2019年2月6日(水) 「市場は米大統領の『一般教書演説』待ち」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は小動きで、NY時間の値幅は20銭程度に留まる。本日の一般教書演説を前に様子見の雰囲気となり、109円台後半での動きに収まる。
- ユーロドルは緩やかに下落し、1.140近辺までユーロ安が進む。
- 株式市場は3日続伸。ボーイングやアップルなどIT株が大きく上昇。ダウは172ドル高で2万5400ドル台を回復。
- 債券市場は反発し、長期金利は再び2.7%を割り込む。
- 金と、原油はともに下落。
1月ISM非製造業景況指数 → 56.7
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| ドル/円 | 109.80 〜 110.00 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1401 〜 1.1434 |
| ユーロ/円 | 125.28 〜 125.63 |
| NYダウ | +172.15 → 25,411.52ドル |
| GOLD | −0.10 → 1,319.20ドル |
| WTI | −0.90 → 53.66ドル |
| 米10年国債 | −0.025 → 2.698% |
本日の注目イベント
- 米 11月貿易収支
- 米 労働生産性(10−12月)
- 加 カナダ12月建設許可件数
ドル円は昨日の東京時間にやや下押しされる場面はあったものの、海外市場では再び110円台に乗せるなど、底堅い動きが続いています。NYダウは3日続伸し、2万5400ドル台を回復したことで、一時の株価大幅下落の恐怖は後退しており、「VIX指数」も15台半ばまで低下しています。リスクオフの流れが弱まったことで、低金利の円が売られる展開が続き、ドル円をサポートしていると見られます。
それにしても、あれだけ大きく売られた米国株が急速に値を戻しているのには驚きです。ダウは昨年12月24日には、その日だけで653ドルも下げ、引け値では2万1800ドルを割込んでいました。10月3日の最高値である2万6800ドル台から、わずか2カ月強で5000ドルの下げでした。通常、高値から15%程度下げると「調整局面入り」と考えられ、上値が抑えられしばらくは戻りが売られる展開が続くのが一般的です。実際昨年末には「株式市場は明らかに調整局面に入った」という声が、あちらこちらから聞かれました。ダウはそこから3800ドル(17.4%)ほど戻したことになります。こうなると、すでに調整局面は終わったことになります。日本株が低迷している中、改めて米国株のダイナミズムには驚きます。
米長期金利は2.7%を挟んで一進一退が続いているため、ドル円は米国株の堅調さに支えられている部分もあります。足元では108円台を固め、110円突破を図っている状況かと考えられますが、ここから一段と上値を試すのか、あるいは再び下落基調に戻るのかなかなか難しい判断です。
本日は午前11時にトランプ大統領の「一般教書演説」があり、まずはこの演説内容に注目です。演説では大統領自身の計画を表明すると思いますが、政治的対立がエスカレートするのかどうかという点と、通商協議の行方を占う上でのヒントがあるかどうかに関心が集まります。メキシコ国境の壁建設費用を巡って民主党との対立を深めているトランプ氏が「非常事態宣言」という「伝家の宝刀」をちらつかせるようなら、ドル円も、株価も下落に転じると思われますが、一方で、予算の額を巡って民主党と交渉の余地を見せるようなら、市場は好感するのではないかと思います。また、中国に農産物やエネルギーで大規模な輸入を確約させたことや、北朝鮮との核廃絶に向けた交渉などを「手柄」としてアピールするのではないかと予想しています。結局演説では、どこまで強気の姿勢を見せトランプ色を出すのかで、市場への影響度が決まってくるということになりそうです。
株式市場に比べて動きが穏やかなのが米債券市場です。米長期金利は、足元では2.7%を挟んでもみ合っていますが、市場のコンセンサスである「年内利上げなし」との見方が金利上昇を抑えています。ただ、債券市場に対して弱気の見方を維持しているフランクリン・テンプルトンの債券グループの責任者は、利上げはないという見方に警鐘を鳴らしています。「大きな外的ショックがない限り、米国がリセッションに陥るとは思わない。米国の労働市場は強く、それが賃金を押し上げ始めている。また、堅調な消費が企業の価格決定力を支える」と、その理由を述べています。(ブルームバーグ)米長期金利が再び3%台を回復するようなら、ドル円は115円方向を目指す可能性がありますが、米国では財政赤字が拡大しており、需給面からは金利上昇圧力が強まっていることは確かです。
本日のドル円は109円50銭〜110円40銭程度を予想します。
What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 1/3 | ティムクック・アップルCEO | 「主要新興市場で幾らか苦戦するとは予想していたが、特に中国圏でこれほどの経済鈍化は見込んでいなかった」売上げ高の下方修正発表時に | ドル円108円台から104円台に急落 |
| 1/4 | パウエル・FRB議長 | 「景気拡大の軌道を維持する上で適切だと判断した場合は、われわれは政策を迅速かつ柔軟に調整し、経済を支える手段全てを活用する用意を整える」AEAの年次会合で。 | ドル円小幅に上昇。NYダウ6746ドルの急騰 |
| 1/7 | ボスティック・アトランタ連銀総裁 | 「今年に入る前、1年前に私は、2019年の利上げ回数を2回とみていた。今では19年は1回だとみる」アトランタのロータリークラブの講演で。 | -------- |
| 1/9 | ブラード・セントルイス連銀総裁 | 「これ以上利上げをした場合、米国経済はリッセンションに陥る恐れがあることを懸念している。」WSJ紙とのインタビューで。 | -------- |
| 1/15 | ドラギ・ECB総裁 | 「域内の価格圧力をさらに高め、総合インフレ率の中期的な展開を後押しするため、大規模な金融緩和が依然必要」欧州議会で。 | ユーロドル1.14台から1.13台後半まで下落 |
| 1/22 | クドロー・国家経済会議(NEC)委員長 | 「今月末のワシントンでの劉鶴副首相との会合が非常に重要であり、決定的なものになるだろう」CNBCとのインタビューで。 | ドルと株価が小幅に反発 |
| 1/23 | ハセット・大統領経済諮問委員会(CEA)委員長 | 「米政府機関の一部閉鎖が3月末まで続けば、第1四半期は経済成長がゼロになる可能性がある」。 | ドル円と株価を下押し |
| 1/23 | 王岐山・中国副主席 | 「単独行動主義と保護主義、ポピュリズムに脅かされている。弱いものいじめや、自国至上主義に基づく行動は拒絶する」ダボス会議の講演で。 | -------- |
| 1/24 | ロス・米商務長官 | 「米国と中国は貿易戦争の終結を強く願っているが、結末がどうなるかは中国が経済改革を深化させ、市場を一段と開放するかどうかにかかっている」ブルームバーグとのインタビューで。 | -------- |
| 1/24 | ドラギ・ECB総裁 | 「成長リスクは下方方向に転じた。特に地政学的要因に関する不透明感の持続と保護主義の脅威がセンチメントの重しとなっている」理事会後の記者会見で。 | ユーロドル1.1375水準1.1290前後まで下落 |
| 1/30 | パウエル・FRB議長 | 「経済と国外の不確実性が相反する中で、視界が一段とよくなるのを辛抱強く待ち、政策運営では経済データに依存するという常識的なアプローチを取る」FOMC後の会見で。 | ドル円大幅に下落。株価と債券は急騰 |
| 2/5 | 長井・元日銀国際局 | 「米中貿易摩擦や中国経済への懸念などから円相場が今年前半に1ドル=95円程度まで円高になる可能性があり、その時は安倍政権との関係からも、日銀が何もやらないというのはないだろう」ブルームバーグとのインタビューで。 | -------- |



