今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2018年12月28日(金) 「ドル円株価に翻弄されるも111円近辺で推移」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • 上値がやや重いドル円は、経済指標の発表をきっかけにドル売りが加速し、110円46銭まで下落。株価の大幅下落にも反応した形だったが、株価が急反発したことで111円台を回復。
  • ユーロドルは1.14を挟んでもみ合い。1.14台半ばを抜けないものの、1.13台前半も底堅い。
  • 株式市場は荒っぽい動きを続けながらも引け値では続伸。ダウは一時600ドルを超える下落に沈んだが、引けにかけて反発。前日比260ドル高で取引を終え、2万3千ドル台を回復。
  • 債券相場は反発。長期金利は2.7%台へと低下。
  • 金は3日続伸。原油価格も荒っぽい動きが続き、この日は大幅安となり44ドル台に。
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 新規失業保険申請件数 → 21.6万件
 10月FHFA住宅価格指数 → 0.3%
 12月消費者信頼感指数 → 128.1
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ドル/円 110.46 〜 111.10
ユーロ/ドル 1.1368 〜 1.1454
ユーロ/円 126.05 〜 127.09
NYダウ +260.37 → 23,138.82ドル
GOLD +8.10 → 1,281.10ドル
WTI −1.61 → 44.61ドル
米10年国債 −0.038 → 2.770%

本日の注目イベント

  • 日 11月失業率
  • 日 12月東京都区部消費者物価指数
  • 日 11月鉱工業生産
  • 独 独12月消費者物価指数(速報値)
  • 米 11月中古住宅販売件数成約指数
  • 米 12月シカゴ購買部協会景気指数

前日のNYダウが過去最大の上げ幅を記録したことを受けて、昨日の日経平均株価も750円高と大幅な上昇を見せましたが、ドル円はジリジリと売られ、一時は111円を割り込み、110円85銭前後までドル安が進む場面もありました。株価が上昇するとドル高に振れる傾向が強い中、個人投資家の方からも「株が上がっているのに、何でドルが売られているの?」という問い合わせも何件かあったほど、昨日はドル円と株価の相関は見られませんでした。ただそれでも再び111円台を回復する展開でしたが、ドル円の上値の重さは気になるところです。昨日は、前日110円まで売られたドル円がNYでは株価の上昇に111円台半ばまでドル高が進んだことで、本邦の輸出筋が年末ということもあり、ドル売り注文を持込み、その額が比較的多かったと理解しています。

日米ともに、株価の乱高下はとまりません。前日大幅高だったこともあり、昨日のNYダウは一時600ドルを超えるマイナスに沈む場面もありましたが、引けにかけて急速に買いが入り、結局260ドル高で取引を終えています。ドル円も株価の大幅下落に110円46銭まで売られましたが、その後111円台まで値を戻すなど、株式市場の動きに翻弄されています。株価が落ち着きを見せるまでは、この傾向が続きそうです。

昨日のNY朝方のドル円と株価の下げは、軟調な経済指標に反応したものです。12月の消費者信頼感指数は「128.1」と、予想の「133.5」から大幅に低下し、7月以来の低水準でした。ブルームバーグによると、特に労働市場に関する見通しは過去41年で最悪となり、株式相場の変動や、景気減速で消費者の楽観的な見方が後退しつつあることを示唆していると報じています。実際、項目別の数値を見ても、「今後6カ月以内に高額商品を購入する予定」では、自動車、住宅、大型家電など、すべての比率が低下しています。前日発表されたリッチモンド連銀製造業指数も、市場予想の「15」に対して「−8」と、大幅に悪化しており、来年後半には米景気の減速を予想する多くのエコノミストの見方を裏付ける状況になってきました。

ここ数日パウエルFRB議長を巡る報道が増えていますが、ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は、トランプ大統領は側近に対して、パウエル議長との会談に前向きで、政治からも独立しているFRB議長が大統領と会談するのは過去にも例はあるものの、異例だと伝えています。株式市場が乱高下している中、会談が実現すれば、両者の信頼関係は強固であることがアピールされ、株式市場には好材料になります。


本日が今年最後の「アナリストレポート」になります。来年は1月4日(金)から通常通りレポートを開始いたします。今年の相場はまだ終わってはいませんが、ドル円はおそらくは、3月の104円64銭が最安値で、最高値は10月の114円55銭で決まりかと思います。年間の値幅が9円91銭と、まれに見る値動きの少ない年だったことになります。今月後半からはようやく値動きも活発になってきており、来年は少なくとも今年のような値幅が出ない年にはならないだろうと予想しています。ディズニーランドの「ドナルド」は人気者ですが、ホワイトハウスの「ドナルド」は何かと話題を提供してくれます。来年はホワイトハウスの「ドナルド」がさらに目立つ存在になるだろうと思われます。今年1年のご愛読、ありがとうございました。皆様、良いお年を・・・・・。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時     発言者     内容   市場への影響   
11/3 トランプ・米大統領 「米国と中国が貿易摩擦解消するための合意に達すると考えており、そうなれば両国に有益だろう」ホワイトハウスで。 株価のマイナス幅が縮小
11/14 パウエル・FRB議長 「あとどれくらい利上げをするのか、今後の利上げのぺースについてわれわれは考えなければならない」ダラスでの公開討論会で。 --------
11/15 ポスティック・アトランタ連銀総裁 「政策の過ちが経済の過熱や不況の引き金になりかねない領域に近づいているため、当局は追加利上げを慎重に進めるべきだ」マドリードの会合で。 --------
11/16 クラリダ・FRB副議長 「米金融当局は、政策決定に際して世界の経済成長を考慮に入れるべき必要があるだろう」CNNとのインタビューで。 ドル円113円台前半から112円台半ばまで下落
11/19 ウィリアムズ・NY連銀総裁 「われわれはあらかじめ設定されたコースを進んでいるわけではない。低インフレの下で力強い米経済を維持することに最善を尽くすため、金融政策のやり方を調整する」NYのイベントで。 --------
11/20 クドロー・米国経済会議(NEC) 米中首脳会談に関して「米国の利益に合致しない限り、合意はない」FOXとのインタビューで。 --------
11/21 マーケット・ニュース・インターナショナル(MNI) 「米金融当局は段階的な金融引き締めについて少なくとも休止する検討を開始しつつあり、来年春にも利上げサイクルを終了させる可能性がある」 市場はドル安・株高で反応
11/26 トランプ・米大統領 「われわれが取引しなければ、私は2670億ドル相当にも10%から25%の関税を課すことになる」WSJ紙とのインタビュ−で。 --------
11/28 パウエル・FRB議長 「経済にとって中立、すなわち成長を加速も減速もさせない水準に関する幅広い予想レンジをわずかに下回っている」Economic Club NYで。 ドル円114円台から113円半ばへ。NYダウ617ドルの急騰
12/1 トランプ・米大統領 「首脳同士によるすばらしい取引だ」米中首脳会談を終えて。 --------
12/3 クドロー・米国経済会議(NEC) 「現時点で私はこれを(公約)と呼ぼう。公約は必ずしも貿易合意ではないが、中国側が検討し、恐らく実行するものだ」ホワイトハウスの公式ブリーフィングで。 --------
12/4 ウィリアムズ・NY連銀総裁 「パウエル議長が述べたことと完全に一致していると思うが、米経済は強いが地平線上に(ある程度の)リスクは確実に存在するというのが私の見解だ」記者会見で。 --------
12/5 トランプ・米大統領 中国からとても強いシグナルが送られている」米中首脳会談を終え数日後に。 ドル円は小幅に上昇
12/11 トランプ・米大統領 FRBが利上げをすれば「それは愚かなことだと思うが、私に何が言えよう」ホワイトハウスでロイター通信とのインタビューで。 ドル円は小幅に下落したが限定的
12/12 ドラギ・ECB総裁 「リスクは依然としておおむね均衡しているものの、下方向に向かいつつある」(金利は)「少なくとも2019年夏の終わりまで据え置く」理事会後の記者会見で。 ユーロドル下落
12/17 トランプ・米大統領 「ドルはとても強く、インフレは事実上存在せず、米国以外の世界は荒れている。パリは燃え、中国は急降下だ。米金融当局がまた金利を上げようと検討しているだけでも、信じがたい。勝利をつかめ!」FOMCを前に。 --------
12/18 トランプ・米大統領 「FOMCの出席者はまた誤りを犯す前に、本日のウォール・ストリート・ジャーナル社説を読んだ方がいいだろう」「市場の流動性をこれ以上引き締めるべきではない。500億ドルなどやめろ。相場を感じ、意味のない数字にとらわれるな。幸運を祈る」FOMCを前に。 --------
12/18 ムニューシン・米財務長官 「ドルが強い理由の一部は人々の米国経済への見解や、世界の他の国々の成長と比較した米経済の成長にある」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
12/19 FOMC声明文 「連邦準備法に定める責務に従い、委員会は最大限の雇用確保と物価安定の促進を目指す。委員会は、FF金利目標レンジを漸進的にさらに幾分か引き上げることが、経済活動の持続的拡大、力強い労働市場環境、およびインフレ率が中期的に委員会の対称的な2%目標付近で推移することと合致すると判断している」 予想より「ハト派的ではない」と受け止められて大幅な株安に
12/24 トランプ・米大統領 「米国経済が抱える唯一の問題はFRBだ。相場感覚がなく、必要不可欠な貿易戦争のほか、ドル高、国境問題により民主党が政府機関を閉鎖したことすら理解していない」株価の暴落を受けて。 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和