今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2019年3月29(金) 「米中協議の進展を好感し株高ドル高進む」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は米中通商協議が進展しているとの報道を受けて株価と長期金利が上昇したことで買われ、110円83銭までドル高に。
  • ユーロドルも緩やかにドル高ユーロ安が進み、1.1214まで下落。約3週間ぶりのユーロ安水準をつけ、1.12を割り込むことができるかが注目。
  • 株式市場は反発。米中通商協議で「全ての分野で進展があった」との報道を好感。ダウは91ドル上昇し、主要指数も揃って上昇。
  • 株価が上昇したこともあり、債券相場は反落。長期金利は2.39%台まで上昇。
  • 金は大幅に続落し再び1300ドル台を割り込む。原油価格もトランプ大統領が原油高を批判したことで続落。
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2月中古住宅販売件数成約指数 → 21.1万件
新規失業保険申請件数     → −5.0%
10−12月GDP(確定値) →  2.2%
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ドル/円 110.31 〜 110.83
ユーロ/ドル 1.1214 〜 1.1238
ユーロ/円 124.05 〜 124.61
NYダウ +91.87 → 25,717.46ドル
GOLD −21.60 → 1295.30ドル
WTI −0.11 → 59.30ドル
米10年国債 +0.028 → 2.395%

本日の注目イベント

  • 豪 豪2月住宅建設許可件数
  • 日 2月失業率
  • 日 2月鉱工業生産
  • 日 3月東京都区部消費者物価指数
  • 独 独3月失業率
  • 欧 ユーロ圏3月消費者物価指数(速報値)
  • 英 英10−12月期GDP(改定値)
  • 英 英2月消費者信用残高
  • 英 英10−12月期経常収支
  • 米 2月個人所得
  • 米 1月個人支出
  • 米 1月PCEコアデフレータ
  • 米 3月シカゴ購買部協会景気指数
  • 米 2月新築住宅販売件数
  • 米 3月ミシガン大学消費者マインド(確定値)

昨日の東京市場では株価の大幅安を受け、ドル円は110円近辺まで売られる場面があり、NY市場でのもう一段の下落も予想されましたが、昨日から北京で再開された米中通商協議が進展したとの報道からドルが買い戻され、110円83銭まで反発しています。米株価と長期金利の上昇もドル買いをサポートしていました。

2日間の日程で始まった米中通商協議は、「中国側が強制的な技術移転に関し、範囲と詳細の両面でこれまでにない話をしている」とロイターが伝えました。さらに、「1カ月前の文書と現在のものを比較すると、全ての分野で進展があった。まだ目指すところには達していない」としながらも、強制技術移転、サイバー攻撃を通じた技術窃盗、知的財産権、サービス、為替、農業、非関税障壁の6分野で覚書が準備されていると、関係者の話として伝えています。協議は来週も場所をワシントンに変えて続けられる予定です。これに関して、クドロー国家経済会議(NEC)委員長はワシントンで、米国にはさらに数週間か数カ月延期する用意があると述べ、その理由として「これは時間に左右される問題ではなく、米国にとってプラスとなるすばらしい取引を成立させなくてはならない。それがわれわれの一番の関心事だ」と述べています。

注目していたFRBのクラリダ副議長は講演で、「インフレ圧力は抑制されているため、われわれは辛抱強く、かつデータ次第の姿勢を取る事が可能だ。米政策金利にどういった調整が必要になり得るのか、将来の会合で検証する」(ブルームバーグ)と述べ、中立的意見に終始し市場への影響はありませんでした。

ドル円は「日足」の雲の上限で下落が支えられている形で推移しています。先週末に109円台まで売られたドル円でしたが、上値が重い中でも一気に下値を攻める動きでもないようです。引き続き方向感を掴むのが難しいポンドは、メイ首相がEUと合意した離脱協定案について、本日下院であらためて採決を実施することになっています。ただ、その内容がこれまでと比べ明らかに異なる内容でなければならないと、バーコウ議長が述べていたこともあり、採決されるかどうかは非常に不透明です。

本日のドル円は110円10銭〜111円程度を予想しますが、週末、月末、決算期末が重なっています。特段の動きはないとは思いますが、いつもよりはマーケットの動きに注意を払った方がいいかもしれません。またユーロドルが1.12を割り込み、今月7日に記録した1.1176レベルを試す動きを見せるようだと、円も「連れ安」する可能性があります。

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欧州や中国をはじめ、世界景気の鈍化が懸念される中、10月の消費税率引き上げを延期すべきとの声も多いようです。政府は27日、2019年度予算を決定し、その中に2兆2800億円の消費増税対策費用を盛り込みました。安倍首相は、会見で「増税延期はリスクだ」と述べ、これまでと同じように、リーマンショック級の出来事がない限り実施する意向を示しました。延期するかどうかの判断基準に何故「リーマンショック」なのか、いまいちはっきりしませんが、恐らく、最大級の危機の例えで、まだ国民の頭の中に記憶として残っていることで単に例として挙げたものと思います。景気の悪化は欧州や中国だけではなく、米国にもじわじわと迫っています。当然日本も例外ではありません。何しろ、NYダウが400ドル下げたら、日経平均株価が700円以上も下げる「脆弱体質」です。来月からは乳製品など、毎日の生活に必要なものも多く値上がりします。「納税は国民の義務」という言葉に多少違和感はありますが、それもやむを得ません。しかし、「小さな政府」はどこへ行ってしまったのでしょうか?良い週末を・・・・・。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時     発言者     内容   市場への影響   
2/5 長井・元日銀国際局 「米中貿易摩擦や中国経済への懸念などから円相場が今年前半に1ドル=95円程度まで円高になる可能性があり、その時は安倍政権との関係からも、日銀が何もやらないというのはないだろう」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
2/5 トランプ・米大統領 「私は中国の習近平国家主席に多大な敬意を抱いており、米政権は現在、中国との新たな通商合意に向けて作業をしている」「しかし、合意には不公正な貿易慣行を終わらせ、米国の恒常的赤字を減らし、米国民の雇用を守るように、本物の構造改革が盛り込まれる必要がある」一般教書演説で。 ドル円大幅に下落
2/6 イエレン前・FRB議長 「次の行動が利下げになる可能性は確かにあるが、利下げ・利上げ両方の可能性がある」CNBCとのインタビューで。 --------
2/13 ポステック・アトランタ連銀総裁 「全てが予想通りに展開すれば、私は2019年に1回の利上げを予想する」、「経済は2018年ほど力強くはならないが、長期の潜在成長率は上回るというのがわれわれの予想だ」ダブリンで開催されたフォーラムで。 --------
2/19 FOMC議事録 「ほぼ全ての参加者が、当局保有資産の縮小を年内に停止する計画をそう遠くない将来に発表するのが望ましいとの考えを示した」1月29−30日開催の議事録で。 米国株が上昇
2/26 パウエル・FRB議長 「この先、われわれの政策判断は引き続きデータ次第となり、経済情勢や見通しの展開に伴い、新たな情報を考慮する。海外の一部主要経済で成長が減速しており、中国と欧州で特に顕著だ」上院での議会証言で。 --------
2/27 バイトマン・ドイツ連銀総裁 「ECBの利上げ再開は2020年にずれ込むと投資家が予想するのは妥当だ」ドイツが「今年にかけて、下振れを経験しており、成長率は潜在成長率をかなり下回る可能性があるが、それでもまだプラス成長だ」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
3/2 トランプ・米大統領 「私は強いドルを好むが、米国にすばらしく作用するドルが望ましいと考え、米国が他国とのビジネスを行うことができなくなるほどの強すぎるドルは望んでいない。FRBには量的引き締めを愛し、非常に強いドルを好むジェントルマンがいる」メリーランド州の会合で。 --------
3/7 ドラギ・ECB総裁 「地政学的要因と保護主義の脅威、脆弱性に関連した不透明感の持続が景況感に影響を与えているもようだ。ユーロ圏の成長見通しを取り巻くリスクは、依然として下振れ方向に傾斜している」 理事会後の会見で。 ユーロドル1.13台〜1.1176まで下落。ユーロ円126円台〜124円台に。
3/10 易綱・中国人民銀行総裁 「中国は為替相場を競争、輸出拡大、貿易摩擦の手段に絶対使わない」記者会見で。 --------
3/12 メイ・英国首相 「合意なき離脱に反対票を投じ、離脱延期に賛成票を投じたからといって、われわれが直面している問題は解決しない。われわれが交渉した合意案が最善で、また唯一入手可能な合意案だと信じている」修正案が議会で否決された後に。 --------
3/12 ライトハイザー・USTR代表 「現在の関税が今後どうなるかにかかわらず、合意が破られた場合に関税を引き上げる権利を米国は維持しなければならない」 --------
3/21 パウエル・FRB議長 「海外経済の減速が米景気の逆風になってきた」「政策変更を明確に必要とするほど雇用とインフレの見通しが変わるには、しばらく時間がかかるかもしれない」FOMC後の記者会見で。 ドル円111円60銭前後から110円52銭まで下落。ユーロドル1.13台半ばから1.1448まで上昇。
3/25 エバンス・シカゴ連銀総裁 (利上げ見通しについて)「今は静止、停止して事態の推移を見守るのによい時期だ」、「FF金利が中立に近づいているのはほぼ確かだ」香港のイベントで。 --------
3/28 クラリダ・FRB副議長 「インフレ圧力は抑制されているため、われわれは辛抱強く、かつデータ次第の姿勢を取る事が可能だ。米政策金利にどういった調整が必要になり得るのか、将来の会合で検証する」パリでの講演で。 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和