今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2019年2月22日(金) 「欧州景気一段と減速」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は米経済指標の悪化で売られたものの、110円台半ばまでで、引き続き動意の見られない展開。高値も110円83銭前後と膠着相場が続く。
  • ユーロドルも1.13台でもみ合い。ユーロ圏の経済指標が下振れし、1.1324まで売られたものの、相場への影響は限定的。
  • 株式市場は反落。連日上昇を続けていたナスダックも29ポイント下落し、上昇も一服。
  • 債券相場は大幅に続落。長期債を中心に売られ、10年債利回りは2.69%台へと上昇。
  • 金は反落。原油価格も7営業日ぶりに下落。在庫と生産がともに増えたことが重石に。
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 新規失業保険申請件数 → 21.6万件
 12月耐久財受注 → 1.2%
 1月景気先行総合指数 → −0.1%
 1月中古住宅販売件数 → 494万件
 11月フィラデルフィア連銀景況指数 → −4.1
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ドル/円 110.56 〜 110.83
ユーロ/ドル 1.1324 〜 1.1367
ユーロ/円 125.43 〜 125.77
NYダウ −103.81 → 25,850.63ドル
GOLD −20.10 → 1327.80ドル
WTI −0.20 → 56.93ドル
米10年国債 +0.049 → 2.693%

本日の注目イベント

  • 日 1月消費者物価指数
  • 独 独10−12月期GDP(改定値)
  • 独 独2月ifo景況感指数
  • 欧 ユーロ圏1月消費者物価指数(改定値)
  • 欧 ドラギ・ECB総裁講演
  • 米 ウィリアムズ・NY連銀総裁講演
  • 米 ブラード・セントルイス連銀総裁講演
  • 加 カナダ12月小売売上高

ドル円は110円台での膠着が続いていますが、ユーロドルも1.13台で動きが鈍くなり、昨日は英国のEU離脱問題がやや好転する兆しや経済指標の発表があったものの、ユーロドルの動きは1.13台で限定的でした。

3月1日の交渉期限を考えると、今回の協議がヤマ場の可能性が高いと見られる米中通商協議が、昨日からワシントンで再開されました。報道によると中国側は、LNGや大豆、半導体などの分野で具体的な数値目標を提示し、米中の貿易不均衡を是正する強い姿勢を見せているようです。農産物については、大豆だけではなく、トウモロコシや小麦を含み年間300億ドル(約3兆200億円)増やす計画を提案する(ブルームバーグ)模様です。

今回の協議ではエネルギーや農産物の輸入量拡大だけではなく、知的財産権や人民元相場を含め分野で「覚書」をまとめることでも合意しており、最新の情報ではトランプ大統領が中国の劉鶴副首相と22日午後にワシントンで会談する予定であることも伝わっています。トランプ氏自らが中国側の交渉責任者である劉鶴氏に会うということは、今回の協議が「合意」に近いことを窺わせます。最終的にはトランプ氏と習近平主席が直接会って合意する必要があるとは思いますが、その前段階に近いと思われ、その席で3月1日の期限を延長することや、習近平氏との会談日程なども発表される可能性があると予想しています。いずれにしても今回は合意に近い何らかの行動が示されるものと思われます。

ユーロ圏とドイツのPMIが発表され、欧州景気が一段と減速していることが確認されています。昨日発表された2月のユーロ圏製造業PMIは「49.2」と、約6年ぶりの低水準を記録しました。PMIは「50」が景気が拡大しているか、縮小しているかの判断の目安になっています。またドイツの2月製造業PMIも「47.6」と、「50」を割り込み、実に6年ぶりの低水準でした。ユーロ圏経済のけん引役であるドイツでは、中国向けの自動車輸出が貿易戦争の影響から大きく落ち込んでおり、域内全体の景気の足を引っ張っている状況で、ECBは低金利の融資枠を計画していますが,このままの状況が続くようだと、利上げはおろか、再び緩和策の導入を考えなければならない可能性も浮上しそうです。その意味では本日予定されているドラギ総裁の講演が注目されます。

ドル円は連日110円台でのもみ合いで、コメントのしようもありません。まだ1日を残してはいますが、今週は110円台を割り込まないし、111円台にも乗せていません。「1時間足」を見ても、値幅が小さいことから、一目均衡表の「雲」は常に薄く、その薄い雲さえも上下に抜け切れません。「動かない」と安心しきることはできませんが、活発な動きも期待できません。本日に予想レンジは110円20銭〜111円程度でしょうか。


黒川伊保子氏編著の「妻のトリセツ」という本が売れているそうです。購入者には女性もいるようですが、多くは男性です。本のオビには「理不尽な妻との上手な付き合い方」とあります。だが、理不尽なのは妻より夫の方が多いはず・・・「夫のトリセツ」を待つ女性はかなり多いのでは?出版されたらバカ売れ間違いなし・・・・よい週末を・・・・・。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時     発言者     内容   市場への影響   
1/3 ティムクック・アップルCEO 「主要新興市場で幾らか苦戦するとは予想していたが、特に中国圏でこれほどの経済鈍化は見込んでいなかった」売上げ高の下方修正発表時に ドル円108円台から104円台に急落
1/4 パウエル・FRB議長 「景気拡大の軌道を維持する上で適切だと判断した場合は、われわれは政策を迅速かつ柔軟に調整し、経済を支える手段全てを活用する用意を整える」AEAの年次会合で。 ドル円小幅に上昇。NYダウ6746ドルの急騰
1/7 ボスティック・アトランタ連銀総裁 「今年に入る前、1年前に私は、2019年の利上げ回数を2回とみていた。今では19年は1回だとみる」アトランタのロータリークラブの講演で。 --------
1/9 ブラード・セントルイス連銀総裁 「これ以上利上げをした場合、米国経済はリッセンションに陥る恐れがあることを懸念している。」WSJ紙とのインタビューで。 --------
1/15 ドラギ・ECB総裁 「域内の価格圧力をさらに高め、総合インフレ率の中期的な展開を後押しするため、大規模な金融緩和が依然必要」欧州議会で。 ユーロドル1.14台から1.13台後半まで下落
1/22 クドロー・国家経済会議(NEC)委員長 「今月末のワシントンでの劉鶴副首相との会合が非常に重要であり、決定的なものになるだろう」CNBCとのインタビューで。 ドルと株価が小幅に反発
1/23 ハセット・大統領経済諮問委員会(CEA)委員長 「米政府機関の一部閉鎖が3月末まで続けば、第1四半期は経済成長がゼロになる可能性がある」。 ドル円と株価を下押し
1/23 王岐山・中国副主席 「単独行動主義と保護主義、ポピュリズムに脅かされている。弱いものいじめや、自国至上主義に基づく行動は拒絶する」ダボス会議の講演で。 --------
1/24 ロス・米商務長官 「米国と中国は貿易戦争の終結を強く願っているが、結末がどうなるかは中国が経済改革を深化させ、市場を一段と開放するかどうかにかかっている」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
1/24 ドラギ・ECB総裁 「成長リスクは下方方向に転じた。特に地政学的要因に関する不透明感の持続と保護主義の脅威がセンチメントの重しとなっている」理事会後の記者会見で。 ユーロドル1.1375水準1.1290前後まで下落
1/30 パウエル・FRB議長 「経済と国外の不確実性が相反する中で、視界が一段とよくなるのを辛抱強く待ち、政策運営では経済データに依存するという常識的なアプローチを取る」FOMC後の会見で。 ドル円大幅に下落。株価と債券は急騰
2/5 長井・元日銀国際局 「米中貿易摩擦や中国経済への懸念などから円相場が今年前半に1ドル=95円程度まで円高になる可能性があり、その時は安倍政権との関係からも、日銀が何もやらないというのはないだろう」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
2/5 トランプ・米大統領 「私は中国の習近平国家主席に多大な敬意を抱いており、米政権は現在、中国との新たな通商合意に向けて作業をしている」「しかし、合意には不公正な貿易慣行を終わらせ、米国の恒常的赤字を減らし、米国民の雇用を守るように、本物の構造改革が盛り込まれる必要がある」一般教書演説で。 ドル円大幅に下落
2/6 イエレン前・FRB議長 「次の行動が利下げになる可能性は確かにあるが、利下げ・利上げ両方の可能性がある」CNBCとのインタビューで。 --------
2/13 ポステック・アトランタ連銀総裁 「全てが予想通りに展開すれば、私は2019年に1回の利上げを予想する」、「経済は2018年ほど力強くはならないが、長期の潜在成長率は上回るというのがわれわれの予想だ」ダブリンで開催されたフォーラムで。 --------
2/19 FOMC議事録 「ほぼ全ての参加者が、当局保有資産の縮小を年内に停止する計画をそう遠くない将来に発表するのが望ましいとの考えを示した」1月29−30日開催の議事録で。 米国株が上昇
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和