今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2019年3月4日(月) 「ドル円2カ月ぶりに112円台に」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は続伸し、約2カ月ぶりに112円台に乗せる。米長期金利の上昇や米中首脳会談が早ければ今月中旬にも行われるとの報道がドルの支えに。ドル円は112円08銭まで買われ、111円85−90銭前後で越週。
  • ユーロドルはほぼ前日の水準と変わらず。1.13台半ばから1.14前後で推移。
  • 株式市場は反発。米中通商協議が最終合意に達する可能性が高いことなどを好感。ダウは110ドル上昇し、3営業日ぶりに2万6千ドルの大台を回復。
  • 債券相場は大きく売られる。長期金利は約1カ月ぶりに2.75%台まで上昇。
  • 金はドル高の影響から続落し、1300ドルの大台を割り込む。原油価格も大幅に下落し55ドル台に。
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 米 12月個人所得 → 1.0%
 米 12月個人支出 → −0.5%
 米 12月PCEコアデフレー → 1.7%
 米 1月個人所得 → −0.1%
 米 2月ISM製造業景況指数 → 54.2
 米 2月ミシガン大学消費者マインド → 93.8
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ドル/円 111.64 〜 112.08
ユーロ/ドル 1.1355 〜 1.1409
ユーロ/円 127.14 〜 127.50
NYダウ +110.32 → 26,026.32ドル
GOLD −16.90 → 1299.20ドル
WTI −1.42 → 55.80ドル
米10年国債 +0.038 → 2.753%

本日の注目イベント

  • 豪 豪1月住宅建設許可件数
  • 日 2月マネタリーベース
  • トルコ トルコ2月消費者物価指数
  • 欧 ユーロ圏1月生産者物価指数

ドル円は約2カ月ぶりに112円台を回復しました。先週もこの欄で、111円30銭前後にある日足の「200日移動平均線」を明確に超えると、上昇余地があると述べましたが、やはりこの水準を抜けるとストップロスのドル買いなども巻き込まれ、比較的早い速度で上昇しています。

ドルの上昇の原動力は米長期金利の上昇でした。先週末に発表された経済指標はISM製造業景況指数や、発表の遅れていた昨年12月の個人消費・支出も低調で、1月の個人所得も予想を下回っていました。1月のFOMC以降、急速に後退している市場の利上げ観測ですが、週末の相次ぐ軟調な経済指標の発表で利上げ期待がやや復活し、米債券売りにつながり、長期金利の上昇からドルが買われたと推測できます。また一時「休戦」状態の米中通商協議の行方も株価やドルにプラスに働いたと思われます。

ブルームバーグは、政治的な障害が依然残っているものの、米中首脳会談は早ければ今月中旬にも開催される可能性を報じ、またウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)も、中国は米国からの農産物、化学製品、自動車などの輸入品に対する関税を引き下げることを提案し、米国側も昨年から中国製品に適用してきた制裁について、大半を撤回する検討をしているとして、米中が通商合意に近づいていると報じています。

トランプ大統領は2日メリーランド州で開かれた保守派の会議で、為替と金融政策について言及しています。大統領は「私は強いドルを好むが、米国にすばらしく作用するドルが望ましいと考え、米国が他国とのビジネスを行うことができなくなるほどの強すぎるドルは望んでいない」と述べ、さらにパウエルFRB議長を批判したとも取れる発言も行っています。「FRBには量的引き締めを愛し、非常に強いドルを好むジェントルマンがいる」とトランプ氏は発言しています。今回の発言は市場には影響がなかったものの、ドル円がさらに上昇した際にはトランプ氏の口から「ドル高」をけん制する発言が出てくることは明らかで、今後とも意識しておくことは必要です。

112円台まで上昇したドル円は、今朝も111円台後半で推移しており、再び112円を窺う動きを見せています。円安が進み、米国株も上昇したことから本日の日経平均株価も堅調推移するものと思われます。いつものように、その際にドル円がどこまで上値を試せるのかが焦点です。上値には「週足」の20週移動平均線が112円35銭前後にあります。目先はこのレベルが重要かと思います。110円前半〜111円前半の狭いレンジを上抜けしたことで、ドル円はしばらくは堅調に推移すると予想しています。本日は111円40銭〜112円30銭程度を予想しています。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時     発言者     内容   市場への影響   
2/5 長井・元日銀国際局 「米中貿易摩擦や中国経済への懸念などから円相場が今年前半に1ドル=95円程度まで円高になる可能性があり、その時は安倍政権との関係からも、日銀が何もやらないというのはないだろう」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
2/5 トランプ・米大統領 「私は中国の習近平国家主席に多大な敬意を抱いており、米政権は現在、中国との新たな通商合意に向けて作業をしている」「しかし、合意には不公正な貿易慣行を終わらせ、米国の恒常的赤字を減らし、米国民の雇用を守るように、本物の構造改革が盛り込まれる必要がある」一般教書演説で。 ドル円大幅に下落
2/6 イエレン前・FRB議長 「次の行動が利下げになる可能性は確かにあるが、利下げ・利上げ両方の可能性がある」CNBCとのインタビューで。 --------
2/13 ポステック・アトランタ連銀総裁 「全てが予想通りに展開すれば、私は2019年に1回の利上げを予想する」、「経済は2018年ほど力強くはならないが、長期の潜在成長率は上回るというのがわれわれの予想だ」ダブリンで開催されたフォーラムで。 --------
2/19 FOMC議事録 「ほぼ全ての参加者が、当局保有資産の縮小を年内に停止する計画をそう遠くない将来に発表するのが望ましいとの考えを示した」1月29−30日開催の議事録で。 米国株が上昇
2/26 パウエル・FRB議長 「この先、われわれの政策判断は引き続きデータ次第となり、経済情勢や見通しの展開に伴い、新たな情報を考慮する。海外の一部主要経済で成長が減速しており、中国と欧州で特に顕著だ」上院での議会証言で。 --------
2/27 バイトマン・ドイツ連銀総裁 「ECBの利上げ再開は2020年にずれ込むと投資家が予想するのは妥当だ」ドイツが「今年にかけて、下振れを経験しており、成長率は潜在成長率をかなり下回る可能性があるが、それでもまだプラス成長だ」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
3/2 トランプ・米大統領 「私は強いドルを好むが、米国にすばらしく作用するドルが望ましいと考え、米国が他国とのビジネスを行うことができなくなるほどの強すぎるドルは望んでいない。FRBには量的引き締めを愛し、非常に強いドルを好むジェントルマンがいる」メリーランド州の会合で。 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和