2019年2月20日(水) 「ドル円110円台で動かず」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円はアジア、欧州市場を経てやや円安で始まったがドルの上値も重く、110円台半ばまで下落。
- ユーロドルは買い戻しが入り、1.1358までユーロ高に振れる。1.12〜1.14のレンジが続く。
- 株式市場は小幅ながら続伸。小売株が買われ上昇を牽引したが、引けにかけて上げ幅を縮小。ダウは結局8ドル高で取り引を終える。
- 債券相場は上昇。長期金利は2.63%台まで低下。
- 金は先週末比22ドルを超える上昇。ポンドでドルが売られたことで買われたとの見方。10カ月ぶりとなる1344ドル台で引ける。原油価格も5日続伸し56ドル台に。
2月NAHB住宅市場指数 → 62
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| ドル/円 | 110.49 〜 110.77 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1286 〜 1.1358 |
| ユーロ/円 | 124.96 〜 125.54 |
| NYダウ | +8.07 → 25,891.32ドル |
| GOLD | +22.70 → 1344.80ドル |
| WTI | +0.50 → 56.09ドル |
| 米10年国債 | −0.029 → 2.634% |
本日の注目イベント
- 日 1月貿易収支
- 独 独1月生産者物価指数
- 欧 ユーロ圏2月消費者信頼感(速報値)
- 米 FOMC議事録(1月29、30日分)
ドル円はますます膠着感を強めています。昨日1日の動きを見ても、値幅は25銭にも届かず、さすがのNY市場でも動きは限定的でした。ユーロドルやポンドに動きが見られたものの、ここでも円は「蚊帳の外」といった感じです。
昨日もこの欄で述べましたが、株式市場は日米で活況で、特に米国株は好調で、昨日ダウは一時2万6000ドル台に乗せる場面もありました。一方、債券市場は極めて動きが鈍く、ドル円は米長期金利との相関性が強いため、足元のボラの低さは、この影響かと思われます。米長期金利は2月に入ってほとんど動きがなく、2.7%台に乗せた日が2日あった他、全て2.63−2.69%のレンジ内で推移しています。ここは、米長期金利が動き出すのを待つしかありません。
米中通商協議は北京での会合を終え、舞台はワシントンに移ります。交渉責任者である劉鶴中国副首相一行は、昨日ワシントン入りをしたようですが、交渉期限である3月1日まで、残すところ10日余りしかありません。ブルームバーグによれば、米国は対中貿易交渉の一環として、人民元相場の安定を維持するよう求めているようです。米国が課す関税の効力を相殺しようとして、中国が人民元を切り下げる手段を封じることが狙いだと報じています。
仮に交渉が最終的にまとまらず、関税が25%に引き上げられると米国内での中国製品は値段が上がり、物が売れなくなるのは目に見えています。上昇した関税分を値段に織り込み、輸出価格を下げれば、今度はそのつけが中国側メーカーを直撃し、収益力が急速に悪化することになります。値段を上げずに、収益力を維持する方法は、為替レートしかありません。極端に言えば、人民元がドルに対して25%切り下がれば、全てうまくいき、これまでと変わらないことになります。米国は先回りをして、その芽を摘み取ろうとしているわけです。
報道によると、両国は「覚書」に為替政策をどのように盛り込むかを議論しており、最終的にはトランプ大統領と習近平国家主席の承認が必要になると見られます。トランプ氏は19日、進行中の米中交渉について、「順調に進んでいる。これまで提言されたことをわれわれは全て求めている」と述べ、中国との貿易合意に関して言えば、「3月1日は魔法の期日ではない」と語っています。最後は両国トップが直接会って合意文章に署名すると見ていますが、おそらく合意までのプロセスを経るには時間が足りず、期限を延期した上で、最後の舞台を整えるのではないかと予想しています。
本日は、市場の利上げ観測の見方に大きな影響を与えたFOMC会合の議事録が公表されます。動きが出ることを期待したいと思います。予想レンジは110円20銭〜111円10銭程度と見ています。
What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 1/3 | ティムクック・アップルCEO | 「主要新興市場で幾らか苦戦するとは予想していたが、特に中国圏でこれほどの経済鈍化は見込んでいなかった」売上げ高の下方修正発表時に | ドル円108円台から104円台に急落 |
| 1/4 | パウエル・FRB議長 | 「景気拡大の軌道を維持する上で適切だと判断した場合は、われわれは政策を迅速かつ柔軟に調整し、経済を支える手段全てを活用する用意を整える」AEAの年次会合で。 | ドル円小幅に上昇。NYダウ6746ドルの急騰 |
| 1/7 | ボスティック・アトランタ連銀総裁 | 「今年に入る前、1年前に私は、2019年の利上げ回数を2回とみていた。今では19年は1回だとみる」アトランタのロータリークラブの講演で。 | -------- |
| 1/9 | ブラード・セントルイス連銀総裁 | 「これ以上利上げをした場合、米国経済はリッセンションに陥る恐れがあることを懸念している。」WSJ紙とのインタビューで。 | -------- |
| 1/15 | ドラギ・ECB総裁 | 「域内の価格圧力をさらに高め、総合インフレ率の中期的な展開を後押しするため、大規模な金融緩和が依然必要」欧州議会で。 | ユーロドル1.14台から1.13台後半まで下落 |
| 1/22 | クドロー・国家経済会議(NEC)委員長 | 「今月末のワシントンでの劉鶴副首相との会合が非常に重要であり、決定的なものになるだろう」CNBCとのインタビューで。 | ドルと株価が小幅に反発 |
| 1/23 | ハセット・大統領経済諮問委員会(CEA)委員長 | 「米政府機関の一部閉鎖が3月末まで続けば、第1四半期は経済成長がゼロになる可能性がある」。 | ドル円と株価を下押し |
| 1/23 | 王岐山・中国副主席 | 「単独行動主義と保護主義、ポピュリズムに脅かされている。弱いものいじめや、自国至上主義に基づく行動は拒絶する」ダボス会議の講演で。 | -------- |
| 1/24 | ロス・米商務長官 | 「米国と中国は貿易戦争の終結を強く願っているが、結末がどうなるかは中国が経済改革を深化させ、市場を一段と開放するかどうかにかかっている」ブルームバーグとのインタビューで。 | -------- |
| 1/24 | ドラギ・ECB総裁 | 「成長リスクは下方方向に転じた。特に地政学的要因に関する不透明感の持続と保護主義の脅威がセンチメントの重しとなっている」理事会後の記者会見で。 | ユーロドル1.1375水準1.1290前後まで下落 |
| 1/30 | パウエル・FRB議長 | 「経済と国外の不確実性が相反する中で、視界が一段とよくなるのを辛抱強く待ち、政策運営では経済データに依存するという常識的なアプローチを取る」FOMC後の会見で。 | ドル円大幅に下落。株価と債券は急騰 |
| 2/5 | 長井・元日銀国際局 | 「米中貿易摩擦や中国経済への懸念などから円相場が今年前半に1ドル=95円程度まで円高になる可能性があり、その時は安倍政権との関係からも、日銀が何もやらないというのはないだろう」ブルームバーグとのインタビューで。 | -------- |
| 2/5 | トランプ・米大統領 | 「私は中国の習近平国家主席に多大な敬意を抱いており、米政権は現在、中国との新たな通商合意に向けて作業をしている」「しかし、合意には不公正な貿易慣行を終わらせ、米国の恒常的赤字を減らし、米国民の雇用を守るように、本物の構造改革が盛り込まれる必要がある」一般教書演説で。 | ドル円大幅に下落 |
| 2/6 | イエレン前・FRB議長 | 「次の行動が利下げになる可能性は確かにあるが、利下げ・利上げ両方の可能性がある」CNBCとのインタビューで。 | -------- |
| 2/13 | ポステック・アトランタ連銀総裁 | 「全てが予想通りに展開すれば、私は2019年に1回の利上げを予想する」、「経済は2018年ほど力強くはならないが、長期の潜在成長率は上回るというのがわれわれの予想だ」ダブリンで開催されたフォーラムで。 | -------- |



