2019年2月1日(金) 「ドル円108円台半ばまで下落」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円はアジア市場でドル売りが進んだ流れを受け108円50銭前後まで下落し、1月16日以来となる円高水準を記録。その後、米中通商協議進展への期待感からドルの買い戻しが進み108円94銭まで反発。
- ユーロドルは前日の1.15台から反落。ドイツの経済指標が予想を下回ったことなどが重しとなり、1.1435まで下落。
- 株式市場は続伸したものの、ダウは15ドル安。ナスダックは98ポイント上昇し、S&P500も続伸して引ける。
- 債券相場は4日続伸。長期金利は低下し、3週間ぶりに2.62%台まで低下。
- ドル安の流れから金は5日続伸し1325ドル台に。原油価格は反落し54ドルを割り込む。
新規失業保険申請件数 → 25.3万件
10−12月雇用コスト指数 → 0.7%
1月シカゴ購買部協会景気指数 → 56.7
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| ドル/円 | 108.50 〜 108.94 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1435 〜 1.1495 |
| ユーロ/円 | 124.48 〜 124.95 |
| NYダウ | −15.19 → 24,999.67ドル |
| GOLD | +9.70 → 1,325.20ドル |
| WTI | −0.44 → 53.79ドル |
| 米10年国債 | −0.048 → 2.629% |
本日の注目イベント
- 豪 豪第4四半期生産者物価指数
- 日 12月失業率
- 中 1月財新製造業PMI
- 欧 ユーロ圏1月消費者物価指数(速報値)
- 米 1月自動車販売台数
- 米 1月雇用統計
- 米 1月ISM製造業景況指数
- 米 1月ミシガン大学消費者マインド(速報値)
前日のパウエル議長による「ハト派寄りの発言」から、米国株が大幅高になったことを受け、昨日の日経平均株価も一時は300円ほど上昇する場面もありました。引け値では216円高と、やや押し戻されましたが堅調な動きでした。ドル円は「米金利は今後上昇しにくい」との見立てから、株価の上昇にも関わらずジリジリと値を下げ108円64銭近辺まで売られ、NY市場ではその流れから、108円50銭までドル安が進みました。
ただその後は米中通商協議の進展期待から、108円台後半まで反発しています。最終日を迎えた閣僚級の米中通商協議について、トランプ大統領は交渉がうまくいっていると述べ、「友人である中国の習近平国家主席と私が近い将来に会談し、長年にわたる困難な問題のいくつかで合意するまで、最終的な決着はない」とツイートしています。また、「中国からの輸入に対して関税は3月1日に25%に上昇する。従ってその日までに完了できるよう全員が懸命に取り組んでいる」(ブルームバーグ)と述べ、これまでになく前向きな言葉を発しています。
注目された米中通商協議は予想したように、両国とも最悪の事態は避けたいという前提に立って話し合われた模様で、現時点では詳しい内容は明らかにされてはいません。最終合意には至っていないものの、期限の延長も含めた継続協議に向かっているようで、今朝のウォール・ストリ―ト・ジャーナル(WSJ)は劉鶴副首相率いる中国の通商代表団はトランプ大統領と習近平国家主席との会談を2月末に中国・海南省で開催することを提案したと伝えています。
このように米中協議は最終的な合意の可能性を残しながら終了したようですが、もう一方の懸念材料である米政府機関の一部閉鎖問題は、メキシコ国境の壁建設費用を巡って依然不透明です。先週、トランプ大統領が暫定予算に署名し、3週間の閉鎖解除を決めましたが、その期限は今月15日です。トランプ氏はあくまでも壁建設予算の確保に固執しており、「2月15日に委員会はホワイトハウスに再び訪れるが、壁が含まれていない場合は時間の無駄なので結論を読みたいとも思わない」と発言し、これに対しペロシ下院議長は、「法案には壁の予算は盛り込まないだろう」と語っています。仮にこの状況で2月15日を迎えた場合、再び政府機関の一部が閉鎖されることになりそうです。
上値の重いドル円は109円台を回復できるかどうかが注目されます。上記米中通商問題でやや明るい兆しが見えてきたものの、まだ最終的に合意できるかどうかは不透明です。今週から日本企業の第3四半期決算開示が始まりましたが、円の先高観が強まっていることから、キャノンなど、輸出企業の中にはドル円の社内想定レートを下方修正する動きも見られます。そのため、ドルが上昇する局面ではドル売り注文が多く持ち込まれることも予想されます。現状では109円台での戻りは限定的と見ています。本日のレンジは雇用統計があることも考慮して、108円30銭〜109円50銭程度を予想します。
私を含め、多くの世代の日本人が抱く米国のイメージは、「自由、平等、公平、寛容、民主主義」と言った言葉で言い表せるかと思います。NYマンハッタン先端のバッテリーパーク沖合いに浮かぶ「自由の女神」は、そんな米国の象徴です。ところがトランプ政権誕生以来、そのイメージはわれわれだけではなく、米国民の間でも変わってきているようです。NBCとウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が昨年12月20−23日に成人900人を対象に行った調査によると、米国民の63%がトランプ大統領の下で米国が間違った方向に向かっていると回答しています。米国の現状についての感想を総括する言葉として、「無秩序」「混乱」「両極化」「懸念」「修羅場」「衰退」という単語が並んでいます。これでも2020年の大統領選での再選もあり得るのでしょうか?良い週末を・・・・・。
What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 12/1 | トランプ・米大統領 | 「首脳同士によるすばらしい取引だ」米中首脳会談を終えて。 | -------- |
| 12/3 | クドロー・米国経済会議(NEC) | 「現時点で私はこれを(公約)と呼ぼう。公約は必ずしも貿易合意ではないが、中国側が検討し、恐らく実行するものだ」ホワイトハウスの公式ブリーフィングで。 | -------- |
| 12/4 | ウィリアムズ・NY連銀総裁 | 「パウエル議長が述べたことと完全に一致していると思うが、米経済は強いが地平線上に(ある程度の)リスクは確実に存在するというのが私の見解だ」記者会見で。 | -------- |
| 12/5 | トランプ・米大統領 | 中国からとても強いシグナルが送られている」米中首脳会談を終え数日後に。 | ドル円は小幅に上昇 |
| 12/11 | トランプ・米大統領 | FRBが利上げをすれば「それは愚かなことだと思うが、私に何が言えよう」ホワイトハウスでロイター通信とのインタビューで。 | ドル円は小幅に下落したが限定的 |
| 12/12 | ドラギ・ECB総裁 | 「リスクは依然としておおむね均衡しているものの、下方向に向かいつつある」(金利は)「少なくとも2019年夏の終わりまで据え置く」理事会後の記者会見で。 | ユーロドル下落 |
| 12/17 | トランプ・米大統領 | 「ドルはとても強く、インフレは事実上存在せず、米国以外の世界は荒れている。パリは燃え、中国は急降下だ。米金融当局がまた金利を上げようと検討しているだけでも、信じがたい。勝利をつかめ!」FOMCを前に。 | -------- |
| 12/18 | トランプ・米大統領 | 「FOMCの出席者はまた誤りを犯す前に、本日のウォール・ストリート・ジャーナル社説を読んだ方がいいだろう」「市場の流動性をこれ以上引き締めるべきではない。500億ドルなどやめろ。相場を感じ、意味のない数字にとらわれるな。幸運を祈る」FOMCを前に。 | -------- |
| 12/18 | ムニューシン・米財務長官 | 「ドルが強い理由の一部は人々の米国経済への見解や、世界の他の国々の成長と比較した米経済の成長にある」ブルームバーグとのインタビューで。 | -------- |
| 12/19 | FOMC声明文 | 「連邦準備法に定める責務に従い、委員会は最大限の雇用確保と物価安定の促進を目指す。委員会は、FF金利目標レンジを漸進的にさらに幾分か引き上げることが、経済活動の持続的拡大、力強い労働市場環境、およびインフレ率が中期的に委員会の対称的な2%目標付近で推移することと合致すると判断している」 | 予想より「ハト派的ではない」と受け止められて大幅な株安に |
| 12/24 | トランプ・米大統領 | 「米国経済が抱える唯一の問題はFRBだ。相場感覚がなく、必要不可欠な貿易戦争のほか、ドル高、国境問題により民主党が政府機関を閉鎖したことすら理解していない」株価の暴落を受けて。 | -------- |
| 1/3 | ティムクック・アップルCEO | 「主要新興市場で幾らか苦戦するとは予想していたが、特に中国圏でこれほどの経済鈍化は見込んでいなかった」売上げ高の下方修正発表時に | ドル円108円台から104円台に急落 |
| 1/4 | パウエル・FRB議長 | 「景気拡大の軌道を維持する上で適切だと判断した場合は、われわれは政策を迅速かつ柔軟に調整し、経済を支える手段全てを活用する用意を整える」AEAの年次会合で。 | ドル円小幅に上昇。NYダウ6746ドルの急騰 |
| 1/7 | ボスティック・アトランタ連銀総裁 | 「今年に入る前、1年前に私は、2019年の利上げ回数を2回とみていた。今では19年は1回だとみる」アトランタのロータリークラブの講演で。 | -------- |
| 1/9 | ブラード・セントルイス連銀総裁 | 「これ以上利上げをした場合、米国経済はリッセンションに陥る恐れがあることを懸念している。」WSJ紙とのインタビューで。 | -------- |
| 1/15 | ドラギ・ECB総裁 | 「域内の価格圧力をさらに高め、総合インフレ率の中期的な展開を後押しするため、大規模な金融緩和が依然必要」欧州議会で。 | ユーロドル1.14台から1.13台後半まで下落 |
| 1/22 | クドロー・国家経済会議(NEC)委員長 | 「今月末のワシントンでの劉鶴副首相との会合が非常に重要であり、決定的なものになるだろう」CNBCとのインタビューで。 | ドルと株価が小幅に反発 |
| 1/23 | ハセット・大統領経済諮問委員会(CEA)委員長 | 「米政府機関の一部閉鎖が3月末まで続けば、第1四半期は経済成長がゼロになる可能性がある」。 | ドル円と株価を下押し |
| 1/23 | 王岐山・中国副主席 | 「単独行動主義と保護主義、ポピュリズムに脅かされている。弱いものいじめや、自国至上主義に基づく行動は拒絶する」ダボス会議の講演で。 | -------- |
| 1/24 | ロス・米商務長官 | 「米国と中国は貿易戦争の終結を強く願っているが、結末がどうなるかは中国が経済改革を深化させ、市場を一段と開放するかどうかにかかっている」ブルームバーグとのインタビューで。 | -------- |
| 1/24 | ドラギ・ECB総裁 | 「成長リスクは下方方向に転じた。特に地政学的要因に関する不透明感の持続と保護主義の脅威がセンチメントの重しとなっている」理事会後の記者会見で。 | ユーロドル1.1375水準1.1290前後まで下落 |
| 1/30 | パウエル・FRB議長 | 「経済と国外の不確実性が相反する中で、視界が一段とよくなるのを辛抱強く待ち、政策運営では経済データに依存するという常識的なアプローチを取る」FOMC後の会見で。 | ドル円大幅に下落。株価と債券は急騰 |



