2019年2月13日(水) 「ドル円110円台半ばで堅調に推移」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は110円台半ばを中心にもみ合い。110円35から55銭の間で、値幅もわずか20銭に留まる。
- ユーロドルは反発して1.1340前後まで買い戻される。前日の1.12台半ばでは下値警戒感も出ており、利益確定の買い戻しが優勢に。
- 株式市場は大幅に反発。上下両院が国境警備予算案で合意したことを好感。ダウは372ドル上昇し、ほぼ全面高となり、他の主要指数も揃って大幅に上昇。
- 債券相場は続落。長期金利は2.68%へと上昇したが、商いは盛り上がらず。
- 金と原油はともに上昇。
| ドル/円 | 110.35 〜 110.55 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1288 〜 1.1340 |
| ユーロ/円 | 124.63 〜 125.27 |
| NYダウ | +372.65 → 25,425.76ドル |
| GOLD | +2.10 → 1314.00ドル |
| WTI | +0.69 → 53.10ドル |
| 米10年国債 | +0.031 → 2.684% |
本日の注目イベント
- 豪 豪2月ウエストパック消費者信頼感指数
- 欧 ユーロ圏12月鉱工業生産
- 英 英1月物価統計
- 米 1月消費者物価指数
- 米 12月財政収支
- 米 メスター・クリーブランド連銀総裁講演
- 米 ボスティック・アトランタ連銀総裁講演
ドル円は110円台半ばで堅調に推移しているものの、日米の株価が大幅に上昇した割には、上値を追えていない印象です。昨日の日本株は、出遅れ感や割安感などから大幅に買われ、予想外の上昇を見せました。日経平均株価が今年最大の上げ幅となる531円高で引け、この流れを受けたNY株式市場でも、ダウは372ドル上昇し、こちらも今年の最高値で引けています。それでもドル円の高値は東京時間に記録した110円65銭前後で、いまいち盛り上がりに欠けています。もっとも、ドル円の110円台半ばという水準も、今年のドル最高値であったことから個人投資家を中心に利益確定のドル売り注文も多かったのではと推量できます。
注目の米政府機関の再閉鎖問題ではやや進展がありました。米上下両院のメキシコ国境警備予算を巡る交渉担当者は11日夜、再度の政府機関閉鎖回避に向け「原則合意」に達したことを発表しています。(ブルームバーグ)ただこの暫定案に盛り込まれた壁建設予算は、トランプ大統領が議会に求めてきた57億ドル(約6300億円)にはほど遠い13億7500万ドル(約1500億円)であることから、このままトランプ氏が暫定予算案に署名するかどうかは依然として不明です。
トランプ氏は11日、メキシコ国境に近いテキサス州エルパソの選挙集会の会場で支持者を前に、「私は壁をつくる」と宣言しています。暫定予算の切れる15日まで、本日を含めて3日しかありません。市民生活が再び混乱するのを回避するのか、あるいは非常事態宣言を発動して、あくまでも壁建設にこだわるのか、トランプ氏の心ひとつです。最新の情報では、国境警備予算についてトランプ氏は、満足はしていないが検討はすると述べているようです。個人的には、共和・民主両党で合意した壁建設予算に署名すると予想しています。再び市民生活を混乱させることは、共和党内部からも反感を招くことになり、2020年の大統領選にも影響してくる可能性があるからです。昨日の米国株が大幅上昇した背景には、そんな読みもあったのではと思います。
15日には暫定予算の期限が来ますが、それだけではありません。米中通商協議も大詰めを迎えるようです。昨日から北京で行われている次官級協議に、本日からはUSTRのライトハイザー代表とムニューシン財務長官も参加する予定です。トランプ氏は「真の取引だと考えられるような合意が近く、実際に成立させられるとの手応えがこちらにあるようなら、少しの間、期限を大目に見ることが可能だ」(ブルームバーグ)と述べ、3月1日の交渉期限延長に柔軟な姿勢を見せています。
このように、市場ではややリスク回避の流れが後退しつつあります。株価の底入れ感も出ており、「VIX指数」も15程度で安定しています。ドル円が110円台半ばまで上昇したのも、そのような背景があったからだと思われます。昨日は、売リ込まれていたユーロドルが反発したことで、ドル円の上値も重かったようですが、それでも現時点では下落も限定的です。チャートを見ても、「日足」までの足では全てローソク足が「雲」を上抜けしており、これは昨年12月中旬以来のことになります。米政府機関再閉鎖問題や米中通商協議の行方、さらには、より大きな問題である連邦政府債務問題もあり、この期限も3月1日です。チャート上ではドルの上昇を示唆してはいますが、これらの諸問題がどのような決着を見せるのかで、相場は上にも下にも行きそうです。本日のドル円は110円〜110円90銭程度を予想します。
What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 1/3 | ティムクック・アップルCEO | 「主要新興市場で幾らか苦戦するとは予想していたが、特に中国圏でこれほどの経済鈍化は見込んでいなかった」売上げ高の下方修正発表時に | ドル円108円台から104円台に急落 |
| 1/4 | パウエル・FRB議長 | 「景気拡大の軌道を維持する上で適切だと判断した場合は、われわれは政策を迅速かつ柔軟に調整し、経済を支える手段全てを活用する用意を整える」AEAの年次会合で。 | ドル円小幅に上昇。NYダウ6746ドルの急騰 |
| 1/7 | ボスティック・アトランタ連銀総裁 | 「今年に入る前、1年前に私は、2019年の利上げ回数を2回とみていた。今では19年は1回だとみる」アトランタのロータリークラブの講演で。 | -------- |
| 1/9 | ブラード・セントルイス連銀総裁 | 「これ以上利上げをした場合、米国経済はリッセンションに陥る恐れがあることを懸念している。」WSJ紙とのインタビューで。 | -------- |
| 1/15 | ドラギ・ECB総裁 | 「域内の価格圧力をさらに高め、総合インフレ率の中期的な展開を後押しするため、大規模な金融緩和が依然必要」欧州議会で。 | ユーロドル1.14台から1.13台後半まで下落 |
| 1/22 | クドロー・国家経済会議(NEC)委員長 | 「今月末のワシントンでの劉鶴副首相との会合が非常に重要であり、決定的なものになるだろう」CNBCとのインタビューで。 | ドルと株価が小幅に反発 |
| 1/23 | ハセット・大統領経済諮問委員会(CEA)委員長 | 「米政府機関の一部閉鎖が3月末まで続けば、第1四半期は経済成長がゼロになる可能性がある」。 | ドル円と株価を下押し |
| 1/23 | 王岐山・中国副主席 | 「単独行動主義と保護主義、ポピュリズムに脅かされている。弱いものいじめや、自国至上主義に基づく行動は拒絶する」ダボス会議の講演で。 | -------- |
| 1/24 | ロス・米商務長官 | 「米国と中国は貿易戦争の終結を強く願っているが、結末がどうなるかは中国が経済改革を深化させ、市場を一段と開放するかどうかにかかっている」ブルームバーグとのインタビューで。 | -------- |
| 1/24 | ドラギ・ECB総裁 | 「成長リスクは下方方向に転じた。特に地政学的要因に関する不透明感の持続と保護主義の脅威がセンチメントの重しとなっている」理事会後の記者会見で。 | ユーロドル1.1375水準1.1290前後まで下落 |
| 1/30 | パウエル・FRB議長 | 「経済と国外の不確実性が相反する中で、視界が一段とよくなるのを辛抱強く待ち、政策運営では経済データに依存するという常識的なアプローチを取る」FOMC後の会見で。 | ドル円大幅に下落。株価と債券は急騰 |
| 2/5 | 長井・元日銀国際局 | 「米中貿易摩擦や中国経済への懸念などから円相場が今年前半に1ドル=95円程度まで円高になる可能性があり、その時は安倍政権との関係からも、日銀が何もやらないというのはないだろう」ブルームバーグとのインタビューで。 | -------- |
| 2/5 | トランプ・米大統領 | 「私は中国の習近平国家主席に多大な敬意を抱いており、米政権は現在、中国との新たな通商合意に向けて作業をしている」「しかし、合意には不公正な貿易慣行を終わらせ、米国の恒常的赤字を減らし、米国民の雇用を守るように、本物の構造改革が盛り込まれる必要がある」一般教書演説で。 | ドル円大幅に下落 |
| 2/6 | イエレン前・FRB議長 | 「次の行動が利下げになる可能性は確かにあるが、利下げ・利上げ両方の可能性がある」CNBCとのインタビューで。 | -------- |



