今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2019年3月13(水) 「英議会「EU離脱修正案」を否決」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は前日と同じような展開となり、111円台でもみ合う。米長期金利の低下に111円12銭まで売られたが勢いはなく、111円30−35銭で引ける。
  • ポンドドルは乱高下。EU離脱案が議会での可決期待から買われていたが、否決されたことで1.32台から200ポイントを超える下落に。
  • 株式市場は反落。前日に続きボーイング株が大きく売られ、ダウは96ドル安。一方アップルなどが買われたことでナスダックは32ポイント上昇。
  • 債券は反発。10年債入札が好調だったこともあり長期金利は一時2.6%を割り込み、今年1月4日以来となる低水準に。
  • 金は反発し、原油価格は小幅に続伸。
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2月消費者物価指数  →  0.2%
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ドル/円 111.12 〜 111.40
ユーロ/ドル 1.1250 〜 1.1305
ユーロ/円 125.17 〜 125.82
NYダウ −96.22  → 25,554.66ドル
GOLD +7.20 → 1298.10ドル
WTI +0.08 → 56.87ドル
米10年国債 −0.038 → 2.602%

本日の注目イベント

  • 欧 ユーロ圏1月鉱工業生産
  • 英 英議会、「合意なき離脱」の是非を採決
  • 米 2月生産者物価指数
  • 米 1月耐久財受注

ひょっとしたら議会で承認されるのかといった期待もありましたが、今朝方、英議会はメイ首相がEUから取り付けた修正を加えた離脱案を大差で否決しました。賛成242票、反対391票の結果となり、これで英国の選択肢は「合意なき離脱」か「離脱延期」かとなり、引き続き本日「合意なき離脱」の是非を採決することになります。

修正離脱案の承認がほとんど見込めなくなったことから、下院は週内にも離脱延期の採決を行うと見られていますが、離脱を延期しても結局は問題を数カ月先延ばしにしただけに終わる可能性もあり、メイ首相は今後議会が直面する選択肢の一つが再度の国民投票だと述べています。メイ首相は採決後に、「合意なき離脱に反対票を投じ、離脱延期に賛成票を投じたからといって、われわれが直面している問題は解決しない。われわれが交渉した合意案が最善で、また唯一入手可能な合意案だと信じている」と述べています。(ブルームバーグ)ポンドドルは、昨日のEUから取り付けた合意案を背景に、1.29台後半から徐々に買われ、1.3262前後まで上昇しましたが、否決が伝わると1.30近辺まで急落し、極めて荒っぽい動きを見せています。この動きはまだ今週一杯は続くと見られ、注意が必要です。

米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表は数週間以内に最終合意する可能性があると見られている米中貿易協議について、中国政府による協議履行を確実にする手段として、トランプ政権は中国からの輸入品に対する追加関税という選択肢を残しておく必要があると、上院の公聴会で証言しました。ライトハイザー氏は、「現在の関税が今後どうなるかにかかわらず、合意が破られた場合に関税を引き上げる権利を米国は維持しなければならない」と述べています。中国側は、今回の交渉を契機に、両国の関税を全面的に撤廃することを求めており、米中首脳会談での「合意、署名」の日程がいまだに定まらないのは、このあたりの認識の違いが障害になっていると思われます。トランプ大統領と習近平主席との首脳会談は当初今月27日にも行われるとの見方もありましたが、トランプ氏自身これを否定し、4月にずれ込むと述べていました。

米長期金利がさらに低下し、昨日は2.60%を割り込む場面もありました。引け値では2.60%台を回復してはいますが、2.60%割れは1月4日以来ということになります。その割にはドル円は堅調です。値動きが少ないということもありますが、110円台半ばから111円台半ばでのもみ合いが続いています。一目均衡表(日足)では、依然として雲の上方で推移しているため、ドル上昇局面にはいますが、「MACD」ではすでに、デッドクロスを示しています。これもあくまでも「過去の経験則」に照らしてのことですが、ドル円下落のサインと見ることもできます。本日の予想レンジは110円70銭〜111円50銭といったところでしょうか。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時     発言者     内容   市場への影響   
2/5 長井・元日銀国際局 「米中貿易摩擦や中国経済への懸念などから円相場が今年前半に1ドル=95円程度まで円高になる可能性があり、その時は安倍政権との関係からも、日銀が何もやらないというのはないだろう」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
2/5 トランプ・米大統領 「私は中国の習近平国家主席に多大な敬意を抱いており、米政権は現在、中国との新たな通商合意に向けて作業をしている」「しかし、合意には不公正な貿易慣行を終わらせ、米国の恒常的赤字を減らし、米国民の雇用を守るように、本物の構造改革が盛り込まれる必要がある」一般教書演説で。 ドル円大幅に下落
2/6 イエレン前・FRB議長 「次の行動が利下げになる可能性は確かにあるが、利下げ・利上げ両方の可能性がある」CNBCとのインタビューで。 --------
2/13 ポステック・アトランタ連銀総裁 「全てが予想通りに展開すれば、私は2019年に1回の利上げを予想する」、「経済は2018年ほど力強くはならないが、長期の潜在成長率は上回るというのがわれわれの予想だ」ダブリンで開催されたフォーラムで。 --------
2/19 FOMC議事録 「ほぼ全ての参加者が、当局保有資産の縮小を年内に停止する計画をそう遠くない将来に発表するのが望ましいとの考えを示した」1月29−30日開催の議事録で。 米国株が上昇
2/26 パウエル・FRB議長 「この先、われわれの政策判断は引き続きデータ次第となり、経済情勢や見通しの展開に伴い、新たな情報を考慮する。海外の一部主要経済で成長が減速しており、中国と欧州で特に顕著だ」上院での議会証言で。 --------
2/27 バイトマン・ドイツ連銀総裁 「ECBの利上げ再開は2020年にずれ込むと投資家が予想するのは妥当だ」ドイツが「今年にかけて、下振れを経験しており、成長率は潜在成長率をかなり下回る可能性があるが、それでもまだプラス成長だ」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
3/2 トランプ・米大統領 「私は強いドルを好むが、米国にすばらしく作用するドルが望ましいと考え、米国が他国とのビジネスを行うことができなくなるほどの強すぎるドルは望んでいない。FRBには量的引き締めを愛し、非常に強いドルを好むジェントルマンがいる」メリーランド州の会合で。 --------
3/7 ドラギ・ECB総裁 「地政学的要因と保護主義の脅威、脆弱性に関連した不透明感の持続が景況感に影響を与えているもようだ。ユーロ圏の成長見通しを取り巻くリスクは、依然として下振れ方向に傾斜している」 理事会後の会見で。 ユーロドル1.13台〜1.1176まで下落。ユーロ円126円台〜124円台に。
3/10 易綱・中国人民銀行総裁 「中国は為替相場を競争、輸出拡大、貿易摩擦の手段に絶対使わない」記者会見で。 --------
3/12 メイ・英国首相 「合意なき離脱に反対票を投じ、離脱延期に賛成票を投じたからといって、われわれが直面している問題は解決しない。われわれが交渉した合意案が最善で、また唯一入手可能な合意案だと信じている」修正案が議会で否決された後に。 --------
3/12 ライトハイザー・USTR代表 「現在の関税が今後どうなるかにかかわらず、合意が破られた場合に関税を引き上げる権利を米国は維持しなければならない」 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和