今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2019年1月25日(金) 「ユーロドル5週間ぶりに1.13を割り込む」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円はやや膠着状態。109円76銭まで上昇したものの、前日同様に110円に近づく水準ではドル売り意欲も旺盛となり109円台半ばへと押し戻される。
  • ドラギECB総裁が「景気のリスクが下方に転じた」と発言したことを材料にユーロ売りが加速。1.13を割り込み、1.1289までユーロ安が進行。
  • 株式市場はまちまち。半導体株が上昇しナスダックを押し上げたものの、ダウは反落し22ドル安。
  • 債券相場は反発。長期金利は2.71%台まで低下。
  • 金は3日ぶりに下げ、原油は反発。
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 新規失業保険申請件数 → 19.9万件
 12月景気先行指標総合指数 → −0.1%
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ドル/円 109.42 〜 109.76
ユーロ/ドル 1.1289 〜 1.1381
ユーロ/円 123.79 〜 124.59
NYダウ −22.38 → 24,553.24ドル
GOLD −4.20 → 1,279.80ドル
WTI +0.51 → 53.13ドル
米10年国債 −0.029 → 2.712%

本日の注目イベント

  • 独 独1月ifo景況感指数
  • 米 12月新築住宅販売件数

明確な方向感がなく、もみ合いが続いていたユーロドルは、ドラギECB総裁の発言をきっかけに急落し、一時は1.1289まで売られ、昨年12月14日以来となるユーロ安を記録しました。

ドラギ総裁はECBの理事会後の記者会見で「成長リスクは下方方向に転じた」とし、「特に地政学的要因に関する不透明感の持続と保護主義の脅威がセンチメントの重しとなっている」と述べました。また「ユーロ圏経済がリセッションに陥る可能性は低いとの見解で当局者らは一致したが、域内の一部が深刻な景気下降に陥れば、域内他国に広がる可能性はあると認めた」とも述べ、(ブルームバーグ)今年の秋と見られていたECBの利上げが、さらに遅れる可能性も出てきました。

来週30−31日に行われる予定の米中次官級による通商協議を巡って、ロス商務長官はややネガティブな見方を示しています。長官はブルームバーグとのインタビューで「米国と中国は貿易戦争の終結を強く願っているが、結末がどうなるかは中国が経済改革を深化させ、市場を一段と開放するかどうかにかかっている」と語っています。そしてさらに、「より難しい問題は構造改革、特に知的財産権に関するものだ」とも述べています。中国側が米国からの輸入を拡大させ、2024年までには対米貿易黒字額をゼロにするといった提案を、米国側は一定の評価をしているものの、「知的財産権などの重要課題ではなんら進展は見られない」と述べていたUSTR幹部の発言と一致するものです。来週の米中協議で、どこまで進展が見られるのか、非常に注目されます。

ドル円はこのような状況の中、健闘していると昨日書きましたが、一方では110円に接近すると押し戻される展開が続き、やや膠着感が強まってきました。米中通商協議の行方や、米政府機関閉鎖解除のメドがたたないことで積極的にポジションをどちらにも傾けられないことが背景と見られます。そのため昨日は、週間失業保険申請件数が予想を大きく下回ったにもかかわらず、相場への影響は見られませんでした。同指数は20万件を下回り、19.9万件と、実に49年ぶりの低水準でした。

ドル円は109円30−80銭の間でもみ合っています。上記2つの材料次第ではどちらに転んでもおかしくありません。来週30−31日の結果が分かるまでは様子見ですが、翌日の1日には早くも1月の雇用統計が発表されます。本日の予想レンジは上記30−80銭が基本になりますが、上下10銭を考慮して、109円20銭〜90銭程度とみます。


「国際ロマンス詐欺」・・・聞きなれない言葉だと思っていたら、最近は結構流行(?)しているようです。外国人が「軍人」や「軍医」などをかたり、40−50代の女性をターゲットに恋愛感情を利用してお金を騙し取る詐欺のことだそうです。2018年5−12月ではすでに481件の被害が出ているとのこと。一人当たりの被害額も445万を超えており、決して少なくはありません。「オレオレ詐欺」とは違った、新たな手口の詐欺です。疑わしいものは全て無視することが肝要です。「内憂外患」・・・・・?よい週末を・・・・・。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時     発言者     内容   市場への影響   
12/1 トランプ・米大統領 「首脳同士によるすばらしい取引だ」米中首脳会談を終えて。 --------
12/3 クドロー・米国経済会議(NEC) 「現時点で私はこれを(公約)と呼ぼう。公約は必ずしも貿易合意ではないが、中国側が検討し、恐らく実行するものだ」ホワイトハウスの公式ブリーフィングで。 --------
12/4 ウィリアムズ・NY連銀総裁 「パウエル議長が述べたことと完全に一致していると思うが、米経済は強いが地平線上に(ある程度の)リスクは確実に存在するというのが私の見解だ」記者会見で。 --------
12/5 トランプ・米大統領 中国からとても強いシグナルが送られている」米中首脳会談を終え数日後に。 ドル円は小幅に上昇
12/11 トランプ・米大統領 FRBが利上げをすれば「それは愚かなことだと思うが、私に何が言えよう」ホワイトハウスでロイター通信とのインタビューで。 ドル円は小幅に下落したが限定的
12/12 ドラギ・ECB総裁 「リスクは依然としておおむね均衡しているものの、下方向に向かいつつある」(金利は)「少なくとも2019年夏の終わりまで据え置く」理事会後の記者会見で。 ユーロドル下落
12/17 トランプ・米大統領 「ドルはとても強く、インフレは事実上存在せず、米国以外の世界は荒れている。パリは燃え、中国は急降下だ。米金融当局がまた金利を上げようと検討しているだけでも、信じがたい。勝利をつかめ!」FOMCを前に。 --------
12/18 トランプ・米大統領 「FOMCの出席者はまた誤りを犯す前に、本日のウォール・ストリート・ジャーナル社説を読んだ方がいいだろう」「市場の流動性をこれ以上引き締めるべきではない。500億ドルなどやめろ。相場を感じ、意味のない数字にとらわれるな。幸運を祈る」FOMCを前に。 --------
12/18 ムニューシン・米財務長官 「ドルが強い理由の一部は人々の米国経済への見解や、世界の他の国々の成長と比較した米経済の成長にある」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
12/19 FOMC声明文 「連邦準備法に定める責務に従い、委員会は最大限の雇用確保と物価安定の促進を目指す。委員会は、FF金利目標レンジを漸進的にさらに幾分か引き上げることが、経済活動の持続的拡大、力強い労働市場環境、およびインフレ率が中期的に委員会の対称的な2%目標付近で推移することと合致すると判断している」 予想より「ハト派的ではない」と受け止められて大幅な株安に
12/24 トランプ・米大統領 「米国経済が抱える唯一の問題はFRBだ。相場感覚がなく、必要不可欠な貿易戦争のほか、ドル高、国境問題により民主党が政府機関を閉鎖したことすら理解していない」株価の暴落を受けて。 --------
1/3 ティムクック・アップルCEO 「主要新興市場で幾らか苦戦するとは予想していたが、特に中国圏でこれほどの経済鈍化は見込んでいなかった」売上げ高の下方修正発表時に ドル円108円台から104円台に急落
1/4 パウエル・FRB議長 「景気拡大の軌道を維持する上で適切だと判断した場合は、われわれは政策を迅速かつ柔軟に調整し、経済を支える手段全てを活用する用意を整える」AEAの年次会合で。 ドル円小幅に上昇。NYダウ6746ドルの急騰
1/7 ボスティック・アトランタ連銀総裁 「今年に入る前、1年前に私は、2019年の利上げ回数を2回とみていた。今では19年は1回だとみる」アトランタのロータリークラブの講演で。 --------
1/9 ブラード・セントルイス連銀総裁 「これ以上利上げをした場合、米国経済はリッセンションに陥る恐れがあることを懸念している。」WSJ紙とのインタビューで。 --------
1/15 ドラギ・ECB総裁 「域内の価格圧力をさらに高め、総合インフレ率の中期的な展開を後押しするため、大規模な金融緩和が依然必要」欧州議会で。 ユーロドル1.14台から1.13台後半まで下落
1/22 クドロー・国家経済会議(NEC)委員長 「今月末のワシントンでの劉鶴副首相との会合が非常に重要であり、決定的なものになるだろう」CNBCとのインタビューで。 ドルと株価が小幅に反発
1/23 ハセット・大統領経済諮問委員会(CEA)委員長 「米政府機関の一部閉鎖が3月末まで続けば、第1四半期は経済成長がゼロになる可能性がある」。 ドル円と株価を下押し
1/23 王岐山・中国副主席 「単独行動主義と保護主義、ポピュリズムに脅かされている。弱いものいじめや、自国至上主義に基づく行動は拒絶する」ダボス会議の講演で。 --------
1/24 ロス・米商務長官 「米国と中国は貿易戦争の終結を強く願っているが、結末がどうなるかは中国が経済改革を深化させ、市場を一段と開放するかどうかにかかっている」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
1/24 ドラギ・ECB総裁 「成長リスクは下方方向に転じた。特に地政学的要因に関する不透明感の持続と保護主義の脅威がセンチメントの重しとなっている」理事会後の記者会見で。 ユーロドル1.1375水準1.1290前後まで下落
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和