今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2019年3月15(金) 「英議会離脱延期を可決」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は目先の節目であった111円台半ばを上抜けし、111円83銭までドル高が進む。日銀が追加緩和に踏み切るとの観測が台頭し、円売りにつながる。
  • ユーロドルは小動き。1.13を挟み、上下10ポイント幅で推移。
  • ポンドドルが下落。英議会がEU離脱延期案を可決したが、1.32台前半まで売られる。
  • 株式市場はまちまち。米中貿易協議が再び株価の上値を押さえた一方、アップルは買われた。ダウは7ドル高で取引を終えたが、ナスダックとS&P500は下落。
  • 債券相場はほぼ横ばい。長期金利は若干上昇し、2.63%台に。
  • 金は3日ぶりに反落し、原油は続伸。
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 米新規失業保険申請件数  →  22.9万件
 米2月輸入物価指数    →   0.6%
 米1月新築住宅販売件   →  60.7万件
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ドル/円 111.52 〜 111.83
ユーロ/ドル 1.1294 〜 1.1311
ユーロ/円 126.01 〜 126.36
NYダウ +7.05 → 25,709.94ドル
GOLD −14.20 → 1295.10ドル
WTI +0.35 → 58.61ドル
米10年国債 +0.009 → 2.630%

本日の注目イベント

  • 日 日銀金融政策決定会合
  • 日 黒田日銀総裁記者会見
  • 欧 ユーロ圏2月消費者物価指数(改定値)
  • 米 3月NY連銀製造業景況指数
  • 米 2月鉱工業生産
  • 米 2月設備稼働率
  • 米 3月ミシガン大学消費者マインド(速報値)

連日「BREXIT」に関する話題が市場の中心ですが、昨日も英議会はEUに離脱延期を要請する政府案を採決し、賛成412、反対202で可決しました。これでメイ首相の不人気な離脱案が、EU首脳会議の前日の20日までに承認されれば、6月30日までの一時的な延期をEUに申し出ることになります。今月末の離脱期限が延期される可能性が高まったものの、前日大きく値を戻したポンドドルは100ポイントほど売られています。

昨日は米貿易協議も再び材料になったようです。ブルームバーグは事情に詳しい関係者の話として、トランプ大統領と習近平主席が貿易戦争に終止符を打つ合意に署名するための首脳会談を、今月中には行われず、早くても4月になる公算が大きいと報じました。 トランプ大統領の米フロリダ州の別荘で行われると期待されていた首脳会談は、実現するとしても4月中旬になる見込みだと伝えており、ライトハイザーUSTR代表が下院で証言したように、関税の全面撤廃を主張する中国と一部関税を維持したい米国との溝が埋まっていないことが背景かと思われます。今朝の報道でも、ムニューシン財務長官は首脳会談が今月中に開催されることはないだろうと正式に述べています。ムニューシン長官は「われわれには依然さらに行うべき作業があり、タイミングを考慮すると今月末に会談を行うことはない」と述べており、「習国家主席の訪問の調整を話し合っている」と語っています。

ドル円は目先のレジスタンス・ゾーンであった111円台半ばを上抜け、先週6日以来となる111円83銭までドル高が進みました。昨日の東京時間に111円50銭をあっさり抜け、株価が下げた中では逆行する動きでした。本日の日銀政策決定会合で、金融緩和が強化されるといった思惑がドルを押し上げた模様です。緩やかな上昇が続いているドル円ですが、目先は112円台を回復できるかどうかが注目されます。先週までに112円台を2回試していますが、いずれも押し戻され、先週末には雇用統計の結果に反応し、110円台後半まで売られる場面もありました。チャートを見ると120日線を再び上回ってきましたが、「転換線」も「基準線」も横ばいで推移しており、112円台を回復してどんどん上昇する状況ではありません。本日の予想は111円40銭〜112円10銭程度と見ます。

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今週に入りボーイング株が急落しています。言うまでもなく、今月10日に発生したエチオピア航空の墜落事故が原因です。エチオピア航空のボーイング737MAX機は離陸後墜落し、157人全員が死亡するという痛ましい事故が発生しました。問題は、インドネシアの航空会社でも2018年10月にも事故を起こしており、今回の事故と同機種だったいうことです。ブルームバーグによると、ボーイングのMAXシリーズは、世界で80社あまりの航空会社から5000機以上も受注しており、ベストセラーだそうです。MAXシリーズで最も売れているのが「MAX8」で、上記の事故はいずれもこの機種だそうです。事故の影響は大きく、すでに50カ国・地域を超えて運行停止が発表されています。慎重な姿勢を見せていた米連邦航空局(FAA)も13日には運行停止を決め、トランプ大統領も同様の発表をしています。因みに大統領専用機「エアフォース1」は同機種ではなく、ボーイング747です。

良い週末を・・・・・。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時     発言者     内容   市場への影響   
2/5 長井・元日銀国際局 「米中貿易摩擦や中国経済への懸念などから円相場が今年前半に1ドル=95円程度まで円高になる可能性があり、その時は安倍政権との関係からも、日銀が何もやらないというのはないだろう」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
2/5 トランプ・米大統領 「私は中国の習近平国家主席に多大な敬意を抱いており、米政権は現在、中国との新たな通商合意に向けて作業をしている」「しかし、合意には不公正な貿易慣行を終わらせ、米国の恒常的赤字を減らし、米国民の雇用を守るように、本物の構造改革が盛り込まれる必要がある」一般教書演説で。 ドル円大幅に下落
2/6 イエレン前・FRB議長 「次の行動が利下げになる可能性は確かにあるが、利下げ・利上げ両方の可能性がある」CNBCとのインタビューで。 --------
2/13 ポステック・アトランタ連銀総裁 「全てが予想通りに展開すれば、私は2019年に1回の利上げを予想する」、「経済は2018年ほど力強くはならないが、長期の潜在成長率は上回るというのがわれわれの予想だ」ダブリンで開催されたフォーラムで。 --------
2/19 FOMC議事録 「ほぼ全ての参加者が、当局保有資産の縮小を年内に停止する計画をそう遠くない将来に発表するのが望ましいとの考えを示した」1月29−30日開催の議事録で。 米国株が上昇
2/26 パウエル・FRB議長 「この先、われわれの政策判断は引き続きデータ次第となり、経済情勢や見通しの展開に伴い、新たな情報を考慮する。海外の一部主要経済で成長が減速しており、中国と欧州で特に顕著だ」上院での議会証言で。 --------
2/27 バイトマン・ドイツ連銀総裁 「ECBの利上げ再開は2020年にずれ込むと投資家が予想するのは妥当だ」ドイツが「今年にかけて、下振れを経験しており、成長率は潜在成長率をかなり下回る可能性があるが、それでもまだプラス成長だ」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
3/2 トランプ・米大統領 「私は強いドルを好むが、米国にすばらしく作用するドルが望ましいと考え、米国が他国とのビジネスを行うことができなくなるほどの強すぎるドルは望んでいない。FRBには量的引き締めを愛し、非常に強いドルを好むジェントルマンがいる」メリーランド州の会合で。 --------
3/7 ドラギ・ECB総裁 「地政学的要因と保護主義の脅威、脆弱性に関連した不透明感の持続が景況感に影響を与えているもようだ。ユーロ圏の成長見通しを取り巻くリスクは、依然として下振れ方向に傾斜している」 理事会後の会見で。 ユーロドル1.13台〜1.1176まで下落。ユーロ円126円台〜124円台に。
3/10 易綱・中国人民銀行総裁 「中国は為替相場を競争、輸出拡大、貿易摩擦の手段に絶対使わない」記者会見で。 --------
3/12 メイ・英国首相 「合意なき離脱に反対票を投じ、離脱延期に賛成票を投じたからといって、われわれが直面している問題は解決しない。われわれが交渉した合意案が最善で、また唯一入手可能な合意案だと信じている」修正案が議会で否決された後に。 --------
3/12 ライトハイザー・USTR代表 「現在の関税が今後どうなるかにかかわらず、合意が破られた場合に関税を引き上げる権利を米国は維持しなければならない」 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和