2019年3月26(火) 「米長期金利さらに低下し2.39%台に」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は前日の急落から反発して110円16銭まで上昇したが、米長期金利が一段と低下したことから109円76銭まで下落。
- ユーロドルは1.13台で小動き。値幅も20ポイント強に留まる。
- 株式市場はまちまち。ダウは一時130ドルほど下げたが、引け値では14ドル高。一方ナスダックとS&P500は続落。
- 債券相場は続伸し、長期金利は2.4%を割り込み、2.39%台で取引を終える。世界景気の減速を織り込む形で債券市場に資金が流入。
- 金は3日続伸。原油価格は3日続落。
| ドル/円 | 109.76 〜 110.16 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1309 〜 1.1331 |
| ユーロ/円 | 124.23 〜 124.76 |
| NYダウ | +14.51 → 25,516.83ドル |
| GOLD | +10.30 → 1322.60ドル |
| WTI | −0.22 → 58.82ドル |
| 米10年国債 | −0.041 → 2.398% |
本日の注目イベント
- 日 日銀金融政策決定会合における主な意見(3月14、15日分)
- 独 独4月GFK消費者信頼感
- 米 2月住宅着工件数
- 米 2月建設許可件数
- 米 3月消費者信頼感指数
- 米 1月FHFA住宅価格指数
- 米 1月ケース・シラ−住宅価格指数
- 米 3月リッチモンド連銀製造業指数
- 米 ローゼングレン・ボストン連銀総裁講演
- 米 エバンス・シカゴ連銀総裁講演
- 米 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁講演
- 米 デーリー・サンフランシスコ連銀総裁講演
欧米のPMIが大きく低下し、さらに米国債券市場では3カ月物短期債が10年債利回りを上回る「逆イールド」が発生したことで、今後1年から1年半後には米景気はリセッションに陥るといった見方から、ドル円は昨日の東京市場で109円70銭まで売られました。イエレン前FRB議長は昨日香港で講演を行い、「米国債の逆イールドは景気後退ではなく、ある時点で利下げを行う必要性を示している」と述べ、米景気のリセッション入りの可能性を否定しています。
日経平均株価も、予想以上の下落を見せ、一時は700円を超える下げを見せ、引け値でも今年最大の下落幅となる650円の下落でした。また、日本の債券市場でも長期金利が低下し、マイナス0.096%前後までマイナス幅を拡大しました。今朝の報道では日銀が追加緩和に踏み切るとの観測が急速に台頭していることを伝えていますが、長期金利のマイナス幅の拡大を容認する可能性はあるようです。現在短期金利をマイナス0.1%程度、長期金利をゼロ近辺にコントロールしている金融政策を、さらにマイナス幅を拡大し、ETFなどの買い入れ額も拡大させる可能性があるのではないかと思います。また、今後の経済指標次第では10月に予定されている消費税率の引き上げも可能性は低いと思いますが、延期されることもないとは言えません。欧米に加え、中国の景気減速の影響が今年後半からは顕在化することが十分予想されるからです。
米長期金利がさらに低下しています。長期金利の2.4%割れは、2017年12月以来ということになります。市場では今年の利上げ回数は「ゼロ」と見込んでいますが、一部では「利下げ」の可能性も指摘されています。シカゴ連銀のエバンス総裁は昨日、現在の米国は1997−98年のアジア金融危機が起きた際に、グリーンスパン氏率いるFRBが利下げを断行したことを引き合いに出し、ここから学ぶべきだと指摘しています。この時の大半のFOMCメンバーが「政策調整の必要は差し迫っていない」とした議論と(現在が)「似通っているのではないかと」と述べています。(ブルームバーグ)
米長期金利が急速に低下していることで、日米金利差は縮小しています。これがドル円の上値を抑える状況になっていますが、足元の動きはドルの戻りを売る姿勢は強まっていますが、ドルを押し下げてまで売るといったスタンスではありません。目先は109円前後まで売られる可能性はあると思われますが、そこからさらに急激な円高に振れるイメージは描きにくいと思われます。それは、依然として米景気は他の主要地域と比べ相対的に好調で、金利面での優位性も維持していると考えるからです。米中貿易戦争、ロシア疑惑、さらに英国のEU離脱問題が揃ってドル売り材料に傾いたらその限りではありませんが、今しばらく上記材料の行方を見守るしかありません。本日の予想レンジは109円60銭〜110円50銭程度と見ます。
What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 2/5 | 長井・元日銀国際局 | 「米中貿易摩擦や中国経済への懸念などから円相場が今年前半に1ドル=95円程度まで円高になる可能性があり、その時は安倍政権との関係からも、日銀が何もやらないというのはないだろう」ブルームバーグとのインタビューで。 | -------- |
| 2/5 | トランプ・米大統領 | 「私は中国の習近平国家主席に多大な敬意を抱いており、米政権は現在、中国との新たな通商合意に向けて作業をしている」「しかし、合意には不公正な貿易慣行を終わらせ、米国の恒常的赤字を減らし、米国民の雇用を守るように、本物の構造改革が盛り込まれる必要がある」一般教書演説で。 | ドル円大幅に下落 |
| 2/6 | イエレン前・FRB議長 | 「次の行動が利下げになる可能性は確かにあるが、利下げ・利上げ両方の可能性がある」CNBCとのインタビューで。 | -------- |
| 2/13 | ポステック・アトランタ連銀総裁 | 「全てが予想通りに展開すれば、私は2019年に1回の利上げを予想する」、「経済は2018年ほど力強くはならないが、長期の潜在成長率は上回るというのがわれわれの予想だ」ダブリンで開催されたフォーラムで。 | -------- |
| 2/19 | FOMC議事録 | 「ほぼ全ての参加者が、当局保有資産の縮小を年内に停止する計画をそう遠くない将来に発表するのが望ましいとの考えを示した」1月29−30日開催の議事録で。 | 米国株が上昇 |
| 2/26 | パウエル・FRB議長 | 「この先、われわれの政策判断は引き続きデータ次第となり、経済情勢や見通しの展開に伴い、新たな情報を考慮する。海外の一部主要経済で成長が減速しており、中国と欧州で特に顕著だ」上院での議会証言で。 | -------- |
| 2/27 | バイトマン・ドイツ連銀総裁 | 「ECBの利上げ再開は2020年にずれ込むと投資家が予想するのは妥当だ」ドイツが「今年にかけて、下振れを経験しており、成長率は潜在成長率をかなり下回る可能性があるが、それでもまだプラス成長だ」ブルームバーグとのインタビューで。 | -------- |
| 3/2 | トランプ・米大統領 | 「私は強いドルを好むが、米国にすばらしく作用するドルが望ましいと考え、米国が他国とのビジネスを行うことができなくなるほどの強すぎるドルは望んでいない。FRBには量的引き締めを愛し、非常に強いドルを好むジェントルマンがいる」メリーランド州の会合で。 | -------- |
| 3/7 | ドラギ・ECB総裁 | 「地政学的要因と保護主義の脅威、脆弱性に関連した不透明感の持続が景況感に影響を与えているもようだ。ユーロ圏の成長見通しを取り巻くリスクは、依然として下振れ方向に傾斜している」 理事会後の会見で。 | ユーロドル1.13台〜1.1176まで下落。ユーロ円126円台〜124円台に。 |
| 3/10 | 易綱・中国人民銀行総裁 | 「中国は為替相場を競争、輸出拡大、貿易摩擦の手段に絶対使わない」記者会見で。 | -------- |
| 3/12 | メイ・英国首相 | 「合意なき離脱に反対票を投じ、離脱延期に賛成票を投じたからといって、われわれが直面している問題は解決しない。われわれが交渉した合意案が最善で、また唯一入手可能な合意案だと信じている」修正案が議会で否決された後に。 | -------- |
| 3/12 | ライトハイザー・USTR代表 | 「現在の関税が今後どうなるかにかかわらず、合意が破られた場合に関税を引き上げる権利を米国は維持しなければならない」 | -------- |
| 3/21 | パウエル・FRB議長 | 「海外経済の減速が米景気の逆風になってきた」「政策変更を明確に必要とするほど雇用とインフレの見通しが変わるには、しばらく時間がかかるかもしれない」FOMC後の記者会見で。 | ドル円111円60銭前後から110円52銭まで下落。ユーロドル1.13台半ばから1.1448まで上昇。 |
| 3/25 | エバンス・シカゴ連銀総裁 | (利上げ見通しについて)「今は静止、停止して事態の推移を見守るのによい時期だ」、「FF金利が中立に近づいているのはほぼ確かだ」香港のイベントで。 | -------- |



