2019年1月7日(月) 「ドル円108円台半ばまで反発」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は小幅に反発し108円58銭をつける。パウエル発言を受け株価が大幅に反発したが、今後利上げを停止する可能性にドル円の上値は重かった。
- ユーロドルは1.13台半ばまで売られたが、1.14台前半まで押し戻される。
- パウエル議長が金融政策を柔軟に見直す用意があると発言したことで、今後利上げが一時停止される可能性が出てきた。株式市場はこの発言を好感し急反発。ダウは746ドル上昇し、前日の下落分を埋めた。
- 債券相場は反落。株価の急騰から債券は売られ、長期金利は2.66%台へと上昇。
- 金は反落し、原油は続伸。
12月失業率 → 3.9%
12月非農業部門雇用者数 → 31.2万人
12平均時給(前月比) → 0.4%
12月平均時給(前年比) → 3.2%
12月労働参加率 → 63.1%
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| ドル/円 | 108.00 〜 108.59 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1347 〜 1.1418 |
| ユーロ/円 | 122.84 〜 123.86 |
| NYダウ | +746.94 → 23,433.16ドル |
| GOLD | −9.00 → 1,285.80ドル |
| WTI | +0.87 → 47.96ドル |
| 米10年国債 | +0.116 → 2.668% |
本日の注目イベント
- 日 12月マネタリーベース
- 中 中国 12月外貨準備高
- 独 独11月製造業新規受注
- 欧 ユーロ圏11月小売売上高
- 米 12月ISM非製造業景況指数
- 米 11月新築住宅販売件数
- 米 米中、次官級の通商協議(8日まで)
- 米 ボスティック・アトランタ連銀総裁講演
前日大きく売られた米国株は急反発しました。引き続き荒っぽい動きが続き、市場参加者も予測がつかない状況ですが、パウエルFRB議長が利上げに対して柔軟な姿勢を見せたことで株価が急騰し、ドル円も上昇しました。ただ、今後利上げが一時的に停止される可能性が浮上したことで、ドルにはやや逆風となり、株価上昇の割には、ドルの上値は重いといった印象です。
パウエル議長は、米経済学会(AEA)の年次会合で、イエレン前議長、バーナンキ元議長とのパネル討論会に参加し、「景気拡大の軌道を維持する上で適切だと判断した場合は、われわれは政策を迅速かつ柔軟に調整し、経済を支える手段全てを活用する用意を整える」と発言し、「政策にあらかじめ決められた道筋はない」と述べ、必要に応じ金融政策を調整する考えを示しました。(ブルームバーグ)この発言により、今年予定されている利上げが一時的に停止される可能性が浮上し、株価に好影響を与えました。
ただ、パウエル議長は昨年12月19日にFOMCで利上げを決めた後の会見で、「米経済は底堅く、2019年も2回の利上げが正当化される」と発言しています。昨年12月にはすでに米株価は乱高下しながらも大きく下落しており、この発言が「タカ派的過ぎる」と市場に受け止められ、さらに株価を押し下げた経緯があります。あれからわずか2週間余りで、「金融政策変更の用意がある」と言うのであれば、昨年12月には株価だけではなく、経済指標の一部にもすでに景気減速を示すデータが出ていたわけで、12月の会見時に同様の発言を行ってほしかったと、個人的には考えています。
今年2回の利上げが予想されていましたが、パウエル発言により利上げの一時停止の可能性が出て来ました。この日は12月の雇用統計が発表され、市場予想を大きく上回ったことから、むしろ12月のパウエル氏の発言が正当化される結果で、利上げ観測が高まった可能性もありました。それだけに、株式市場関係者にとってはこの日のパウエル氏の発言はサプライズであり、株価の急騰につながったと思われます。12月の雇用時統計では失業率はやや悪化したものの、非農業部門雇用者数は事前予想の「15.5万人」に対して「31.2万人」で、11月分も上方修正されています。前日発表されADP雇用者数もそうでしたが、景気減速を示す指標が散見される中、労働市場の拡大はまだ続いていると見られます。ただ、これも今後の米中通商協議の結果次第では急激に悪化する可能性があることは言うまでもありません。
その米中通商協議は本日から2日間の日程で北京で開催されます。トランプ大統領は、昨年末の習近平主席との電話会談後に、交渉は「大きな進展」を見せているとツイートしています。2日間の協議では、中国が昨年12月の首脳会談で示した1兆2千億ドル (約130兆円)の米国製品を追加輸入する内容が話し合われるものと見られます。中国の景気後退はすでに明らかで、今後協議が決裂するようなことになると中国景気がさらに悪化するリスクもあります。この点を踏まえて、中国側がどこまで譲歩するのかが引き続き焦点になります。
ドル円は3日の104円台から4円ほど値を戻しています。今後再びこのレベルをテストする可能性もありますが、現時点ではやはりあの動きは、短期的には行きすぎだったと思われます。しかし今後米金利が上昇しにくいことや、メキシコ国境を巡ってはトランプ大統領が依然として強気の姿勢を崩していないことから、ドルの上値はまだ重いと考えることができそうです。本日のレンジは108円〜109円程度を予想します。
What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 11/3 | トランプ・米大統領 | 「米国と中国が貿易摩擦解消するための合意に達すると考えており、そうなれば両国に有益だろう」ホワイトハウスで。 | 株価のマイナス幅が縮小 |
| 11/14 | パウエル・FRB議長 | 「あとどれくらい利上げをするのか、今後の利上げのぺースについてわれわれは考えなければならない」ダラスでの公開討論会で。 | -------- |
| 11/15 | ポスティック・アトランタ連銀総裁 | 「政策の過ちが経済の過熱や不況の引き金になりかねない領域に近づいているため、当局は追加利上げを慎重に進めるべきだ」マドリードの会合で。 | -------- |
| 11/16 | クラリダ・FRB副議長 | 「米金融当局は、政策決定に際して世界の経済成長を考慮に入れるべき必要があるだろう」CNNとのインタビューで。 | ドル円113円台前半から112円台半ばまで下落 |
| 11/19 | ウィリアムズ・NY連銀総裁 | 「われわれはあらかじめ設定されたコースを進んでいるわけではない。低インフレの下で力強い米経済を維持することに最善を尽くすため、金融政策のやり方を調整する」NYのイベントで。 | -------- |
| 11/20 | クドロー・米国経済会議(NEC) | 米中首脳会談に関して「米国の利益に合致しない限り、合意はない」FOXとのインタビューで。 | -------- |
| 11/21 | マーケット・ニュース・インターナショナル(MNI) | 「米金融当局は段階的な金融引き締めについて少なくとも休止する検討を開始しつつあり、来年春にも利上げサイクルを終了させる可能性がある」 | 市場はドル安・株高で反応 |
| 11/26 | トランプ・米大統領 | 「われわれが取引しなければ、私は2670億ドル相当にも10%から25%の関税を課すことになる」WSJ紙とのインタビュ−で。 | -------- |
| 11/28 | パウエル・FRB議長 | 「経済にとって中立、すなわち成長を加速も減速もさせない水準に関する幅広い予想レンジをわずかに下回っている」Economic Club NYで。 | ドル円114円台から113円半ばへ。NYダウ617ドルの急騰 |
| 12/1 | トランプ・米大統領 | 「首脳同士によるすばらしい取引だ」米中首脳会談を終えて。 | -------- |
| 12/3 | クドロー・米国経済会議(NEC) | 「現時点で私はこれを(公約)と呼ぼう。公約は必ずしも貿易合意ではないが、中国側が検討し、恐らく実行するものだ」ホワイトハウスの公式ブリーフィングで。 | -------- |
| 12/4 | ウィリアムズ・NY連銀総裁 | 「パウエル議長が述べたことと完全に一致していると思うが、米経済は強いが地平線上に(ある程度の)リスクは確実に存在するというのが私の見解だ」記者会見で。 | -------- |
| 12/5 | トランプ・米大統領 | 中国からとても強いシグナルが送られている」米中首脳会談を終え数日後に。 | ドル円は小幅に上昇 |
| 12/11 | トランプ・米大統領 | FRBが利上げをすれば「それは愚かなことだと思うが、私に何が言えよう」ホワイトハウスでロイター通信とのインタビューで。 | ドル円は小幅に下落したが限定的 |
| 12/12 | ドラギ・ECB総裁 | 「リスクは依然としておおむね均衡しているものの、下方向に向かいつつある」(金利は)「少なくとも2019年夏の終わりまで据え置く」理事会後の記者会見で。 | ユーロドル下落 |
| 12/17 | トランプ・米大統領 | 「ドルはとても強く、インフレは事実上存在せず、米国以外の世界は荒れている。パリは燃え、中国は急降下だ。米金融当局がまた金利を上げようと検討しているだけでも、信じがたい。勝利をつかめ!」FOMCを前に。 | -------- |
| 12/18 | トランプ・米大統領 | 「FOMCの出席者はまた誤りを犯す前に、本日のウォール・ストリート・ジャーナル社説を読んだ方がいいだろう」「市場の流動性をこれ以上引き締めるべきではない。500億ドルなどやめろ。相場を感じ、意味のない数字にとらわれるな。幸運を祈る」FOMCを前に。 | -------- |
| 12/18 | ムニューシン・米財務長官 | 「ドルが強い理由の一部は人々の米国経済への見解や、世界の他の国々の成長と比較した米経済の成長にある」ブルームバーグとのインタビューで。 | -------- |
| 12/19 | FOMC声明文 | 「連邦準備法に定める責務に従い、委員会は最大限の雇用確保と物価安定の促進を目指す。委員会は、FF金利目標レンジを漸進的にさらに幾分か引き上げることが、経済活動の持続的拡大、力強い労働市場環境、およびインフレ率が中期的に委員会の対称的な2%目標付近で推移することと合致すると判断している」 | 予想より「ハト派的ではない」と受け止められて大幅な株安に |
| 12/24 | トランプ・米大統領 | 「米国経済が抱える唯一の問題はFRBだ。相場感覚がなく、必要不可欠な貿易戦争のほか、ドル高、国境問題により民主党が政府機関を閉鎖したことすら理解していない」株価の暴落を受けて。 | -------- |
| 1/3 | ティムクック・アップルCEO | 「主要新興市場で幾らか苦戦するとは予想していたが、特に中国圏でこれほどの経済鈍化は見込んでいなかった」売上げ高の下方修正発表時に | ドル円108円台から104円台に急落 |
| 1/4 | パウエル・FRB議長 | 「景気拡大の軌道を維持する上で適切だと判断した場合は、われわれは政策を迅速かつ柔軟に調整し、経済を支える手段全てを活用する用意を整える」AEAの年次会合で。 | ドル円小幅に上昇。NYダウ6746ドルの急騰 |



