今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2019年1月11日(金) 「WTI原油価格8日続伸」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • 東京市場で107円76銭近辺まで売られたドル円は反発。長期金利の上昇に加え、株価も続伸し、市場がややリスク先行に傾いたことからドル円は108円52銭まで上昇。
  • ECB理事会の議事要旨で、ユーロ圏の景気に慎重な見方が示されたことでユーロドルは反落。1.15台を割り込み、1.1484までユーロ売りが進む。
  • 株式市場は5日続伸。ボーイングが買われた他、失業保険申請件数が減少したことも好感されダウは122ドル上昇。2万4000ドルの大台を回復する。
  • 債券は反落。長期金利は昨年12月27日以来の2.74%まで上昇。
  • 金は反落し、原油価格は8日続伸。新年度に入り取引日は全て上昇し、52ドル台半ばまで買われた。
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 新規失業保険申請件数 → 21.6万件
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ドル/円 107.92 〜 108.52
ユーロ/ドル 1.1484 〜 1.1545
ユーロ/円 124.35 〜 124.75
NYダウ +122.80 → 24,001.92ドル
GOLD −4.60 → 1,287.40ドル
WTI +0.23 → 52.59ドル
米10年国債 +0.03 → 2.740%

本日の注目イベント

  • 豪 豪11月小売売上高
  • 日 11月貿易収支
  • 日 11月国際収支
  • 日  12月景気ウオッチャー調査
  • 英 英11月貿易収支
  • 英 英11月鉱工業生産
  • 米 12月消費者物価指数
  • 米 12月財政収支

昨日の東京時間では、株価の大幅下落に伴ってドル円も売られ、一時107円76銭まで下落しました。この欄でのレンジ予想では、下値を107円70銭としましたので、ほぼこの水準で下げ止まったことになります。依然として上値は重いものの、米国株が堅調に推移していることで、「VIX指数」も危険水域の20を割り込んでおり、それほど深い下げはないと予想したわけです。

東京市場の株安を受けても、NY市場では全てが堅調に推移しています。ダウは5日続伸して、2万4000ドルの大台を回復し、ドル円は108円台半ばまで反発し、前日ストップロスの買いを巻き込み急上昇したユーロドルも1.14台後半までドル買いユーロ売りが進み、市場全体でドルの買い戻しが目立った流れでした。「VIX指数」も「19.50」近辺で取引を終え、昨年12月4日の水準まで低下し、落ち着きを取り戻した格好です。米中通商協議では、核心の部分での進展は見られませんでしたが、今後に期待の持てる雰囲気の中で終わり、市場はこれを好感しています。強気のトランプ政権も、米国株の大幅下落を目の当たりにし、さらにISM製造業景況指数が約10年ぶりの悪化を記録するなど、景気の鈍化を示す指標が幾つか出てきたことから、米中協議を「決裂」させるわけにもいかないといった事情もあるかもしれません。現時点では楽観的すぎるかもしれませんが、期限である3月1日までにはある程度の合意ができ、重要事案については「継続審議」という形になるのではないかと予想しています。

パウエル議長は10日、ワシントンのエコノミッククラブでの質疑応答で、「当局は辛抱強くかつ柔軟で、進展を見守ることができる状況にある。しばらくは様子見だと考える」と語っています。議長はバランスシートについては正常化のプロセスを堅持していると発言し、(ブルームバーグ) これでドル円が売られ、株価も下落に転じる場面もあったようです。

ドル円は昨日も述べたように、107−110円のレンジを形成している過程にあると思われます。その中でも、まだドル売りが優勢な状況で、戻りを売る「Sell on rally」が基本スタンスかと見ています。上述のように、株式市場は落ち着きを取り戻したかに見えますが、これは「パウエルプット」と、米中通商協議が予想外の展開を見せなかったことによるショートカバーに過ぎず、まだ新規でロングを積み上げる状況ではないと思います。ドル円は戻りを売る姿勢を維持しながら、3日の早朝につけた105円割れが再度試されるのかどうかを見極める展開かと思われます。チャートでは「1時間足」の重要な移動平均線がある108円65−70銭辺りを抜け切れば、もう少し上昇の余地はありそうです。予想レンジは107円80銭〜108円70銭程度といったところでしょうか。


アマゾン創業者のジェフ・ベゾス氏が「世界一の大富豪から大きく転落する危機に!」。ブルームバーグニュースによると、ベゾス氏は25年連れ添ったマッケンジー夫人と離婚することになったと報じています。ブルームバーグ・ビリオンネアによると、ベゾス氏は世界一の富豪で、純資産は1370億ドル(約14兆8400億円)にのぼり、この離婚で世界の富豪ランキングが変わる可能性があるそうです。財産が平等に分割された場合、ベゾス氏は世界一の大富豪の座から転落する一方、マッケンジー婦人は「世界一の女性大富豪」の称号を得ることに。桁違いの財産分割のため納税の資金捻出のため、アマゾン株を売却すれば株価にも影響が出るかもしれません。良い週末を・・・・・。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時     発言者     内容   市場への影響   
12/1 トランプ・米大統領 「首脳同士によるすばらしい取引だ」米中首脳会談を終えて。 --------
12/3 クドロー・米国経済会議(NEC) 「現時点で私はこれを(公約)と呼ぼう。公約は必ずしも貿易合意ではないが、中国側が検討し、恐らく実行するものだ」ホワイトハウスの公式ブリーフィングで。 --------
12/4 ウィリアムズ・NY連銀総裁 「パウエル議長が述べたことと完全に一致していると思うが、米経済は強いが地平線上に(ある程度の)リスクは確実に存在するというのが私の見解だ」記者会見で。 --------
12/5 トランプ・米大統領 中国からとても強いシグナルが送られている」米中首脳会談を終え数日後に。 ドル円は小幅に上昇
12/11 トランプ・米大統領 FRBが利上げをすれば「それは愚かなことだと思うが、私に何が言えよう」ホワイトハウスでロイター通信とのインタビューで。 ドル円は小幅に下落したが限定的
12/12 ドラギ・ECB総裁 「リスクは依然としておおむね均衡しているものの、下方向に向かいつつある」(金利は)「少なくとも2019年夏の終わりまで据え置く」理事会後の記者会見で。 ユーロドル下落
12/17 トランプ・米大統領 「ドルはとても強く、インフレは事実上存在せず、米国以外の世界は荒れている。パリは燃え、中国は急降下だ。米金融当局がまた金利を上げようと検討しているだけでも、信じがたい。勝利をつかめ!」FOMCを前に。 --------
12/18 トランプ・米大統領 「FOMCの出席者はまた誤りを犯す前に、本日のウォール・ストリート・ジャーナル社説を読んだ方がいいだろう」「市場の流動性をこれ以上引き締めるべきではない。500億ドルなどやめろ。相場を感じ、意味のない数字にとらわれるな。幸運を祈る」FOMCを前に。 --------
12/18 ムニューシン・米財務長官 「ドルが強い理由の一部は人々の米国経済への見解や、世界の他の国々の成長と比較した米経済の成長にある」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
12/19 FOMC声明文 「連邦準備法に定める責務に従い、委員会は最大限の雇用確保と物価安定の促進を目指す。委員会は、FF金利目標レンジを漸進的にさらに幾分か引き上げることが、経済活動の持続的拡大、力強い労働市場環境、およびインフレ率が中期的に委員会の対称的な2%目標付近で推移することと合致すると判断している」 予想より「ハト派的ではない」と受け止められて大幅な株安に
12/24 トランプ・米大統領 「米国経済が抱える唯一の問題はFRBだ。相場感覚がなく、必要不可欠な貿易戦争のほか、ドル高、国境問題により民主党が政府機関を閉鎖したことすら理解していない」株価の暴落を受けて。 --------
1/3 ティムクック・アップルCEO 「主要新興市場で幾らか苦戦するとは予想していたが、特に中国圏でこれほどの経済鈍化は見込んでいなかった」売上げ高の下方修正発表時に ドル円108円台から104円台に急落
1/4 パウエル・FRB議長 「景気拡大の軌道を維持する上で適切だと判断した場合は、われわれは政策を迅速かつ柔軟に調整し、経済を支える手段全てを活用する用意を整える」AEAの年次会合で。 ドル円小幅に上昇。NYダウ6746ドルの急騰
1/7 ボスティック・アトランタ連銀総裁 「今年に入る前、1年前に私は、2019年の利上げ回数を2回とみていた。今では19年は1回だとみる」アトランタのロータリークラブの講演で。 --------
1/9 ブラード・セントルイス連銀総裁 「これ以上利上げをした場合、米国経済はリッセンションに陥る恐れがあることを懸念している。」WSJ紙とのインタビューで。 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和