今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2019年1月22日(火) 「ドル円109円台半ばで小動き」

ひと目で分かる昨晩の動き

欧州市場

  • 米国が祝日のためドル円は109円台半ばで小動き。109円50−70銭を抜けきれずに推移。
  • ユーロドルも1.13台半ばから後半で一進一退。欧州債はまちまちで、ポンドがメイ首相が修正案を提出するとの報道に 上昇に転じる。
ドル/円 109.56 〜 109.69
ユーロ/ドル 1.1357 〜 1.1387
ユーロ/円 124.54 〜 124.80
NYダウ ----- → 24,706.35ドル
GOLD ----- → 1,282.60ドル
WTI ----- → 53.80ドル
米10年国債 ----- → 2.784%

本日の注目イベント

  • 独 独1月ZEW景況感指数
  • 欧 世界経済フォーラム(ダボス会議)
  • 英 英12月失業率
  • 米 12月中古住宅販売件数
  • 米 企業決算 → IBM、ジョンソン&ジョンソン

景気の減速が鮮明な中国の第4四半期GDPが発表されました。結果は「6.4%」で前期の「6.5%」より悪化しており、2018年通期では「6.6%」と、28年ぶりの低成長となりました。言うまでもなく、米国との貿易戦争の影響によるものです。米中通商協議は今月末にも両国の責任者が直接会合で顔を合わせ協議することになっています。

中国側が柔軟な姿勢を見せ、中国は米国からの輸入額を2024年までに1兆ドル(約110兆円)以上増やし、同年までに貿易黒字を解消させるという案を米国側に示しているとの報道もありますが、一方で知的財産権など、重要課題については「全く進展していない」との声も実務者側から上がっています。3月1日が交渉期限の米中協議ですが、仮に「決裂」といった最悪の事態になれば、中国のGDPは6%まで低下するとの予測もあります。こうなると日本にとっても「対岸の火事」ではありません。先週日本電産が業績見通しを下方修正しました。中国での需要の落ち込みが予想を超えていたことで、創業者の永守氏は「これまでの経営経験で見たことのない落ち込みだ」と表現しました。中国をメインの生産拠点としている日本企業は多く、この状況は日本電産だけではないでしょう。中国景気の動向そのものが日本をはじめ、世界の国々に影響を与える構図になっています。

ただ、この状況は当事国である米国も同じことで、経済指標で景気鈍化を示すものが散見される米国も、米中通商協議の結果次第では景気の落ち込みが一段と深刻になることも予想されます。IMFは21日世界経済予想を発表し、2019年の世界経済の成長率が3年ぶりの低水準になると予測しています。中国の今年と来年の成長率は「6.2%」とし、米国については2019年を「2.6%」とし、2020年には「1.8%」まで減速すると予測しています。

EU離脱案が議会で否決された英国では、メイ首相が修正案を提出し事態の打開をはかる構えのようです。代替案を提出しても、あくまでもEUからの離脱に反対するグループからの承認を得ることは難しく、2回目の国民投票の可能性も残っているようです。ブルームバーグの記事によると、3月29日までに合意がまとまらなければ、英国は合意なき離脱を強いられ、リセッション入りなどの経済リスクにさらされ、英ポンドは25%下落する可能性があると指摘しています。

ドル円は109円台半ばで堅調に推移しています。110円台が近いようですが、実際には数字よりも遠いイメージです。昨日の東京時間では思ったほど株価の上昇は見られず、ドル円も値動きの乏しい展開でした。本日も東京時間では昨日と同じような展開を予想しますが、4日続伸の米国株に調整の動きが見られれば、109円割れテストの可能性もありそうです。一方、5日続伸となれば110円テストがあるかもしれません。予想レンジは109円から110円程度と見ます。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時     発言者     内容   市場への影響   
12/1 トランプ・米大統領 「首脳同士によるすばらしい取引だ」米中首脳会談を終えて。 --------
12/3 クドロー・米国経済会議(NEC) 「現時点で私はこれを(公約)と呼ぼう。公約は必ずしも貿易合意ではないが、中国側が検討し、恐らく実行するものだ」ホワイトハウスの公式ブリーフィングで。 --------
12/4 ウィリアムズ・NY連銀総裁 「パウエル議長が述べたことと完全に一致していると思うが、米経済は強いが地平線上に(ある程度の)リスクは確実に存在するというのが私の見解だ」記者会見で。 --------
12/5 トランプ・米大統領 中国からとても強いシグナルが送られている」米中首脳会談を終え数日後に。 ドル円は小幅に上昇
12/11 トランプ・米大統領 FRBが利上げをすれば「それは愚かなことだと思うが、私に何が言えよう」ホワイトハウスでロイター通信とのインタビューで。 ドル円は小幅に下落したが限定的
12/12 ドラギ・ECB総裁 「リスクは依然としておおむね均衡しているものの、下方向に向かいつつある」(金利は)「少なくとも2019年夏の終わりまで据え置く」理事会後の記者会見で。 ユーロドル下落
12/17 トランプ・米大統領 「ドルはとても強く、インフレは事実上存在せず、米国以外の世界は荒れている。パリは燃え、中国は急降下だ。米金融当局がまた金利を上げようと検討しているだけでも、信じがたい。勝利をつかめ!」FOMCを前に。 --------
12/18 トランプ・米大統領 「FOMCの出席者はまた誤りを犯す前に、本日のウォール・ストリート・ジャーナル社説を読んだ方がいいだろう」「市場の流動性をこれ以上引き締めるべきではない。500億ドルなどやめろ。相場を感じ、意味のない数字にとらわれるな。幸運を祈る」FOMCを前に。 --------
12/18 ムニューシン・米財務長官 「ドルが強い理由の一部は人々の米国経済への見解や、世界の他の国々の成長と比較した米経済の成長にある」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
12/19 FOMC声明文 「連邦準備法に定める責務に従い、委員会は最大限の雇用確保と物価安定の促進を目指す。委員会は、FF金利目標レンジを漸進的にさらに幾分か引き上げることが、経済活動の持続的拡大、力強い労働市場環境、およびインフレ率が中期的に委員会の対称的な2%目標付近で推移することと合致すると判断している」 予想より「ハト派的ではない」と受け止められて大幅な株安に
12/24 トランプ・米大統領 「米国経済が抱える唯一の問題はFRBだ。相場感覚がなく、必要不可欠な貿易戦争のほか、ドル高、国境問題により民主党が政府機関を閉鎖したことすら理解していない」株価の暴落を受けて。 --------
1/3 ティムクック・アップルCEO 「主要新興市場で幾らか苦戦するとは予想していたが、特に中国圏でこれほどの経済鈍化は見込んでいなかった」売上げ高の下方修正発表時に ドル円108円台から104円台に急落
1/4 パウエル・FRB議長 「景気拡大の軌道を維持する上で適切だと判断した場合は、われわれは政策を迅速かつ柔軟に調整し、経済を支える手段全てを活用する用意を整える」AEAの年次会合で。 ドル円小幅に上昇。NYダウ6746ドルの急騰
1/7 ボスティック・アトランタ連銀総裁 「今年に入る前、1年前に私は、2019年の利上げ回数を2回とみていた。今では19年は1回だとみる」アトランタのロータリークラブの講演で。 --------
1/9 ブラード・セントルイス連銀総裁 「これ以上利上げをした場合、米国経済はリッセンションに陥る恐れがあることを懸念している。」WSJ紙とのインタビューで。 --------
1/15 ドラギ・ECB総裁 「域内の価格圧力をさらに高め、総合インフレ率の中期的な展開を後押しするため、大規模な金融緩和が依然必要」欧州議会で。 ユーロドル1.14台から1.13台後半まで下落
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和