2019年2月26日(火) 「ドル円2カ月ぶりに111円台前半に」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 米中貿易戦争が一旦「休戦」」することが決まったことを受けて、ドル円は上昇。111円24銭までドルが買われ、約2カ月ぶりのドル高をつける。
- ユーロドルはほぼ変わらず。ドル円ほどドル高が進まず、1.13台半ばで推移。ユーロ円が買われ、昨年末以来となる126円30銭前後までユーロ高円安が進む。
- 中国に対する関税引き上げが回避されたことを好感し株価は続伸。ダウは60ドル、ナスダックも26ポイント上昇。
- 債券相場は小幅ながら続落。リスク選好が進み、安全資産の債券に売りものが増えた。長期金利は2.664%台に上昇。
- 金と原油は反落。原油価格はトランプ大統領が高すぎると批判したことで大幅安。前日比1.78ドル下落し、55ドル台に。
| ドル/円 | 110.73 〜 111.24 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1337 〜 1.1367 |
| ユーロ/円 | 125.72 〜 126.30 |
| NYダウ | +60.14 → 26,091.95ドル |
| GOLD | −3.30 → 1329.50ドル |
| WTI | −1.78 → 55.48ドル |
| 米10年国債 | +0.012 → 2.664% |
本日の注目イベント
- 独 独3月GFK消費者信頼感
- 英 カーニー・BOE総裁、議会委員会で証言
- 米 12月住宅着工件数
- 米 12月建設許可件数
- 米 12月FHFA住宅価格指数
- 米 12月ケース・シラ−住宅価格指数
- 米 2月消費者信頼感指数
- 米 2月リッチモンド連銀製造業指数
- 米 パウエル・FRB議長、上院銀行委員会で証言
米中通商協議が進展し、最終合意には至っていないもののトランプ大統領は「大きな進展があった」と評価し、3月1日の交渉期限を延長し、中国に対する関税引き上げの発動も延期することを表明しました。トランプ氏は「米国が中国との貿易協議で知的財産権保護と技術移転、農業、サービス、通貨や他の問題を含めて重要な構造問題でかなり前進した」とツイートし、「こうした非常に生産的な協議の結果、私は3月1日に予定していた米国の関税引き上げを延期する」と表明しました。
金融市場は、予想していたとはいえ、明確な「休戦」状態に入ったことを評価し、リスク選好から円がドルをはじめ、主要通貨に対しても売られ、ドル円は昨年12月27日以来となる111円24銭まで円安が進みました。また米株式市場では株価が続伸し、ダウは約4カ月ぶりの高値を記録し、債券も売られ長期金利は小幅ですが上昇しています。
昨日のNY市場では、特に円が売られた印象ですが、それでも上値の重要なレジスタンスと見られている「日足」の200日移動平均線は抜けていません。現在111円30銭前後にありますが、この水準をしっかりと上抜けできればもう一段の上昇余地があると予想しています。現在の水準からはそれほど遠くはない水準ですが、東京時間に完全に上抜けすることができるかどうか、注目されます。手の届く水準ですが、簡単ではないと予想しています。
本日の材料は、まずベトナムで行われる米朝首脳会談です。焦点は北朝鮮が完全な非核化を受け入れるのかどうかという点です。トランプ氏はハノイに向け出発する前に、「完全な非核化を進めれば、北朝鮮はすぐに経済大国になるだろう。非核化しなければ、同じような状況が続くだけだ」と述べています。(ブルームバーグ)
また本日はFRBのパウエル議長の証言が米議会上院であります。ここで議長が、金融政策に慎重な姿勢を見せるようだと、株価は上昇し、ドルが売られる展開も想定できます。保有資産の縮小についても、1月のFOMC議事録では「多くの委員が年内の縮小終了を予想している」ことが判明しており、ここでも利上げ停止と同じような効果が見込めます。このような内容に沿った証言であれば、市場への影響は限定的と 予想しています。
EUからの離脱問題で混迷を深めている英国でも、本日はメイ首相がEU離脱手続きを定めるリスボン条約50条の適用延長問題を閣議の議題にする予定です。「Brexit」を巡り与野党から多数の離脱者が出ている英議会は非常に混乱しており、いまだに「合意なき離脱」に追い込まれるのか、あるいは「国民投票」が再び実施されるのか、出口の見えない状況が続いています。EU離脱を巡って、ポンドやユーロが対ドルで大きく売られる展開になるようだと、ドル円も上記レジスタンスを抜けないとは言い切れません。引き続き欧州通貨の動きもカギになります。本日のレンジは110円70銭〜111円50銭程度と予想します。
What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 1/3 | ティムクック・アップルCEO | 「主要新興市場で幾らか苦戦するとは予想していたが、特に中国圏でこれほどの経済鈍化は見込んでいなかった」売上げ高の下方修正発表時に | ドル円108円台から104円台に急落 |
| 1/4 | パウエル・FRB議長 | 「景気拡大の軌道を維持する上で適切だと判断した場合は、われわれは政策を迅速かつ柔軟に調整し、経済を支える手段全てを活用する用意を整える」AEAの年次会合で。 | ドル円小幅に上昇。NYダウ6746ドルの急騰 |
| 1/7 | ボスティック・アトランタ連銀総裁 | 「今年に入る前、1年前に私は、2019年の利上げ回数を2回とみていた。今では19年は1回だとみる」アトランタのロータリークラブの講演で。 | -------- |
| 1/9 | ブラード・セントルイス連銀総裁 | 「これ以上利上げをした場合、米国経済はリッセンションに陥る恐れがあることを懸念している。」WSJ紙とのインタビューで。 | -------- |
| 1/15 | ドラギ・ECB総裁 | 「域内の価格圧力をさらに高め、総合インフレ率の中期的な展開を後押しするため、大規模な金融緩和が依然必要」欧州議会で。 | ユーロドル1.14台から1.13台後半まで下落 |
| 1/22 | クドロー・国家経済会議(NEC)委員長 | 「今月末のワシントンでの劉鶴副首相との会合が非常に重要であり、決定的なものになるだろう」CNBCとのインタビューで。 | ドルと株価が小幅に反発 |
| 1/23 | ハセット・大統領経済諮問委員会(CEA)委員長 | 「米政府機関の一部閉鎖が3月末まで続けば、第1四半期は経済成長がゼロになる可能性がある」。 | ドル円と株価を下押し |
| 1/23 | 王岐山・中国副主席 | 「単独行動主義と保護主義、ポピュリズムに脅かされている。弱いものいじめや、自国至上主義に基づく行動は拒絶する」ダボス会議の講演で。 | -------- |
| 1/24 | ロス・米商務長官 | 「米国と中国は貿易戦争の終結を強く願っているが、結末がどうなるかは中国が経済改革を深化させ、市場を一段と開放するかどうかにかかっている」ブルームバーグとのインタビューで。 | -------- |
| 1/24 | ドラギ・ECB総裁 | 「成長リスクは下方方向に転じた。特に地政学的要因に関する不透明感の持続と保護主義の脅威がセンチメントの重しとなっている」理事会後の記者会見で。 | ユーロドル1.1375水準1.1290前後まで下落 |
| 1/30 | パウエル・FRB議長 | 「経済と国外の不確実性が相反する中で、視界が一段とよくなるのを辛抱強く待ち、政策運営では経済データに依存するという常識的なアプローチを取る」FOMC後の会見で。 | ドル円大幅に下落。株価と債券は急騰 |
| 2/5 | 長井・元日銀国際局 | 「米中貿易摩擦や中国経済への懸念などから円相場が今年前半に1ドル=95円程度まで円高になる可能性があり、その時は安倍政権との関係からも、日銀が何もやらないというのはないだろう」ブルームバーグとのインタビューで。 | -------- |
| 2/5 | トランプ・米大統領 | 「私は中国の習近平国家主席に多大な敬意を抱いており、米政権は現在、中国との新たな通商合意に向けて作業をしている」「しかし、合意には不公正な貿易慣行を終わらせ、米国の恒常的赤字を減らし、米国民の雇用を守るように、本物の構造改革が盛り込まれる必要がある」一般教書演説で。 | ドル円大幅に下落 |
| 2/6 | イエレン前・FRB議長 | 「次の行動が利下げになる可能性は確かにあるが、利下げ・利上げ両方の可能性がある」CNBCとのインタビューで。 | -------- |
| 2/13 | ポステック・アトランタ連銀総裁 | 「全てが予想通りに展開すれば、私は2019年に1回の利上げを予想する」、「経済は2018年ほど力強くはならないが、長期の潜在成長率は上回るというのがわれわれの予想だ」ダブリンで開催されたフォーラムで。 | -------- |
| 2/19 | FOMC議事録 | 「ほぼ全ての参加者が、当局保有資産の縮小を年内に停止する計画をそう遠くない将来に発表するのが望ましいとの考えを示した」1月29−30日開催の議事録で。 | 米国株が上昇 |



