2019年3月28(木) 「米長期金利さらに低下し2.35%台に」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は欧州市場で110円70銭まで上昇したが、NY市場では米長期金利の低下を背景に110円29銭まで下落。
- ユーロドルではややドル買いユーロ売りが優勢に。ドラギECB総裁の発言に、ユーロが買われる場面もあったが、結局小幅に下落。
- 株式市場は下落。景気の減速懸念が強まり、朝方上昇していたダウの上昇を抑え、ダウは32ドル安。
- 債券相場は大きく上昇。長期金利は一時2.35%台まで低下し、2017年12月以来の低水準に。
- 金は続落し、原油は反落。
1月貿易収支 → −511億ドル
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| ドル/円 | 110.29 〜 110.58 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1242 〜 1.1283 |
| ユーロ/円 | 124.05 〜 124.61 |
| NYダウ | −32.14 → 25,625.59ドル |
| GOLD | −4.60 → 1310.40ドル |
| WTI | −0.53 → 59.41ドル |
| 米10年国債 | −0.057 → 2.366% |
本日の注目イベント
- 独 独3月消費者物価指数(速報値)
- 欧 ユーロ圏2月マネーサプライ
- 欧 ユーロ圏3月消費者信頼感(確定値)
- 米 10−12月GDP(確定値)
- 米 2月中古住宅販売件数成約指数
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 クオールズ・FRB副議長講演
- 米 ボウマン・FRB理事講演
- 米 クラリダ・FRB副議長講演
- 米 ウィリアムズ・NY連銀総裁講演
- 米 ブラード・セントルイス連銀総裁講演
世界経済の減速懸念が強まっていることで資金が債券に向かい、世界的に金利が低下傾向にあります。米10年物国債の利回りは昨日一段と低下して一時、2.35%台を記録しました。これは2017年12月以来、1年3カ月ぶりの低水準です。ドイツ国債も買われ、ドイツの長期金利はマイナス金利を拡大させています。日本の長期金利もマイナス0.07%近辺まで低下しており、投資家が今後の景気の悪化を意識して、資金を安全資産に振り向けていることが窺えます。基本的には低金利を歓迎する株式市場も、昨日は景気の悪化を懸念する声が優勢となり下落しています。
昨日は余り材料が見当たらず、ドル円も欧州時間には110円70銭前後まで買われましたが、NYに入ると金利低下に押されて、110円29銭まで売られています。値幅も30銭程度で小動きでした。そんな中、話題はトルコリラでした。
トルコリラの下落を防ぐため、トルコ政府は国内の銀行に流動性を提供しないよう圧力をかけており、リラ建て資産を放出したい海外のヘッジファンドは身動きがとれなくなっているとブルームバーグは報じています。これによってリラの急落は阻止されているものの、CDSのスプレッドは急上昇しています。昨日のオフショア市場では、リラを借り入れるオーバーナイト・スワップレートが1000%に達したようです。JPモルガン・チェースは先週、トルコリラ売りを勧め、急落を引き起こしましたが、24日にはエルドアン大統領が、投機に加担した銀行を罰すると警告を発していました。ただリラ安の主因は、高止まりしているインフレ率に対する金融政策の遅れや、外交問題などにあり、これでリラ安が止まるとも思えません。
ドラギ総裁はフランクフルトの会議で、緩和的な政策姿勢は依然として必要だと語った上で、域内の経済成長が最終的には加速することに自信を示しました。総裁は、「想定より持続的な外需の悪化に直面しているが、まだ必ずしも深刻な低迷の前兆ではない」と述べ、労働市場が持ちこたえているとの認識を示しました。
本日はFOMCメンバーの中でも影響力の大きいと見られる、FRBの副議長や理事の講演が多く予定されています。個人的にはクラリダ副議長とウィリアムズNY連銀総裁の講演内容に注目しています。FRBの金融政策は引き締めからニュートラルに舵を切り替えてきましたが、市場では「利下げ」が意識され始めています。ハト派の代表格の一人である、シカゴ連銀のエバンス総裁は「利下げが必要な状況があるかしれない」と、利下げの可能性に言及しています。主要メンバーの誰かが利下げに前向きな発言をするようなら、米長期金利がさらに低下し、ドル円を押し下げることにもつながります。
本日のドル円は大きな波乱がないようなら、110円10銭〜110円80銭程度で推移すると予想します。
What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 2/5 | 長井・元日銀国際局 | 「米中貿易摩擦や中国経済への懸念などから円相場が今年前半に1ドル=95円程度まで円高になる可能性があり、その時は安倍政権との関係からも、日銀が何もやらないというのはないだろう」ブルームバーグとのインタビューで。 | -------- |
| 2/5 | トランプ・米大統領 | 「私は中国の習近平国家主席に多大な敬意を抱いており、米政権は現在、中国との新たな通商合意に向けて作業をしている」「しかし、合意には不公正な貿易慣行を終わらせ、米国の恒常的赤字を減らし、米国民の雇用を守るように、本物の構造改革が盛り込まれる必要がある」一般教書演説で。 | ドル円大幅に下落 |
| 2/6 | イエレン前・FRB議長 | 「次の行動が利下げになる可能性は確かにあるが、利下げ・利上げ両方の可能性がある」CNBCとのインタビューで。 | -------- |
| 2/13 | ポステック・アトランタ連銀総裁 | 「全てが予想通りに展開すれば、私は2019年に1回の利上げを予想する」、「経済は2018年ほど力強くはならないが、長期の潜在成長率は上回るというのがわれわれの予想だ」ダブリンで開催されたフォーラムで。 | -------- |
| 2/19 | FOMC議事録 | 「ほぼ全ての参加者が、当局保有資産の縮小を年内に停止する計画をそう遠くない将来に発表するのが望ましいとの考えを示した」1月29−30日開催の議事録で。 | 米国株が上昇 |
| 2/26 | パウエル・FRB議長 | 「この先、われわれの政策判断は引き続きデータ次第となり、経済情勢や見通しの展開に伴い、新たな情報を考慮する。海外の一部主要経済で成長が減速しており、中国と欧州で特に顕著だ」上院での議会証言で。 | -------- |
| 2/27 | バイトマン・ドイツ連銀総裁 | 「ECBの利上げ再開は2020年にずれ込むと投資家が予想するのは妥当だ」ドイツが「今年にかけて、下振れを経験しており、成長率は潜在成長率をかなり下回る可能性があるが、それでもまだプラス成長だ」ブルームバーグとのインタビューで。 | -------- |
| 3/2 | トランプ・米大統領 | 「私は強いドルを好むが、米国にすばらしく作用するドルが望ましいと考え、米国が他国とのビジネスを行うことができなくなるほどの強すぎるドルは望んでいない。FRBには量的引き締めを愛し、非常に強いドルを好むジェントルマンがいる」メリーランド州の会合で。 | -------- |
| 3/7 | ドラギ・ECB総裁 | 「地政学的要因と保護主義の脅威、脆弱性に関連した不透明感の持続が景況感に影響を与えているもようだ。ユーロ圏の成長見通しを取り巻くリスクは、依然として下振れ方向に傾斜している」 理事会後の会見で。 | ユーロドル1.13台〜1.1176まで下落。ユーロ円126円台〜124円台に。 |
| 3/10 | 易綱・中国人民銀行総裁 | 「中国は為替相場を競争、輸出拡大、貿易摩擦の手段に絶対使わない」記者会見で。 | -------- |
| 3/12 | メイ・英国首相 | 「合意なき離脱に反対票を投じ、離脱延期に賛成票を投じたからといって、われわれが直面している問題は解決しない。われわれが交渉した合意案が最善で、また唯一入手可能な合意案だと信じている」修正案が議会で否決された後に。 | -------- |
| 3/12 | ライトハイザー・USTR代表 | 「現在の関税が今後どうなるかにかかわらず、合意が破られた場合に関税を引き上げる権利を米国は維持しなければならない」 | -------- |
| 3/21 | パウエル・FRB議長 | 「海外経済の減速が米景気の逆風になってきた」「政策変更を明確に必要とするほど雇用とインフレの見通しが変わるには、しばらく時間がかかるかもしれない」FOMC後の記者会見で。 | ドル円111円60銭前後から110円52銭まで下落。ユーロドル1.13台半ばから1.1448まで上昇。 |
| 3/25 | エバンス・シカゴ連銀総裁 | (利上げ見通しについて)「今は静止、停止して事態の推移を見守るのによい時期だ」、「FF金利が中立に近づいているのはほぼ確かだ」香港のイベントで。 | -------- |



