2019年2月27日(水) 「ドル円111円台は維持できず」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は111円台を回復できず。パウエル議長の議会証言は影響がなく、長期金利が低下したことで110円41銭までドル安が進む。
- ユーロドルは反発。ドルが売られたことで、直近レンジの上限と見られる1.1402まで上昇。
- 前日比小安く始まった株式市場は、消費者信頼感指数など良好な経済指標に反応しプラスに転じたが、その後反落。ダウは33ドル下げ、他の主要指数も小幅ながら下落。
- 債券相場は反発。長期金利は2.63%台へと低下。
- 金と原油は小動きながらまちまち。
12月住宅着工件数 → 107.8万件
12月建設許可件数 → 132.6万件
12月FHFA住宅価格指数 → 0.3%
12月ケース・シラ−住宅価格指数 → 4.2%
2月消費者信頼感指数 → 131.4
2月リッチモンド連銀製造業指数 → 16
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| ドル/円 | 110.41 〜 110.88 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1345 〜 1.1402 |
| ユーロ/円 | 125.71 〜 126.03 |
| NYダウ | −33.97 → 26,057.98ドル |
| GOLD | −1.00 → 1328.50ドル |
| WTI | +0.02 → 55.50ドル |
| 米10年国債 | −0.027 → 2.636% |
本日の注目イベント
- 欧 ユーロ圏1月マネーサプライ
- 欧 ユーロ圏2月消費者信頼感(改定値)
- 米 1月中古住宅販売件数成約指数
- 米 12月耐久財受注
- 米 米朝首脳会談(ベトナムで28日まで)
- 米 パウエル・FRB議長、下院銀行委員会で証言
- 加 カナダ1月消費者物価指数
パウエルFRB議長が上院で半期に一度の議会証言を行いました。議長は、インフレ圧力が抑制される中、FOMCは、金融当局の行動や世界・金融情勢、そして政府政策に関する不確実性が続いていることによる累積的な影響から、将来の政策変更に関して「辛抱強い」アプローチを取ることが正当化されると判断し、政策金利据え置きを決定したと説明しました。
1月FOMC終了後の記者会見で述べた言葉に沿った説明でしたが、その上で議長は、「この先、われわれの政策判断は引き続きデータ次第となり、経済情勢や見通しの展開に伴い、新たな情報を考慮する」と述べています。(ブルームバーグ)この点に関しても、データ次第では利上げの可能性は排除していないと考えられます。今後のリスクについての言及もあり、「昨年の金融市場は、年末に近づくにつれて変動性が高まった。金融環境は現在、昨年の早い段階ほど成長を支えていない」とし、その原因の一部として「海外の一部主要経済で成長が減速しており、中国と欧州で特に顕著だ」と指摘しています。昨日の証言では、これまでと比べ特段新鮮味はなく、市場への影響はニュートラルでした。
ドル円は結局今回も111円台は維持できず反落しています。昨日は、2月の消費者マインドが市場予想を上回り、ドル円と株価を押し上げる場面もありましたが、短命に終わっています。こうなるとドルの上値が重いのか、それとも底値が堅いのか、判断に迷うところですが、そのカギを握っているのは米長期金利の動きだと考えています。
米10年債利回りはFOMCが1月30日に「辛抱強くなれる」との文言を発表して以来、12bp強の狭いレンジで推移しています。昨年11月には3.2%台まで急騰した10年債利回りでしたが、金利急騰を嫌気して株価が直近高値から20%以上も下げたことで、債券が買い戻され長期金利は2.5%台まで低下した経緯があります。今月に入ってからは2.6台から2.7%台での狭いレンジで推移しており、この金利がどちらにブレイクするかで、ドル円の水準も決まってくると予想されます。
本日はパウエル議長の下院での議会証言がありますが、材料にはなりにくいと思われ、米朝首脳会談も同様かと思います首脳会談は日本時間午後8時40分から行われる予定になっているようですが、明日の午前中にも予定されています。本日に予想レンジは110円20銭〜111円程度を予想します。
What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 1/3 | ティムクック・アップルCEO | 「主要新興市場で幾らか苦戦するとは予想していたが、特に中国圏でこれほどの経済鈍化は見込んでいなかった」売上げ高の下方修正発表時に | ドル円108円台から104円台に急落 |
| 1/4 | パウエル・FRB議長 | 「景気拡大の軌道を維持する上で適切だと判断した場合は、われわれは政策を迅速かつ柔軟に調整し、経済を支える手段全てを活用する用意を整える」AEAの年次会合で。 | ドル円小幅に上昇。NYダウ6746ドルの急騰 |
| 1/7 | ボスティック・アトランタ連銀総裁 | 「今年に入る前、1年前に私は、2019年の利上げ回数を2回とみていた。今では19年は1回だとみる」アトランタのロータリークラブの講演で。 | -------- |
| 1/9 | ブラード・セントルイス連銀総裁 | 「これ以上利上げをした場合、米国経済はリッセンションに陥る恐れがあることを懸念している。」WSJ紙とのインタビューで。 | -------- |
| 1/15 | ドラギ・ECB総裁 | 「域内の価格圧力をさらに高め、総合インフレ率の中期的な展開を後押しするため、大規模な金融緩和が依然必要」欧州議会で。 | ユーロドル1.14台から1.13台後半まで下落 |
| 1/22 | クドロー・国家経済会議(NEC)委員長 | 「今月末のワシントンでの劉鶴副首相との会合が非常に重要であり、決定的なものになるだろう」CNBCとのインタビューで。 | ドルと株価が小幅に反発 |
| 1/23 | ハセット・大統領経済諮問委員会(CEA)委員長 | 「米政府機関の一部閉鎖が3月末まで続けば、第1四半期は経済成長がゼロになる可能性がある」。 | ドル円と株価を下押し |
| 1/23 | 王岐山・中国副主席 | 「単独行動主義と保護主義、ポピュリズムに脅かされている。弱いものいじめや、自国至上主義に基づく行動は拒絶する」ダボス会議の講演で。 | -------- |
| 1/24 | ロス・米商務長官 | 「米国と中国は貿易戦争の終結を強く願っているが、結末がどうなるかは中国が経済改革を深化させ、市場を一段と開放するかどうかにかかっている」ブルームバーグとのインタビューで。 | -------- |
| 1/24 | ドラギ・ECB総裁 | 「成長リスクは下方方向に転じた。特に地政学的要因に関する不透明感の持続と保護主義の脅威がセンチメントの重しとなっている」理事会後の記者会見で。 | ユーロドル1.1375水準1.1290前後まで下落 |
| 1/30 | パウエル・FRB議長 | 「経済と国外の不確実性が相反する中で、視界が一段とよくなるのを辛抱強く待ち、政策運営では経済データに依存するという常識的なアプローチを取る」FOMC後の会見で。 | ドル円大幅に下落。株価と債券は急騰 |
| 2/5 | 長井・元日銀国際局 | 「米中貿易摩擦や中国経済への懸念などから円相場が今年前半に1ドル=95円程度まで円高になる可能性があり、その時は安倍政権との関係からも、日銀が何もやらないというのはないだろう」ブルームバーグとのインタビューで。 | -------- |
| 2/5 | トランプ・米大統領 | 「私は中国の習近平国家主席に多大な敬意を抱いており、米政権は現在、中国との新たな通商合意に向けて作業をしている」「しかし、合意には不公正な貿易慣行を終わらせ、米国の恒常的赤字を減らし、米国民の雇用を守るように、本物の構造改革が盛り込まれる必要がある」一般教書演説で。 | ドル円大幅に下落 |
| 2/6 | イエレン前・FRB議長 | 「次の行動が利下げになる可能性は確かにあるが、利下げ・利上げ両方の可能性がある」CNBCとのインタビューで。 | -------- |
| 2/13 | ポステック・アトランタ連銀総裁 | 「全てが予想通りに展開すれば、私は2019年に1回の利上げを予想する」、「経済は2018年ほど力強くはならないが、長期の潜在成長率は上回るというのがわれわれの予想だ」ダブリンで開催されたフォーラムで。 | -------- |
| 2/19 | FOMC議事録 | 「ほぼ全ての参加者が、当局保有資産の縮小を年内に停止する計画をそう遠くない将来に発表するのが望ましいとの考えを示した」1月29−30日開催の議事録で。 | 米国株が上昇 |
| 2/26 | パウエル・FRB議長 | 「この先、われわれの政策判断は引き続きデータ次第となり、経済情勢や見通しの展開に伴い、新たな情報を考慮する。海外の一部主要経済で成長が減速しており、中国と欧州で特に顕著だ」上院での議会証言で。 | -------- |



