今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2019年1月21日(月) 「ドル円続伸し110円台が視野に」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は続伸し、109円89銭まで上昇。米株価の上昇が続いている他、米中通商協議に明るい見通しが出てきたことが好材料に。
  • ユーロドルは再び1.14を挟む展開に戻り、ドル高が進んだことから1.1353まで下落。
  • 株式市場は大幅に続伸。中国政府が米国からの輸入を大幅に増やし、米国との貿易不均衡をゼロにする提案を行っているとの報道が材料に。ダウは336ドル上昇し、2万4700ドル台に。
  • 株価の上昇に、安全資産の債券は続落。長期金利は2.78%台まで上昇し、今年の底値からは23bpほど上昇。
  • 金は続落し、原油は反発。
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 12月鉱工業生産 → +0.3%
 12月設備稼働率 → 78.7%
 1月ミシガン大学消費者マインド(速報値) → 90.7
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ドル/円 109.35 〜 109.89
ユーロ/ドル 1.1353 〜 1.1406
ユーロ/円 124.42 〜 124.83
NYダウ +336.25 → 24,706.35ドル
GOLD −9.70 → 1,282.60ドル
WTI +1.73 → 53.80ドル
米10年国債 +0.034 → 2.784%

本日の注目イベント

  • 中 10−12月GDP
  • 中 中国 12月小売売上高
  • 中 中国 12月鉱工業生産
  • 独 独12月生産者物価指数
  • 英 メイ首相、EU離脱代替案提示
  • 米 株式、債券市場休場(キング牧師生誕記念日)
  • 米 IMF世界経済見通し

ドル円はさらに上昇し、110円には届かなかったものの、109円89銭までドル高が進みました。今回も株価の上昇が材料の一つでしたが、メインは米中通商協議に明るい兆しが見えてきたことが大きかったと思われます。ムニューシン財務長官が対中国の関税引き下げを提案しているとの報道や中国政府が米国からの輸入を大幅に増やし、対米貿易黒字解消を提案しているとの報道が、米中貿易戦争が良好に向かうといった観測を高め、投資家心理を改善させました。リスク先行から株式が買われ、債券が売られ、低金利の円が売られる展開でした。

NYダウは4日続伸し、この間800ドルほど上昇したことになります。一時2.55%台まで低下した長期金利も2.78%台まで上昇を強め、ドルを押し上げて来ました。そのため、「日足」を除く短い足では、MACDがプラス圏まで上昇しており、トレンド転換には「日足」を残すのみとなっています。ただ「日足」が上昇傾向を示すにはまだ時間がかかりそうです。トランプ大統領は依然としてメキシコ国境の壁建設に固執しており、昨日はやや譲歩を見せ、不法移民対策では救済制度を3年延長するなどの新提案をしていますが、これに対して民主党のペロシ下院議長は拒否する構えを見せており、政府機関の一部閉鎖はまだ続きそうな気配です。

先週末発表された1月のミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)は市場予想の「96.8」を大きく下回り「90.7」と、2016年10月以来となる低水準でした。先行きを示す「期待指数」も低水準で、調査担当責任者は「今回の低下は国内経済への見通しが主に反映された」と述べ、「政府機関の一部閉鎖や関税の影響、金融市場の不安定、世界的な経済減速、金融政策をめぐる明確性の欠如など多くの問題が影響した」と説明しています。(ブルームバーグ)今年に入ってすでにISM製造業景況指数など、景気鈍化を顕著に示す経済指標が散見されています。この段階で、米中通商協議が不発に終われば、米景気に与える悪影響は必至と考えます。トランプ大統領もこのあたりは十分承知していると思われ、通商協議を簡単に決裂させられないのではないかと思います。

本日は日本株も大きく上昇すると予想されます。ドル円も110円台が視野に入る展開があるかもしれません。予想レンジは109円20銭〜110円20銭程度と見ています。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時     発言者     内容   市場への影響   
12/1 トランプ・米大統領 「首脳同士によるすばらしい取引だ」米中首脳会談を終えて。 --------
12/3 クドロー・米国経済会議(NEC) 「現時点で私はこれを(公約)と呼ぼう。公約は必ずしも貿易合意ではないが、中国側が検討し、恐らく実行するものだ」ホワイトハウスの公式ブリーフィングで。 --------
12/4 ウィリアムズ・NY連銀総裁 「パウエル議長が述べたことと完全に一致していると思うが、米経済は強いが地平線上に(ある程度の)リスクは確実に存在するというのが私の見解だ」記者会見で。 --------
12/5 トランプ・米大統領 中国からとても強いシグナルが送られている」米中首脳会談を終え数日後に。 ドル円は小幅に上昇
12/11 トランプ・米大統領 FRBが利上げをすれば「それは愚かなことだと思うが、私に何が言えよう」ホワイトハウスでロイター通信とのインタビューで。 ドル円は小幅に下落したが限定的
12/12 ドラギ・ECB総裁 「リスクは依然としておおむね均衡しているものの、下方向に向かいつつある」(金利は)「少なくとも2019年夏の終わりまで据え置く」理事会後の記者会見で。 ユーロドル下落
12/17 トランプ・米大統領 「ドルはとても強く、インフレは事実上存在せず、米国以外の世界は荒れている。パリは燃え、中国は急降下だ。米金融当局がまた金利を上げようと検討しているだけでも、信じがたい。勝利をつかめ!」FOMCを前に。 --------
12/18 トランプ・米大統領 「FOMCの出席者はまた誤りを犯す前に、本日のウォール・ストリート・ジャーナル社説を読んだ方がいいだろう」「市場の流動性をこれ以上引き締めるべきではない。500億ドルなどやめろ。相場を感じ、意味のない数字にとらわれるな。幸運を祈る」FOMCを前に。 --------
12/18 ムニューシン・米財務長官 「ドルが強い理由の一部は人々の米国経済への見解や、世界の他の国々の成長と比較した米経済の成長にある」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
12/19 FOMC声明文 「連邦準備法に定める責務に従い、委員会は最大限の雇用確保と物価安定の促進を目指す。委員会は、FF金利目標レンジを漸進的にさらに幾分か引き上げることが、経済活動の持続的拡大、力強い労働市場環境、およびインフレ率が中期的に委員会の対称的な2%目標付近で推移することと合致すると判断している」 予想より「ハト派的ではない」と受け止められて大幅な株安に
12/24 トランプ・米大統領 「米国経済が抱える唯一の問題はFRBだ。相場感覚がなく、必要不可欠な貿易戦争のほか、ドル高、国境問題により民主党が政府機関を閉鎖したことすら理解していない」株価の暴落を受けて。 --------
1/3 ティムクック・アップルCEO 「主要新興市場で幾らか苦戦するとは予想していたが、特に中国圏でこれほどの経済鈍化は見込んでいなかった」売上げ高の下方修正発表時に ドル円108円台から104円台に急落
1/4 パウエル・FRB議長 「景気拡大の軌道を維持する上で適切だと判断した場合は、われわれは政策を迅速かつ柔軟に調整し、経済を支える手段全てを活用する用意を整える」AEAの年次会合で。 ドル円小幅に上昇。NYダウ6746ドルの急騰
1/7 ボスティック・アトランタ連銀総裁 「今年に入る前、1年前に私は、2019年の利上げ回数を2回とみていた。今では19年は1回だとみる」アトランタのロータリークラブの講演で。 --------
1/9 ブラード・セントルイス連銀総裁 「これ以上利上げをした場合、米国経済はリッセンションに陥る恐れがあることを懸念している。」WSJ紙とのインタビューで。 --------
1/15 ドラギ・ECB総裁 「域内の価格圧力をさらに高め、総合インフレ率の中期的な展開を後押しするため、大規模な金融緩和が依然必要」欧州議会で。 ユーロドル1.14台から1.13台後半まで下落
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和