ません。

引け値は1010円安の1万9155円と、2万円の大台などあっさりと割り込み、1万9000円割れも意識された展開でした。この日のほぼ最安値で引けたのと歩調を合わせるように、ドル円も110円前後まで円高が進みました。こちらは8月21日以来となる円高水準です。昨日は東京市場が終わると、クリスマスのため取引を行っている市場はなく、その後の動きはほぼ「ポジション調整」がメインで、動きはありません。問題は本日から今週末までの動きがどのようなものになるのかといった点です。株安が止まらないとすれば、ドル円の110円割れは必至でしょうが、急激な株価の下落に、売り方にも警戒感が出ているのも事実だろうと思います。ただ、「もはや売られすぎという言葉では説明がつかない」といった専門家の言葉も聴かれます。今後どこまで下げるかはわかりませんが、仮に下げ止まっても、日経平均株価が2万4000円台を再び回復するのには相当な時間が必要かと思います。来年は景気が悪化するのはほぼ間違いないところで、既に企業業績予想も今年に比べて減収減益が見込まれています。

昨日の株価の大幅安を巡って、新聞テレビではその原因を探る特集が目立ちました。米中貿易問題を根底に、米金利の「逆イールド」、ファーウェイのCFO逮捕、そして、FOMCでの利上げなどがその根拠として挙げられていましたが、最も基本にあるのが「トランプ政権の迷走」ではないかと思います。昨日は、マティス国防長官の辞任に続き、側近のムニューシン財務長官を、株価暴落の責任を取らせる形で解任するのではとの観測も流れていました。

トランプ大統領は今朝のニュースでも、昨日ホワイトハウスで記者団からパウエル議長について問われ、こんなコメントをしています。「当局の利上げペースは速すぎる。それが私の意見だ。信頼しているのは確かだ。状況は是正されると思う。彼らが速すぎるペースで金利を上げているのは、経済がとても良好だと考えているからだ。しかしもうすぐ理解するだろう。つまり実際、経済があまりにも良好なので彼らは金利を引き上げた。それは安全のひとつの形だ」と語っています。(ブルームバーグ)またムニューシン財務長官についても「とても才能のある男。とても賢い人物だ」とたたえています。

ドル円は、110円の大台をテストした形になっていますが、これは東京市場単独の動きで、このレベルが本当に底堅いのかどうかは不明です。本日も英国系のオーストラリアやニュージランド、それに欧州の主要国は休みです。メインの市場は日本と米国だけということになるため、本格的な動きは今夜からということになります。110円が維持できるかという点と、もちろんその前段階として株価の動きがその方向を決めると見ています。心配なのは、株価が反発せず、ドル円も110円台前半で推移し年を越してしまうと、来年は海外市場が2日から取引を始め、日本勢不在の中、ドル円が売られてしまう状況です。日本勢が本格的に動きは始める4日にはもう「雇用統計」が発表されます。例年になく金融市場からは目が離せない年末年始になりそうです。本日の予想レンジは109円80銭〜110円70銭程度でしょうか。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時     発言者     内容   市場への影響   
11/3 トランプ・米大統領 「米国と中国が貿易摩擦解消するための合意に達すると考えており、そうなれば両国に有益だろう」ホワイトハウスで。 株価のマイナス幅が縮小
11/14 パウエル・FRB議長 「あとどれくらい利上げをするのか、今後の利上げのぺースについてわれわれは考えなければならない」ダラスでの公開討論会で。 --------
11/15 ポスティック・アトランタ連銀総裁 「政策の過ちが経済の過熱や不況の引き金になりかねない領域に近づいているため、当局は追加利上げを慎重に進めるべきだ」マドリードの会合で。 --------
11/16 クラリダ・FRB副議長 「米金融当局は、政策決定に際して世界の経済成長を考慮に入れるべき必要があるだろう」CNNとのインタビューで。 ドル円113円台前半から112円台半ばまで下落
11/19 ウィリアムズ・NY連銀総裁 「われわれはあらかじめ設定されたコースを進んでいるわけではない。低インフレの下で力強い米経済を維持することに最善を尽くすため、金融政策のやり方を調整する」NYのイベントで。 --------
11/20 クドロー・米国経済会議(NEC) 米中首脳会談に関して「米国の利益に合致しない限り、合意はない」FOXとのインタビューで。 --------
11/21 マーケット・ニュース・インターナショナル(MNI) 「米金融当局は段階的な金融引き締めについて少なくとも休止する検討を開始しつつあり、来年春にも利上げサイクルを終了させる可能性がある」 市場はドル安・株高で反応
11/26 トランプ・米大統領 「われわれが取引しなければ、私は2670億ドル相当にも10%から25%の関税を課すことになる」WSJ紙とのインタビュ−で。 --------
11/28 パウエル・FRB議長 「経済にとって中立、すなわち成長を加速も減速もさせない水準に関する幅広い予想レンジをわずかに下回っている」Economic Club NYで。 ドル円114円台から113円半ばへ。NYダウ617ドルの急騰
12/1 トランプ・米大統領 「首脳同士によるすばらしい取引だ」米中首脳会談を終えて。 --------
12/3 クドロー・米国経済会議(NEC) 「現時点で私はこれを(公約)と呼ぼう。公約は必ずしも貿易合意ではないが、中国側が検討し、恐らく実行するものだ」ホワイトハウスの公式ブリーフィングで。 --------
12/4 ウィリアムズ・NY連銀総裁 「パウエル議長が述べたことと完全に一致していると思うが、米経済は強いが地平線上に(ある程度の)リスクは確実に存在するというのが私の見解だ」記者会見で。 --------
12/5 トランプ・米大統領 中国からとても強いシグナルが送られている」米中首脳会談を終え数日後に。 ドル円は小幅に上昇
12/11 トランプ・米大統領 FRBが利上げをすれば「それは愚かなことだと思うが、私に何が言えよう」ホワイトハウスでロイター通信とのインタビューで。 ドル円は小幅に下落したが限定的
12/12 ドラギ・ECB総裁 「リスクは依然としておおむね均衡しているものの、下方向に向かいつつある」(金利は)「少なくとも2019年夏の終わりまで据え置く」理事会後の記者会見で。 ユーロドル下落
12/17 トランプ・米大統領 「ドルはとても強く、インフレは事実上存在せず、米国以外の世界は荒れている。パリは燃え、中国は急降下だ。米金融当局がまた金利を上げようと検討しているだけでも、信じがたい。勝利をつかめ!」FOMCを前に。 --------
12/18 トランプ・米大統領 「FOMCの出席者はまた誤りを犯す前に、本日のウォール・ストリート・ジャーナル社説を読んだ方がいいだろう」「市場の流動性をこれ以上引き締めるべきではない。500億ドルなどやめろ。相場を感じ、意味のない数字にとらわれるな。幸運を祈る」FOMCを前に。 --------
12/18 ムニューシン・米財務長官 「ドルが強い理由の一部は人々の米国経済への見解や、世界の他の国々の成長と比較した米経済の成長にある」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
12/19 FOMC声明文 「連邦準備法に定める責務に従い、委員会は最大限の雇用確保と物価安定の促進を目指す。委員会は、FF金利目標レンジを漸進的にさらに幾分か引き上げることが、経済活動の持続的拡大、力強い労働市場環境、およびインフレ率が中期的に委員会の対称的な2%目標付近で推移することと合致すると判断している」 予想より「ハト派的ではない」と受け止められて大幅な株安に
12/24 トランプ・米大統領 「米国経済が抱える唯一の問題はFRBだ。相場感覚がなく、必要不可欠な貿易戦争のほか、ドル高、国境問題により民主党が政府機関を閉鎖したことすら理解していない」株価の暴落を受けて。 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和