2019年3月5日(火) 「対ドル、ユーロで利益確定の円買い」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は112円台を維持できず。米長期金利の低下と株安が進み、ややリスク回避の流れが強まったことで利益確定の売りを伴い、111円64銭まで売られる。
- ユーロドルは下落。1.1309までユーロ安が進むが、1.13台はキープ。ユーロ円の利食い売りも出て、徐々に下値を切り下げる。
- 株式市場は反落。ダウは一時400ドル超える下げを見せたが、引け値は206ドル安。米中協議の合意が近いとの報道で、材料出尽くし感も。
- 債券相場は反発。長期金利は2.72%台へ低下。
- 金は売られ1290ドル台を割り込む。これで6日続落。原油価格は反発。
| ドル/円 | 111.64 〜 111.98 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1309 〜 1.1345 |
| ユーロ/円 | 126.44 〜 126.98 |
| NYダウ | −206.67 → 25,819.65ドル |
| GOLD | −11.70 → 1287.65ドル |
| WTI | +0.79 → 56.59ドル |
| 米10年国債 | −0.031 → 2.722% |
本日の注目イベント
- 豪 RBA、キャッシュターゲット
- 豪 豪10−12月期経常収支
- 中 中国 2月財新サービス業PMI
- 中 中国 2月財新コンポジットPMI
- 中 中国、全人代開幕
- 欧 ユーロ圏2月総合PMI(改定値)
- 欧 ユーロ圏2月サービス業PMI(改定値)
- 欧 ユーロ圏1月小売売上高
- 英 カーニー総裁、上院で証言
- 米 12月新築住宅販売件数
- 米 2月ISM非製造業景況指数
- 米 1月財政収支
- 米 バーキン・リッチモンド連銀総裁講演
先週末のNY市場で112円台に乗せたドル円は、昨日の東京市場でも112円にワンタッチする場面がありましたが、動きは鈍く、その分ドルの上値も重い展開でした。昨日のNY市場では、株価が大幅に下げ、長期金利も低下したことで、利益確定のドル売りを伴い、111円64銭前後まで反落しています。ドル円も米国株も利益を確定する動きに押されたもので、まだ直近の天井をつけたのかどうかは判然としません。ドルが売られると上昇する傾向のある金価格も、昨日で6日続落し、ここでは、ドル上昇を示唆している格好です。足元のドル円は、基本的には米長期金利との相関が強く、引き続き米長期金利の動きに着目した展開が予想されます。
大詰めを迎えている米中通商協議は、今月27日にトランプ大統領と習近平国家主席が直接会談を行い最終合意に達する見込みだと、米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は伝えています。これでひとまず「関税報復合戦」は終結に向かい、米中だけでなく、世界経済にとっても「朗報」と言える状況になります。ドル円やユーロ円、米国株が売られたのも、こうした「朗報」により、材料出尽くしが背景になったと見られます。
ただ投資家の眼は引き続き中国に注いでいます。中国では本日から「全人代」が開催され、李克強首相が行う政府活動報告に注目が集まっています。ここで景気刺激策が発表される可能性が高く、その規模が注目されます。今朝のブルームバーグは、中国が減速する景気への対策の一環として、製造業を対象に付加価値税(VAT)率を3%引き下げる計画だと報じています。仮に税率が3%引き下げられると、製造業企業にとってはGDPの0.6%に相当する最大6000億元(約10兆円)の負担減が見込まれています。
今週は上記「全人代」に加え、ECB理事会、RBAのキャッシュターゲット、さらには米雇用統計もあります。ようやく動きの出てきたドル円にとっても支援材料になろうかと思います。ドル円はテクニカル的には上昇傾向が示されており、実需面でも、輸出筋は「余裕を持って」相場に臨んでおり、売り急ぐ状況ではなくなっています。ただ今月は、多くの企業にとって決算月となり、その意味では海外で稼いだ利益を国内に集め、円に転じることも十分予想されます。ドル円がもう一段上昇するとしても緩やかな上昇となり、特に東京時間では上値を抑えることになるかもしれません。
本日はドルの下値がどの程度堅いのかを試す展開と見ています。111円50銭程度が東京時間での下値のメドと予想しますが、北京から「朗報」が届くようだと、112円を試す動きもあるかもしれません。予想レンジは111円40銭〜112円10銭程度でしょうか。
What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 2/5 | 長井・元日銀国際局 | 「米中貿易摩擦や中国経済への懸念などから円相場が今年前半に1ドル=95円程度まで円高になる可能性があり、その時は安倍政権との関係からも、日銀が何もやらないというのはないだろう」ブルームバーグとのインタビューで。 | -------- |
| 2/5 | トランプ・米大統領 | 「私は中国の習近平国家主席に多大な敬意を抱いており、米政権は現在、中国との新たな通商合意に向けて作業をしている」「しかし、合意には不公正な貿易慣行を終わらせ、米国の恒常的赤字を減らし、米国民の雇用を守るように、本物の構造改革が盛り込まれる必要がある」一般教書演説で。 | ドル円大幅に下落 |
| 2/6 | イエレン前・FRB議長 | 「次の行動が利下げになる可能性は確かにあるが、利下げ・利上げ両方の可能性がある」CNBCとのインタビューで。 | -------- |
| 2/13 | ポステック・アトランタ連銀総裁 | 「全てが予想通りに展開すれば、私は2019年に1回の利上げを予想する」、「経済は2018年ほど力強くはならないが、長期の潜在成長率は上回るというのがわれわれの予想だ」ダブリンで開催されたフォーラムで。 | -------- |
| 2/19 | FOMC議事録 | 「ほぼ全ての参加者が、当局保有資産の縮小を年内に停止する計画をそう遠くない将来に発表するのが望ましいとの考えを示した」1月29−30日開催の議事録で。 | 米国株が上昇 |
| 2/26 | パウエル・FRB議長 | 「この先、われわれの政策判断は引き続きデータ次第となり、経済情勢や見通しの展開に伴い、新たな情報を考慮する。海外の一部主要経済で成長が減速しており、中国と欧州で特に顕著だ」上院での議会証言で。 | -------- |
| 2/27 | バイトマン・ドイツ連銀総裁 | 「ECBの利上げ再開は2020年にずれ込むと投資家が予想するのは妥当だ」ドイツが「今年にかけて、下振れを経験しており、成長率は潜在成長率をかなり下回る可能性があるが、それでもまだプラス成長だ」ブルームバーグとのインタビューで。 | -------- |
| 3/2 | トランプ・米大統領 | 「私は強いドルを好むが、米国にすばらしく作用するドルが望ましいと考え、米国が他国とのビジネスを行うことができなくなるほどの強すぎるドルは望んでいない。FRBには量的引き締めを愛し、非常に強いドルを好むジェントルマンがいる」メリーランド州の会合で。 | -------- |



