2019年2月8日(金) 「米中貿易問題再燃の可能性浮上」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は欧州時間に110円台を何度かテストするも維持できず反落。NY時間では株価が下げ、長期金利も低下し、さらに米中貿易問題の再燃懸念から109円61銭までドル安が進む。
- ユーロドルは欧州景気の悪化で業績懸念が強まり下落。1.1330まで売られ、下値を徐々に切り下げる展開に。
- 株式市場は続落。米中首脳会談の実現が危ぶまれる状況を理由に下げ幅を拡大。ダウは220ドル下げ、他の主要指数も揃って続落。
- 株価の下落を背景に債券は続伸。長期金利は2.65%台へと低下。
- 金は4日続落し、原油も大幅に反落。
新規失業保険申請件数 → 23.4万件
12月消費者信用残高 → 165.5億ドル
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| ドル/円 | 109.61 〜 109.88 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1330 〜 1.1360 |
| ユーロ/円 | 124.34 〜 124.74 |
| NYダウ | −220.77 → 25,169.53ドル |
| GOLD | −0.20 → 1314.20ドル |
| WTI | −1.37 → 52.69ドル |
| 米10年国債 | −0.038 → 2.657% |
本日の注目イベント
- 豪 RBA四半期金融政策報告
- 日 1月景気ウオッチャー調査
- 日 12月国際収支
- 独 独12月貿易収支
- 独 独12月経常収支
- 加 カナダ1月住宅着工件数
- 加 カナダ1月就業者数
- 加 カナダ1月失業率
ドル円は109円台半ばから110円台前半でのもみ合いが続いています。昨日も110円台を何度かテストした後、109円60銭前後まで売られ、その後再び109円台後半まで反発しています。米政府機関が再び閉鎖されるリスクと、米中通商協議の行方に不透明感が払拭できないことから、投資家がポジションを一方方向に傾けにくいことが根底にありそうです。
その米中通商協議を巡って、今月末にも予定されていたトランプ大統領と習近平国家主席との直接会談の可能性がなくなったようです。トランプ大統領は7日ホワイトハウスで、対中関税引き上げ回避に向けた米中通商協議の交渉期限である3月1日までに中国の習近平国家主席と会談することにはならないだろうと述べました。トランプ氏は記者団から今月中に習近平主席と会談するかどうか尋ねられ、「しない」と答え首を横に振り、「可能性は低い」と述べたと、ブルームバーグは報じています。
今週初めまでは会談は中国海南島で行われると、会談場所まで決まっている雰囲気でしたが、突然の会談取り止めに市場はやや戸惑っている状況です。ただ、ホワイトハウスのクドロー国家経済会議(NEC)議長はこの日、トランプ大統領の発言に先立ち、米中首脳会談は「かなり先」になるが、ある時点で会談が行われると依然確信していると述べています。また、来週にはムニューシン財務長官と、ライトハイザーUSTR代表が北京を訪問し、首脳会談の日程も含めて話し合いが持たれることになっているため、会談の実現の可能性が全くなくなったとは言い切れない状況かと思われます。これもトランプ氏得意の「ディール」のひとコマかもしれないと考えるのは勘ぐりすぎでしょうか?
トランプ氏の発言を受けて、対中関税引き上げの可能性が高まったとの見方が強まり、ドル円は下落し、株価はマイナス幅を拡大しています。それでもドル円の下落は今のところ限定的です。ユーロドルがさらに売られ、「ドル高ユーロ安」が進んでいることから、ドル円でも「円売り」の動きが出ているようで、ドル円の下落を抑制しています。110円台乗せを何度も見せながらも、それ以上の上昇が抑えられているドル円ですが、109円台半ばをしっかりと割り込むと、ドル下落の勢いが強まることも予想されます。
本日は米国株がここ1週間の中では下げ幅が大きく、さらに長期金利も上値が重くなっています。本日の日本株が思いのほか下げ幅を拡大するようだと、ドル円もサポート水準をブレイクして下げ足を早めるかもしれません。ユーロドルの動きとともに見ていく必要があります。本日の予想レンジは109円20銭〜110円10銭程度と見ています。
今週水曜日に行われたトランプ大統領の「一般教書演説」は米国東部時間21時から行われたにもかかわらず、全米にライブ放送されました。いつもとは異なり、トランプ大統領はゆっくりと、一語一語をかみしめるように話していたのが印象的でした。ひときわ目を引いたのが、一部女性議員の服装です。女性蔑視発言に抗議する民主党議員は白いスーツ姿で議会に臨みました。昨年の「一般教書演説」でも同様な抗議を行いましたが、その相手であるトランプ氏は「どこ吹く風」と、全く意に介していません。少なくともあと2回は、このようなシーンを目にすることになりますが、2回で済むのかどうか。。。。。?良い週末を・・・・・。
What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 1/3 | ティムクック・アップルCEO | 「主要新興市場で幾らか苦戦するとは予想していたが、特に中国圏でこれほどの経済鈍化は見込んでいなかった」売上げ高の下方修正発表時に | ドル円108円台から104円台に急落 |
| 1/4 | パウエル・FRB議長 | 「景気拡大の軌道を維持する上で適切だと判断した場合は、われわれは政策を迅速かつ柔軟に調整し、経済を支える手段全てを活用する用意を整える」AEAの年次会合で。 | ドル円小幅に上昇。NYダウ6746ドルの急騰 |
| 1/7 | ボスティック・アトランタ連銀総裁 | 「今年に入る前、1年前に私は、2019年の利上げ回数を2回とみていた。今では19年は1回だとみる」アトランタのロータリークラブの講演で。 | -------- |
| 1/9 | ブラード・セントルイス連銀総裁 | 「これ以上利上げをした場合、米国経済はリッセンションに陥る恐れがあることを懸念している。」WSJ紙とのインタビューで。 | -------- |
| 1/15 | ドラギ・ECB総裁 | 「域内の価格圧力をさらに高め、総合インフレ率の中期的な展開を後押しするため、大規模な金融緩和が依然必要」欧州議会で。 | ユーロドル1.14台から1.13台後半まで下落 |
| 1/22 | クドロー・国家経済会議(NEC)委員長 | 「今月末のワシントンでの劉鶴副首相との会合が非常に重要であり、決定的なものになるだろう」CNBCとのインタビューで。 | ドルと株価が小幅に反発 |
| 1/23 | ハセット・大統領経済諮問委員会(CEA)委員長 | 「米政府機関の一部閉鎖が3月末まで続けば、第1四半期は経済成長がゼロになる可能性がある」。 | ドル円と株価を下押し |
| 1/23 | 王岐山・中国副主席 | 「単独行動主義と保護主義、ポピュリズムに脅かされている。弱いものいじめや、自国至上主義に基づく行動は拒絶する」ダボス会議の講演で。 | -------- |
| 1/24 | ロス・米商務長官 | 「米国と中国は貿易戦争の終結を強く願っているが、結末がどうなるかは中国が経済改革を深化させ、市場を一段と開放するかどうかにかかっている」ブルームバーグとのインタビューで。 | -------- |
| 1/24 | ドラギ・ECB総裁 | 「成長リスクは下方方向に転じた。特に地政学的要因に関する不透明感の持続と保護主義の脅威がセンチメントの重しとなっている」理事会後の記者会見で。 | ユーロドル1.1375水準1.1290前後まで下落 |
| 1/30 | パウエル・FRB議長 | 「経済と国外の不確実性が相反する中で、視界が一段とよくなるのを辛抱強く待ち、政策運営では経済データに依存するという常識的なアプローチを取る」FOMC後の会見で。 | ドル円大幅に下落。株価と債券は急騰 |
| 2/5 | 長井・元日銀国際局 | 「米中貿易摩擦や中国経済への懸念などから円相場が今年前半に1ドル=95円程度まで円高になる可能性があり、その時は安倍政権との関係からも、日銀が何もやらないというのはないだろう」ブルームバーグとのインタビューで。 | -------- |
| 2/5 | トランプ・米大統領 | 「私は中国の習近平国家主席に多大な敬意を抱いており、米政権は現在、中国との新たな通商合意に向けて作業をしている」「しかし、合意には不公正な貿易慣行を終わらせ、米国の恒常的赤字を減らし、米国民の雇用を守るように、本物の構造改革が盛り込まれる必要がある」一般教書演説で。 | ドル円大幅に下落 |
| 2/6 | イエレン前・FRB議長 | 「次の行動が利下げになる可能性は確かにあるが、利下げ・利上げ両方の可能性がある」CNBCとのインタビューで。 | -------- |



