今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2019年2月25日(月) 「ドル円110円台で動かず越週」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は110円台半ばから後半で推移。米長期金利がやや低下し、ドルが売られたものの110円台半ばで下げ止まる。結局先週は110円台を上へも下へも抜け切れない展開に終始。
  • ユーロドルも1.13台でもみ合い、方向感のない動きが続く
  • 株式市場は反発。米中貿易協議の進展を好感しダウは181ドル上昇。約3カ月半ぶりに2万6000ドルの大台を回復。
  • 債券相場は反発。米中貿易協議での進展の兆しを好感し買い優勢となり上昇。長期金利は2.65%台へ低下。
  • 金と原油は反発。
ドル/円 110.56 〜 110.89
ユーロ/ドル 1.1317 〜 1.1356
ユーロ/円 125.27 〜 125.66
NYダウ +181.18 → 26,031.81ドル
GOLD +5.00 → 1332.80ドル
WTI +0.30 → 57.26ドル
米10年国債 −0.041 → 2.652%

本日の注目イベント

  • 日  2月景気先行指数(改定値)

米中通商協議は3月1日の交渉期限を前に、精力的な話合いが続き、双方の妥協点を探る最終的段階に差し掛かっているようです。米国と中国は22日までの閣僚級会議で、中国による米国製品の輸入拡大や人民元誘導の制限で大筋合意しました。ただ今朝の報道では、為替条項での合意という非常に重要な問題では両国の意見は一致しておらず、引き続き交渉は続けられていると伝えられています。

最終合意には両国のトップが署名する必要があるため、ベトナムでの米朝首脳会談を27、28日に予定しているトランプ大統領が、米中の最終協議に臨むのは物理的にも不可能で、トランプ氏は交渉期限を1カ月延長する方向で検討しているとの報道もあります。この結果、中国製品2000億ドル(約22兆1000億円)への関税引き上げは回避できそうな見通しです。交渉責任者であるライトハイザー米通商代表部(USTR)委員長は、中国の産業政策の抜本的な見直しを求めており、最終合意には至っていないとの報道もあります。

また中国との交渉を巡って、トランプ氏とライトハイザー氏との関係がぎくしゃくしているとブルームバーグは報じています。トランプ氏の不満は交渉の際に、「覚書」という形式をとったことに対するもので、「覚書」は何の意味ももたないとするトランプ氏のこれまでのビジネス経験に基づいたもののようです。

先週もこの欄で述べましたが、米中通商協議での合意を目指す交渉が進展している一方、EUとの貿易問題が新たな課題として出てきました。EUはトランプ政権がEUからの自動車や部品の輸入に追加関税を発動した場合、キャタピラーやゼロックス、サムソナイトといった米国製品に報復関税を課す準備に入っています。報復関税の対象となる米国製品は200億ユーロ(約2兆5000億円)にのぼるとみられています米中貿易問題に比べまだ規模は小さいものの、こちらも「報復合戦」に発展する可能性を秘めています。

先週1週間のドル円はほとんど動きがなかったと言っていい状況でした。連日同じような水準であったため、実需や個人投資家の動きも乏しく、それがさらに値動きを小さくしたようです。今週は活発な値動きを期待したいところですが、やや材料難の感は否めません。パウエル議長の議会証言が予定されていますが、ここでは従来通り、「ハト派的」な内容になる可能性が高いと予想されます。本日のレンジは110円50銭〜111円20銭程度を予想します。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時     発言者     内容   市場への影響   
1/3 ティムクック・アップルCEO 「主要新興市場で幾らか苦戦するとは予想していたが、特に中国圏でこれほどの経済鈍化は見込んでいなかった」売上げ高の下方修正発表時に ドル円108円台から104円台に急落
1/4 パウエル・FRB議長 「景気拡大の軌道を維持する上で適切だと判断した場合は、われわれは政策を迅速かつ柔軟に調整し、経済を支える手段全てを活用する用意を整える」AEAの年次会合で。 ドル円小幅に上昇。NYダウ6746ドルの急騰
1/7 ボスティック・アトランタ連銀総裁 「今年に入る前、1年前に私は、2019年の利上げ回数を2回とみていた。今では19年は1回だとみる」アトランタのロータリークラブの講演で。 --------
1/9 ブラード・セントルイス連銀総裁 「これ以上利上げをした場合、米国経済はリッセンションに陥る恐れがあることを懸念している。」WSJ紙とのインタビューで。 --------
1/15 ドラギ・ECB総裁 「域内の価格圧力をさらに高め、総合インフレ率の中期的な展開を後押しするため、大規模な金融緩和が依然必要」欧州議会で。 ユーロドル1.14台から1.13台後半まで下落
1/22 クドロー・国家経済会議(NEC)委員長 「今月末のワシントンでの劉鶴副首相との会合が非常に重要であり、決定的なものになるだろう」CNBCとのインタビューで。 ドルと株価が小幅に反発
1/23 ハセット・大統領経済諮問委員会(CEA)委員長 「米政府機関の一部閉鎖が3月末まで続けば、第1四半期は経済成長がゼロになる可能性がある」。 ドル円と株価を下押し
1/23 王岐山・中国副主席 「単独行動主義と保護主義、ポピュリズムに脅かされている。弱いものいじめや、自国至上主義に基づく行動は拒絶する」ダボス会議の講演で。 --------
1/24 ロス・米商務長官 「米国と中国は貿易戦争の終結を強く願っているが、結末がどうなるかは中国が経済改革を深化させ、市場を一段と開放するかどうかにかかっている」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
1/24 ドラギ・ECB総裁 「成長リスクは下方方向に転じた。特に地政学的要因に関する不透明感の持続と保護主義の脅威がセンチメントの重しとなっている」理事会後の記者会見で。 ユーロドル1.1375水準1.1290前後まで下落
1/30 パウエル・FRB議長 「経済と国外の不確実性が相反する中で、視界が一段とよくなるのを辛抱強く待ち、政策運営では経済データに依存するという常識的なアプローチを取る」FOMC後の会見で。 ドル円大幅に下落。株価と債券は急騰
2/5 長井・元日銀国際局 「米中貿易摩擦や中国経済への懸念などから円相場が今年前半に1ドル=95円程度まで円高になる可能性があり、その時は安倍政権との関係からも、日銀が何もやらないというのはないだろう」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
2/5 トランプ・米大統領 「私は中国の習近平国家主席に多大な敬意を抱いており、米政権は現在、中国との新たな通商合意に向けて作業をしている」「しかし、合意には不公正な貿易慣行を終わらせ、米国の恒常的赤字を減らし、米国民の雇用を守るように、本物の構造改革が盛り込まれる必要がある」一般教書演説で。 ドル円大幅に下落
2/6 イエレン前・FRB議長 「次の行動が利下げになる可能性は確かにあるが、利下げ・利上げ両方の可能性がある」CNBCとのインタビューで。 --------
2/13 ポステック・アトランタ連銀総裁 「全てが予想通りに展開すれば、私は2019年に1回の利上げを予想する」、「経済は2018年ほど力強くはならないが、長期の潜在成長率は上回るというのがわれわれの予想だ」ダブリンで開催されたフォーラムで。 --------
2/19 FOMC議事録 「ほぼ全ての参加者が、当局保有資産の縮小を年内に停止する計画をそう遠くない将来に発表するのが望ましいとの考えを示した」1月29−30日開催の議事録で。 米国株が上昇
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和