2019年3月8日(金) 「ECBの決定を受けユーロ急落」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円はECB理事会での決定を受け、リスク回避の流れが強まったことから111円48銭まで下落。長期金利の低下や株価の大幅下落も円買いを支えた。
- ユーロドルは大幅に下落し、節目の1.12を割り込み、2017年6月以来となる1.1177までユーロ安が進行。ECBが成長見通しや、利上げ見通しをハト派寄りに変更したことが材料に。
- 株式市場は続落。ECBが景気見通しを下方修正したことを手がかりに大きく売られる。ダウは4日続落し200ドルの下げに。
- リスク回避の流れが強まり債券価格は上昇。10年債利回りは2.63%台まで低下。
- 金は続伸し、原油価格は反発。
新規失業保険申請件数 → 22.3万件
10−12月期家計純資産 → 3730bドル
1月消費者信用残高 → 170.5億ドル
***************************
| ドル/円 | 111.48 〜 111.86 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1177 〜 1.1288 |
| ユーロ/円 | 124.67 〜 126.14 |
| NYダウ | −200.23 → 25,473.23ドル |
| GOLD | +1.50 → 1286.10ドル |
| WTI | +0.44 → 56.66ドル |
| 米10年国債 | −0.054 → 2.639% |
本日の注目イベント
- 日 1月国際収支
- 日 10−12月GDP(改定値)
- 中 中国 2月貿易収支
- 米 2月雇用統計
- 米 1月住宅着工件数
- 米 1月建設許可件数
- 加 カナダ2月住宅着工件数
- 加 カナダ2月就業者数
- 加 カナダ2月失業率
「100年に一度の金融危機」と言われた2008年9月の「リーマンショック」。多くの中央銀行は非伝統的な金融政策を含むあらゆる金融政策を動員し、景気回復に心血を注いできました。その結果、トップランナーである米国は2015年末に政策金利の引き上げに踏み切り、「金融正常化」への道を歩んできたことはご存知の通りです。その米国に周回遅れで走って来たのが欧州でしたが、どうやらその遅れはさらに拡大しそうな気配です。
ECBは7日定例理事会を開き、経済見通しを大幅に下方修正しました。域内のけん引役であるドイツを中心に景気減速が急速に進んだことで修正を余儀なくされた形です。ECBは2019年の経済成長率予想をこれまでの1.7%から1.1%に下方修正し、2020年も引き下げました。インフレ率予想についても2019年は、従来予想の1.6%から1.2%へと引き下げ、2020、2021年も同様に引き下げています。
さらにECBは、条件付長期リファイナンスオペ(TLTRO)の再開も決定しました。昨年12月に資産購入プログラムの終了を決めたばかりでしたが、再び景気刺激策の導入に踏み切ったわけですが、この決定はサプライズとして市場に受け止められています。また利上げのタイミングについても、「早くとも今年の夏以降」としていた従来予測を、「少なくとも年末まで現行水準に留まる」として、利上げは来年以降になることを表明しました。
ドラギ総裁は理事会後の記者会見で「地政学的要因と保護主義の脅威、脆弱性に関連した不透明感の持続が景況感に影響を与えているもようだ」と述べ、「ユーロ圏の成長見通しを取り巻くリスクは、依然として下振れ方向に傾斜している」と語っています。(ブルームバーグ)ユーロ圏は米中貿易戦争の影響だけではなく、米国への鉄鋼に対して関税が引き上げられており、さらに米国はユーロ圏への農産物の輸出を巡りユーロ圏からの自動車に対して関税を引き上げると脅しをかけています。米国とEUとの貿易戦争はこれからが本番といった状況です。
年内の利上げを停止する可能性のある米国。先週の全人代で今年の経済成長率を下方修正した中国。さらにわが国でも、昨日発表された景気指数は3カ月連続で低下しており、すでに景気はピークアウトしているのではとの観測も出ています。日米欧に中国を加えた「世界4大経済地域」で景気減速が鮮明になれば、リーマンショック級とは言わないまでも、マクロ的に見れば世界景気の低迷を背景に、低金利水準が当面続くということになります。そして、その最大の原因はトランプ政権が仕掛けた「貿易戦争」にあることは明らかで、米国の保護貿易、自国主義が世界景気の脅威になっていることを、昨日ドラギ総裁も暗に批判していたと受け止めています。
ユーロドルはこの決定を受けて大きく売られ、非常に重要な節目と見られていた1.12を割り込み、1.1177前後までユーロ安が進みました。この水準は2017年6月以来となり、ユーロは他の主要通貨に対しても大きく下落しています。ユーロドルを予想するには、すでに下落が大きいため「週足」でも下値のメドが見当たらず、「月足」チャートを読むことになります。「月足」では雲の下限が1.10台前半にあり、ここを割り込むようだとチャート上は相当な下落が予想されます。
ユーロドルで「ドル高・ユーロ安」が進んだことで、ドル円でももう少しドル高が進んでもおかしくはなかった状況でしたが、市場の「リスクオフ」の流れからやや円が買われたものと思われます。そう考えると本日のドル円の上値はやはり重いと予想され、下値は「200日線」のある、111円35−40銭近辺がサポート見ています。この水準を抜けるようだと111円割れもないとは言えません。本日は、雇用統計もあります。かつてほど動きのない雇用統計ですが、予断を持つことなく臨むことが肝要です。
予想レンジは111円〜112円程度とします。
=====================
まもなくあの「東日本大震災」から8年目を迎えようとしています。復興が着々と進んでいる一方、いまだに仮設住宅住まいを余儀なくされている方も多いようです。復興対策が「単線化」しているせいだと指摘する専門家もいます。先日、政府の地震調査委員会が千葉県沖から青森県沖までの太平洋側沿岸で大規模地震の起こる確率を発表しまたが、青森県東方沖から岩手県沖北部の地域では、その確率が「90%以上」でした。マグニチュード7〜8程度の大規模な地震が30年以内に発生する確率が「90%以上」ということは、ほぼ発生すると考えられます。30年以内ということですが、明日発生するかもしれないということです。8年前の地震で「半壊」に認定された我が家は、その後修復工事を行いましたが、まだ傾きがあります。「更なる修復工事を行っても、また同じ被害を受けるのなら・・・・・」毎年この時期になると繰り返される想いです。良い週末を・・・・・。
What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 2/5 | 長井・元日銀国際局 | 「米中貿易摩擦や中国経済への懸念などから円相場が今年前半に1ドル=95円程度まで円高になる可能性があり、その時は安倍政権との関係からも、日銀が何もやらないというのはないだろう」ブルームバーグとのインタビューで。 | -------- |
| 2/5 | トランプ・米大統領 | 「私は中国の習近平国家主席に多大な敬意を抱いており、米政権は現在、中国との新たな通商合意に向けて作業をしている」「しかし、合意には不公正な貿易慣行を終わらせ、米国の恒常的赤字を減らし、米国民の雇用を守るように、本物の構造改革が盛り込まれる必要がある」一般教書演説で。 | ドル円大幅に下落 |
| 2/6 | イエレン前・FRB議長 | 「次の行動が利下げになる可能性は確かにあるが、利下げ・利上げ両方の可能性がある」CNBCとのインタビューで。 | -------- |
| 2/13 | ポステック・アトランタ連銀総裁 | 「全てが予想通りに展開すれば、私は2019年に1回の利上げを予想する」、「経済は2018年ほど力強くはならないが、長期の潜在成長率は上回るというのがわれわれの予想だ」ダブリンで開催されたフォーラムで。 | -------- |
| 2/19 | FOMC議事録 | 「ほぼ全ての参加者が、当局保有資産の縮小を年内に停止する計画をそう遠くない将来に発表するのが望ましいとの考えを示した」1月29−30日開催の議事録で。 | 米国株が上昇 |
| 2/26 | パウエル・FRB議長 | 「この先、われわれの政策判断は引き続きデータ次第となり、経済情勢や見通しの展開に伴い、新たな情報を考慮する。海外の一部主要経済で成長が減速しており、中国と欧州で特に顕著だ」上院での議会証言で。 | -------- |
| 2/27 | バイトマン・ドイツ連銀総裁 | 「ECBの利上げ再開は2020年にずれ込むと投資家が予想するのは妥当だ」ドイツが「今年にかけて、下振れを経験しており、成長率は潜在成長率をかなり下回る可能性があるが、それでもまだプラス成長だ」ブルームバーグとのインタビューで。 | -------- |
| 3/2 | トランプ・米大統領 | 「私は強いドルを好むが、米国にすばらしく作用するドルが望ましいと考え、米国が他国とのビジネスを行うことができなくなるほどの強すぎるドルは望んでいない。FRBには量的引き締めを愛し、非常に強いドルを好むジェントルマンがいる」メリーランド州の会合で。 | -------- |
| 3/7 | ドラギ・ECB総裁 | 「地政学的要因と保護主義の脅威、脆弱性に関連した不透明感の持続が景況感に影響を与えているもようだ。ユーロ圏の成長見通しを取り巻くリスクは、依然として下振れ方向に傾斜している」 理事会後の会見で。 | ユーロドル1.13台〜1.1176まで下落。ユーロ円126円台〜124円台に。 |



