2018年12月27日(木) 「ダウ記録的な上昇でドル円111円台を回復」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は急反発。株価が大きく上昇し、ダウは1000ドルを超える反発を見せたことでドル円も111円台を回復。111円41銭までドル高が進み、高値圏で引ける。
- ユーロドルもドル高の流れの中下落。1.1342までユーロが売られ、10日ぶりのユーロ安水準をつける。
- 株式市場は好材料が揃い急上昇。ダウは1086ドル上昇し、上昇幅は過去最大に。ナスダックも361ポイント上昇し全面高に。
- 債券相場は大きく下落。長期金利は2.8%台まで上昇。
- 金は続伸。原油価格も大幅に反発し46ドル台に乗せる。
10月ケース・シラ−住宅価格指数 → 5.0%
12月リッチモンド連銀製造業指数 → −8
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| ドル/円 | 110.29 〜 111.41 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1342 〜 1.1414 |
| ユーロ/円 | 125.85 〜 126.45 |
| NYダウ | 1,086.25 → 22,878.45ドル |
| GOLD | +1.20 → 1,273.00ドル |
| WTI | +3.60 → 46.22ドル |
| 米10年国債 | +0.070 → 2.800% |
本日の注目イベント
- 中 中国 11月工業生産
- 欧 ECB月報
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 10月FHFA住宅価格指数
- 米 11月新築住宅販売件数
- 米 12月消費者信頼感指数
ドル円は111円台を回復し、111円41銭まで反発しました。予想外の展開でしたが、久しぶりにこれだけ好材料が揃い株価が急反発すればドルが買い戻されるのはやむを得ないところです。問題は、これでドル円も株価も底値を見たのかどうかを確認しなければならないということです。個人的には言えば答えは「ノー」です。ドルも株も大きく売られたところに、好材料が揃ったことで買い戻されただけのことと考えます。同時に、ドル円もこれまでのような緩やかな動きから、ボラも出て、値幅を伴う荒っぽい動きになりそうで、来年の動きを暗示しているように思われます。
それにしても好材料が揃いました。ハセット米大統領経済諮問委員会(CEA)委員長は26日、パウエル氏のFRB議長ポストは安全かとの記者からの質問に対して「もちろん、100%だ」と答え、「パウエル氏更迭」の火消しを行った形でした。ハッセット委員長はまた、ムニューシン財務長官の辞任に関しても否定したようです。株価が連日大幅に下げている状況の中、金融政策のトップが辞任するようなことになれば、さらに株価が下落するリスクもあり、現段階でこのように辞任を否定する発言を行うことは当然と言えば当然です。
さらに好材料は続きます。アマゾン・ドットコムは26日の発表資料で、今年のホリデーシーズンは極めて好調で、有料会員サービスの「プライム」の利用により無料で配送された商品は、米国だけでも10億アイテムを超えたと伝えています。また、マスターカードはホリデーシーズン(11月1日〜12月24日)の売上高が5.1%増の8500億ドル(約94兆円)を超え、この伸び率はここ6年で最大だったと発表しました。マスターカード・スペンディングパルスによると、オンライン売上高は前年比19%増加したようです。(ブルームバーグ)米国の個人消費は依然好調であることが確認され、この日の株式市場では小売セクターが大きく買い戻されています。
米中貿易問題でもやや進展が見られました。米政府代表団は来年1月7日からの週に中国当局者との貿易協議のため訪中するとブームバーグは報じています。代表団は米通商代表部(USTR)のゲリッシュ次席代表がトップを務め、国際問題担当のマルパス財務次官も参加予定のようです。
これら好材料に株価は大きく反応しました。ダウは前日比1086ドル上昇し、値上がり幅は「過去最大」です。大きく売り込まれていたナスダックも361ポイント上昇し、上昇率はダウを上回る5.8%を記録し、全面高の様相です。株価の急反発を受けて、リスクオフの流れが急速に後退し、安全資産の債券は売られ、金利が上昇したことでドル円を押し上げました。昨日はリスク資産の原油も大きく買い戻され、前日比3ドル69セント上昇しています。
今回のドルの下落は113円50銭前後から始まったとすれば、110円までの下げの38.2%戻しが111円34銭近辺となり、この水準をクリアした形です。半値戻しは111円75銭辺りとなり、ここには日足の「転換線」もあります。米中貿易問題やトランプ政権の迷走など、今後もドルの上値を抑える状況にはなっていますが、テクニカルでは「分水嶺」に立っていると言えます。一目均衡表では「日足」では上昇トレンドが完全に崩れていますが、移動平均線を見ると、長期線(200日)が最も下方にあり、その上に中期線(120日)、さらに一番上に短期線(52日)と並んでおり、短期線の方向が上昇から下落方向に変化はしているものの、まだ3本の位置は変わっておらず、ここでは上昇トレンドが継続していると言えます。また「週足」では、依然として「雲」が下落を抑える形になっています。
ドルの上値は重くなってきたものの、まだ100%下値目線で構えるわけにはいかず、6:4で、下落を意識するといったところでしょうか。本日は日本株も1000円を超える上昇が見られるかもしれません。レンジは110円80銭〜111円80銭程度を予想します。
What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 11/3 | トランプ・米大統領 | 「米国と中国が貿易摩擦解消するための合意に達すると考えており、そうなれば両国に有益だろう」ホワイトハウスで。 | 株価のマイナス幅が縮小 |
| 11/14 | パウエル・FRB議長 | 「あとどれくらい利上げをするのか、今後の利上げのぺースについてわれわれは考えなければならない」ダラスでの公開討論会で。 | -------- |
| 11/15 | ポスティック・アトランタ連銀総裁 | 「政策の過ちが経済の過熱や不況の引き金になりかねない領域に近づいているため、当局は追加利上げを慎重に進めるべきだ」マドリードの会合で。 | -------- |
| 11/16 | クラリダ・FRB副議長 | 「米金融当局は、政策決定に際して世界の経済成長を考慮に入れるべき必要があるだろう」CNNとのインタビューで。 | ドル円113円台前半から112円台半ばまで下落 |
| 11/19 | ウィリアムズ・NY連銀総裁 | 「われわれはあらかじめ設定されたコースを進んでいるわけではない。低インフレの下で力強い米経済を維持することに最善を尽くすため、金融政策のやり方を調整する」NYのイベントで。 | -------- |
| 11/20 | クドロー・米国経済会議(NEC) | 米中首脳会談に関して「米国の利益に合致しない限り、合意はない」FOXとのインタビューで。 | -------- |
| 11/21 | マーケット・ニュース・インターナショナル(MNI) | 「米金融当局は段階的な金融引き締めについて少なくとも休止する検討を開始しつつあり、来年春にも利上げサイクルを終了させる可能性がある」 | 市場はドル安・株高で反応 |
| 11/26 | トランプ・米大統領 | 「われわれが取引しなければ、私は2670億ドル相当にも10%から25%の関税を課すことになる」WSJ紙とのインタビュ−で。 | -------- |
| 11/28 | パウエル・FRB議長 | 「経済にとって中立、すなわち成長を加速も減速もさせない水準に関する幅広い予想レンジをわずかに下回っている」Economic Club NYで。 | ドル円114円台から113円半ばへ。NYダウ617ドルの急騰 |
| 12/1 | トランプ・米大統領 | 「首脳同士によるすばらしい取引だ」米中首脳会談を終えて。 | -------- |
| 12/3 | クドロー・米国経済会議(NEC) | 「現時点で私はこれを(公約)と呼ぼう。公約は必ずしも貿易合意ではないが、中国側が検討し、恐らく実行するものだ」ホワイトハウスの公式ブリーフィングで。 | -------- |
| 12/4 | ウィリアムズ・NY連銀総裁 | 「パウエル議長が述べたことと完全に一致していると思うが、米経済は強いが地平線上に(ある程度の)リスクは確実に存在するというのが私の見解だ」記者会見で。 | -------- |
| 12/5 | トランプ・米大統領 | 中国からとても強いシグナルが送られている」米中首脳会談を終え数日後に。 | ドル円は小幅に上昇 |
| 12/11 | トランプ・米大統領 | FRBが利上げをすれば「それは愚かなことだと思うが、私に何が言えよう」ホワイトハウスでロイター通信とのインタビューで。 | ドル円は小幅に下落したが限定的 |
| 12/12 | ドラギ・ECB総裁 | 「リスクは依然としておおむね均衡しているものの、下方向に向かいつつある」(金利は)「少なくとも2019年夏の終わりまで据え置く」理事会後の記者会見で。 | ユーロドル下落 |
| 12/17 | トランプ・米大統領 | 「ドルはとても強く、インフレは事実上存在せず、米国以外の世界は荒れている。パリは燃え、中国は急降下だ。米金融当局がまた金利を上げようと検討しているだけでも、信じがたい。勝利をつかめ!」FOMCを前に。 | -------- |
| 12/18 | トランプ・米大統領 | 「FOMCの出席者はまた誤りを犯す前に、本日のウォール・ストリート・ジャーナル社説を読んだ方がいいだろう」「市場の流動性をこれ以上引き締めるべきではない。500億ドルなどやめろ。相場を感じ、意味のない数字にとらわれるな。幸運を祈る」FOMCを前に。 | -------- |
| 12/18 | ムニューシン・米財務長官 | 「ドルが強い理由の一部は人々の米国経済への見解や、世界の他の国々の成長と比較した米経済の成長にある」ブルームバーグとのインタビューで。 | -------- |
| 12/19 | FOMC声明文 | 「連邦準備法に定める責務に従い、委員会は最大限の雇用確保と物価安定の促進を目指す。委員会は、FF金利目標レンジを漸進的にさらに幾分か引き上げることが、経済活動の持続的拡大、力強い労働市場環境、およびインフレ率が中期的に委員会の対称的な2%目標付近で推移することと合致すると判断している」 | 予想より「ハト派的ではない」と受け止められて大幅な株安に |
| 12/24 | トランプ・米大統領 | 「米国経済が抱える唯一の問題はFRBだ。相場感覚がなく、必要不可欠な貿易戦争のほか、ドル高、国境問題により民主党が政府機関を閉鎖したことすら理解していない」株価の暴落を受けて。 | -------- |



