2019年2月15日(金) 「米経済指標の悪化でドル円反落」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は111円台から反落。小売売上高などの経済指標が予想外に低調だったことで、ドルに対する楽観的な見方が一変。一時は110円46銭近辺まで売られ、この日の安値圏で引ける。
- ユーロドルは1.13台を回復する場面もあったが、ドイツのGDPが横ばいで、依然景気の先行きは厳しいとの見方がユーロの上値を抑える。
- 株式市場は反落。ダウは3日ぶりに下落したが、ナスダックは小幅に上昇し、4日続伸。
- 債券相場は反発。長期金利は2.65%台まで低下し、2.7%台乗せは短命に。
- 金は3日ぶりに反落。原油は続伸し、54ドル台に。
新規失業保険申請件数 → 23.9万件
1月生産者物価指数 → −0.1%
12月小売売上高 → −1.2%
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| ドル/円 | 110.46 〜 111.07 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1265 〜 1.1310 |
| ユーロ/円 | 124.73 〜 125.21 |
| NYダウ | −103.88 → 25,439.39ドル |
| GOLD | −1.20 → 1313.90ドル |
| WTI | +0.51 → 54.41ドル |
| 米10年国債 | −0.045 → 2.657% |
本日の注目イベント
- 日 12月鉱工業生産
- 中 中国 1月消費者物価指数
- 中 中国 1月生産者物価指数
- トルコ トルコ 1月消費者物価指数
- トルコ トルコ 1月生産者物価指数
- 英 英1月小売売上高
- 米 2月NY連銀製造業景況指数
- 米 1月輸入物価指数
- 米 1月鉱工業生産
- 米 1月設備稼働率
- 米 2月ミシガン大学消費者マインド(速報値)
- 米 つなぎ予算期限
- 米 ボスティック・アトランタ連銀総裁講演
順調に上昇を続けていたドル円は昨日の昼ごろ、株価の上昇に連動する形で111円13銭までドル高が進みましたが、さすがに111円台を固める動きにはなっていません。NY市場でも底堅い動きで始まりましたが、NY時間8時半に発表された12月の小売売上高の結果が市場のセンチメントを大きく変えています。市場予想の「+0.1%」に対して結果は「−1.2%」と、予想外のマイナスで、11月分も下方修正されました。12月分の減少率は過去9年間で最大となり、年末商戦は好調だったと見られていただけに、市場にはショックを与えたようです。
一部のエコノミストの間ではこの結果を疑問視する向きもあるようですが、発表後にドル円は111円台から110円台半ばまで売られ、株価も下げに転じており、リスクオンムードに水をさされた格好です。労働市場を見れば、米国の景気拡大は続いていると考えられる一方、今回の小売売上高のように、米景気の減速を如実に示す指標が出てくるのも、今の米景気の特長とも言えます。もっとも、昨日は労働市場に関する指標である、週間失業保険申請件数も予想外に悪化していました。問題は、今回の予想を大きく下回る数字が一時的なものなのかどうかという点で、FRBの金融政策にも影響することから、今後も注意深く見ていかなければなりません。
ドル円は結局押し戻されてはいますが、それでも110円台半ばを維持しています。今週月曜日に110円台前半を上抜けして以来、110円を一度も割り込んでいません。米中通商協議に明るい見通しが出てきたことと、本日期限の来るつなぎ予算にも、新たな予算案にトランプ大統領が署名し、政府機関の再閉鎖が回避できる見通しが出てきたことが、ドルを押し上げました。昨日の夕方には、トランプ大統領が中国との交渉期限をこれまでの3月1日から60日間延長することを検討していると、ブルームバーグが報じたことで、米中が貿易問題で合意する可能性がさらに高まりました。
最終的な合意を見るまではまだ予断を許しませんが、市場の雰囲気は悪くはありません。仮にこのまま順調に問題が解決すれば、ドル円は緩やかに上昇する可能性がありますが、今度は材料不足からそれほどはっきりとした動きは見せないのではないかと予想しています。足元では、111円台から押し戻されたドル円のサポートレベルを探る展開でしょう。ここでも、110円台が維持できるのかどうかが重要なポイントとなります。110円台を割り込むようだと、「やっぱり111円台はトピッシュ」といった見方が増え、110円を挟む展開に移行することも予想されるからです。
今朝方ドル円は110円40銭まで売られ、これで短い「1時間足」ではローソク足が雲の下抜けを完成させています。やや上値が重くなりつつあります。予想レンジは110円〜111円といったところでしょうか。
昨日の新聞に「高配当をうたい文句に460億円集金」という記事が掲載されていました。「またか・・・・」という印象ですが、「毎月3%の配当」という甘い文句と、「1年後に元本を償還するか契約継続を選べる」という文言もあったそうです。月3%の配当といえば、単利でも年36%・・・・。足元の金利はといえば、国が発行する極めて安全な10年国債でさえも、年0.01%前後です。超低金利が続いている状況の中で、できるだけ高利回りで運用したいという気持ちは理解できますが、このうたい文句通りの配当が実施されるのであれば、日本中のお金がここに集まります。日本はまだ「デフレ」を完全に脱したとは言いきれず、「インフレ」はまだまだ先の話でしょう。「デフレ」というのはお金の価値が上がることを意味します。そうであれば、まずは自分の資産を守ることが先決です。この種の詐欺は後を絶ちませんが、「世の中、おいしい話にはすべて裏がある」、それくらいの意識が必要です。特に「あなただけに・・・・」なんて文言には、絶対にのらないことです。良い週末を・・・・・。
What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 1/3 | ティムクック・アップルCEO | 「主要新興市場で幾らか苦戦するとは予想していたが、特に中国圏でこれほどの経済鈍化は見込んでいなかった」売上げ高の下方修正発表時に | ドル円108円台から104円台に急落 |
| 1/4 | パウエル・FRB議長 | 「景気拡大の軌道を維持する上で適切だと判断した場合は、われわれは政策を迅速かつ柔軟に調整し、経済を支える手段全てを活用する用意を整える」AEAの年次会合で。 | ドル円小幅に上昇。NYダウ6746ドルの急騰 |
| 1/7 | ボスティック・アトランタ連銀総裁 | 「今年に入る前、1年前に私は、2019年の利上げ回数を2回とみていた。今では19年は1回だとみる」アトランタのロータリークラブの講演で。 | -------- |
| 1/9 | ブラード・セントルイス連銀総裁 | 「これ以上利上げをした場合、米国経済はリッセンションに陥る恐れがあることを懸念している。」WSJ紙とのインタビューで。 | -------- |
| 1/15 | ドラギ・ECB総裁 | 「域内の価格圧力をさらに高め、総合インフレ率の中期的な展開を後押しするため、大規模な金融緩和が依然必要」欧州議会で。 | ユーロドル1.14台から1.13台後半まで下落 |
| 1/22 | クドロー・国家経済会議(NEC)委員長 | 「今月末のワシントンでの劉鶴副首相との会合が非常に重要であり、決定的なものになるだろう」CNBCとのインタビューで。 | ドルと株価が小幅に反発 |
| 1/23 | ハセット・大統領経済諮問委員会(CEA)委員長 | 「米政府機関の一部閉鎖が3月末まで続けば、第1四半期は経済成長がゼロになる可能性がある」。 | ドル円と株価を下押し |
| 1/23 | 王岐山・中国副主席 | 「単独行動主義と保護主義、ポピュリズムに脅かされている。弱いものいじめや、自国至上主義に基づく行動は拒絶する」ダボス会議の講演で。 | -------- |
| 1/24 | ロス・米商務長官 | 「米国と中国は貿易戦争の終結を強く願っているが、結末がどうなるかは中国が経済改革を深化させ、市場を一段と開放するかどうかにかかっている」ブルームバーグとのインタビューで。 | -------- |
| 1/24 | ドラギ・ECB総裁 | 「成長リスクは下方方向に転じた。特に地政学的要因に関する不透明感の持続と保護主義の脅威がセンチメントの重しとなっている」理事会後の記者会見で。 | ユーロドル1.1375水準1.1290前後まで下落 |
| 1/30 | パウエル・FRB議長 | 「経済と国外の不確実性が相反する中で、視界が一段とよくなるのを辛抱強く待ち、政策運営では経済データに依存するという常識的なアプローチを取る」FOMC後の会見で。 | ドル円大幅に下落。株価と債券は急騰 |
| 2/5 | 長井・元日銀国際局 | 「米中貿易摩擦や中国経済への懸念などから円相場が今年前半に1ドル=95円程度まで円高になる可能性があり、その時は安倍政権との関係からも、日銀が何もやらないというのはないだろう」ブルームバーグとのインタビューで。 | -------- |
| 2/5 | トランプ・米大統領 | 「私は中国の習近平国家主席に多大な敬意を抱いており、米政権は現在、中国との新たな通商合意に向けて作業をしている」「しかし、合意には不公正な貿易慣行を終わらせ、米国の恒常的赤字を減らし、米国民の雇用を守るように、本物の構造改革が盛り込まれる必要がある」一般教書演説で。 | ドル円大幅に下落 |
| 2/6 | イエレン前・FRB議長 | 「次の行動が利下げになる可能性は確かにあるが、利下げ・利上げ両方の可能性がある」CNBCとのインタビューで。 | -------- |
| 2/13 | ポステック・アトランタ連銀総裁 | 「全てが予想通りに展開すれば、私は2019年に1回の利上げを予想する」、「経済は2018年ほど力強くはならないが、長期の潜在成長率は上回るというのがわれわれの予想だ」ダブリンで開催されたフォーラムで。 | -------- |



