今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2019年1月28日(月) 「ドル円109円台後半から反落」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は株価の上昇や、米政府機関閉鎖を一時的に解除することが決まったことで上昇。再び110円を試す動きが見られたものの、109円95銭で天井をつけ反落。トランプ大統領が再び政府機関を閉鎖する可能性に言及したことがドル売りを誘い、109円46銭まで下落。
  • ユーロドルは小幅に上昇。前日1.13を割り込んだものの、再びドル安の流れが強まり、1.1418前後まで上昇。
  • 株式市場は揃って上昇。政府機関閉鎖解除の合意や好調な企業決算などを手がかりにダウは183ドル上昇し、ナスダックも91ポイント上昇。
  • 債券相場は反落。長期金利は大幅に上昇し、2.75%台に。
  • 金と原油はともに上昇。
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 政府機関閉鎖の影響により、耐久財受注などの経済指標発表は延期。
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ドル/円 109.46 〜 109.95
ユーロ/ドル 1.1340 〜 1.1418
ユーロ/円 124.60 〜 125.32
NYダウ +183.96 → 24,737.20ドル
GOLD +18.30 → 1,298.10ドル
WTI +0.56 → 53.69ドル
米10年国債 +0.043 → 2.758%

本日の注目イベント

  • 日 日銀金融政策決定会合、議事要旨
  • 中 中国 12月工業利益
  • 欧 ユーロ圏12月マネーサプライ
  • 欧 ドラギ・ECB総裁講演
  • 英 カーニー・BOE総裁講演
  • 米 米議会予算局(CBO)年次報告書

トランプ大統領は先週25日、35日間続いた政府機関の一部閉鎖を解除する法案に署名しました。メキシコ国境の壁建設費用を巡り議会と対立していましたが、結局壁建設費用は含まれずトランプ氏がペロシ下院議長に屈した格好になったとブルームバーグは伝えています。

今回の合意はトランプ大統領にとって劇的な方針転換だったと、ブルームバーグは報じています。大統領は国境の壁建設費用が確保されない限り、政府閉鎖の再開は認めないと過去5週間にわたって主張していましたが、自身の支持率が低下したほか、空の交通に混乱が生じ、税還付の円滑なプロセスが脅かされたことが背景にあったようです。

ただその後、トランプ氏はホワイトハウスで記者団に対し、新たな政府機関の閉鎖あるいは国家非常事態宣言によって壁建設費用の請求は続けると表明し、これがドル売りを誘ったと見られます。マルバニー大統領主席補佐官はFOXニュース・サンデーでのイタビューで「誰も政府閉鎖を望んでいない。それは望ましい結果ではない」と発言した上で、「歳出法案として提示されたものをトランプ大統領が拒否権を行使した場合は、政府機関の閉鎖という結果を生むことがある」と述べています。トランプ氏が壁建設に固執していることは明らかで、今回の一時解除が終了する2月15日以降には、再び政府機関の一部閉鎖という事態に戻るかもしれません。

先週ドル円は109円30−80銭前後で上下とも抜け切れない展開が続いていると述べましたが、先週金曜日の動きもほぼその通りでした。今週は確実にそのレンジをどちらかに抜けると思われます。相場を動かす材料が目白押しだからです。特に30日(水)には重要イベントが集中しています。この日から米中通商協議が始まります。残された時間は1カ月しかありません。中国側がどこまで譲歩してくるのかが焦点です。そして、この日には今年最初となるFOMCがあり、今年からパウエル議長の会見も行われます。市場ではFRBが保有資産の縮小を早めるのではないかといった意見が取りざたされています。さらにこの日には財務省が発表する四半期定例入札の詳細発表があります。この他にも第4四半期GDPの速報値発表が予定されており、週末には早くも1月の雇用統計があります。相場を動かすには事欠かないはずです。

1月も今週で終わりますが、今月は「年初のドル急落」以外は比較的穏やかな相場展開でした。株式市場では1日の振れが大きく、まだ落ち着いてはいませんが、「VIX指数」も危険水域を下回って推移しています。どちらかといえば、まだ上値の重い展開が続いていると見ていますが、ドル円が底堅く推移しているのも事実です。今週末を終えたあたりでは、ある程度の方向性は見えてくるのではないかと期待しています。本日のレンジは109円20銭〜110円程度を予想しています。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時     発言者     内容   市場への影響   
12/1 トランプ・米大統領 「首脳同士によるすばらしい取引だ」米中首脳会談を終えて。 --------
12/3 クドロー・米国経済会議(NEC) 「現時点で私はこれを(公約)と呼ぼう。公約は必ずしも貿易合意ではないが、中国側が検討し、恐らく実行するものだ」ホワイトハウスの公式ブリーフィングで。 --------
12/4 ウィリアムズ・NY連銀総裁 「パウエル議長が述べたことと完全に一致していると思うが、米経済は強いが地平線上に(ある程度の)リスクは確実に存在するというのが私の見解だ」記者会見で。 --------
12/5 トランプ・米大統領 中国からとても強いシグナルが送られている」米中首脳会談を終え数日後に。 ドル円は小幅に上昇
12/11 トランプ・米大統領 FRBが利上げをすれば「それは愚かなことだと思うが、私に何が言えよう」ホワイトハウスでロイター通信とのインタビューで。 ドル円は小幅に下落したが限定的
12/12 ドラギ・ECB総裁 「リスクは依然としておおむね均衡しているものの、下方向に向かいつつある」(金利は)「少なくとも2019年夏の終わりまで据え置く」理事会後の記者会見で。 ユーロドル下落
12/17 トランプ・米大統領 「ドルはとても強く、インフレは事実上存在せず、米国以外の世界は荒れている。パリは燃え、中国は急降下だ。米金融当局がまた金利を上げようと検討しているだけでも、信じがたい。勝利をつかめ!」FOMCを前に。 --------
12/18 トランプ・米大統領 「FOMCの出席者はまた誤りを犯す前に、本日のウォール・ストリート・ジャーナル社説を読んだ方がいいだろう」「市場の流動性をこれ以上引き締めるべきではない。500億ドルなどやめろ。相場を感じ、意味のない数字にとらわれるな。幸運を祈る」FOMCを前に。 --------
12/18 ムニューシン・米財務長官 「ドルが強い理由の一部は人々の米国経済への見解や、世界の他の国々の成長と比較した米経済の成長にある」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
12/19 FOMC声明文 「連邦準備法に定める責務に従い、委員会は最大限の雇用確保と物価安定の促進を目指す。委員会は、FF金利目標レンジを漸進的にさらに幾分か引き上げることが、経済活動の持続的拡大、力強い労働市場環境、およびインフレ率が中期的に委員会の対称的な2%目標付近で推移することと合致すると判断している」 予想より「ハト派的ではない」と受け止められて大幅な株安に
12/24 トランプ・米大統領 「米国経済が抱える唯一の問題はFRBだ。相場感覚がなく、必要不可欠な貿易戦争のほか、ドル高、国境問題により民主党が政府機関を閉鎖したことすら理解していない」株価の暴落を受けて。 --------
1/3 ティムクック・アップルCEO 「主要新興市場で幾らか苦戦するとは予想していたが、特に中国圏でこれほどの経済鈍化は見込んでいなかった」売上げ高の下方修正発表時に ドル円108円台から104円台に急落
1/4 パウエル・FRB議長 「景気拡大の軌道を維持する上で適切だと判断した場合は、われわれは政策を迅速かつ柔軟に調整し、経済を支える手段全てを活用する用意を整える」AEAの年次会合で。 ドル円小幅に上昇。NYダウ6746ドルの急騰
1/7 ボスティック・アトランタ連銀総裁 「今年に入る前、1年前に私は、2019年の利上げ回数を2回とみていた。今では19年は1回だとみる」アトランタのロータリークラブの講演で。 --------
1/9 ブラード・セントルイス連銀総裁 「これ以上利上げをした場合、米国経済はリッセンションに陥る恐れがあることを懸念している。」WSJ紙とのインタビューで。 --------
1/15 ドラギ・ECB総裁 「域内の価格圧力をさらに高め、総合インフレ率の中期的な展開を後押しするため、大規模な金融緩和が依然必要」欧州議会で。 ユーロドル1.14台から1.13台後半まで下落
1/22 クドロー・国家経済会議(NEC)委員長 「今月末のワシントンでの劉鶴副首相との会合が非常に重要であり、決定的なものになるだろう」CNBCとのインタビューで。 ドルと株価が小幅に反発
1/23 ハセット・大統領経済諮問委員会(CEA)委員長 「米政府機関の一部閉鎖が3月末まで続けば、第1四半期は経済成長がゼロになる可能性がある」。 ドル円と株価を下押し
1/23 王岐山・中国副主席 「単独行動主義と保護主義、ポピュリズムに脅かされている。弱いものいじめや、自国至上主義に基づく行動は拒絶する」ダボス会議の講演で。 --------
1/24 ロス・米商務長官 「米国と中国は貿易戦争の終結を強く願っているが、結末がどうなるかは中国が経済改革を深化させ、市場を一段と開放するかどうかにかかっている」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
1/24 ドラギ・ECB総裁 「成長リスクは下方方向に転じた。特に地政学的要因に関する不透明感の持続と保護主義の脅威がセンチメントの重しとなっている」理事会後の記者会見で。 ユーロドル1.1375水準1.1290前後まで下落
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和